帝国データバンクによると、今年10月の全国企業倒産は1231件で、同社が倒産の集計基準を法的整理のみに変更した05年4月以降で最多となった。また負債総額は9790億1500万円で、05年4月以降で2番目の高水準となった。建設、不動産業での大型倒産続発を受けた連鎖倒産の増加や、資金繰りに苦しむ中小・零細企業の倒産増加などが背景にあると同社ではみている。 倒産件数は前月比9.7%、前年同月比13.7%、それぞれ増加した。今年7月の1131件を抜いて05年4月以降で最多を記録。1月からの累計は1万524件となり、1万件の大台を突破した。 倒産を業種別でみると、8業種すべてで前年同月を上回った。このうち製造業(176件、前年同月比30.4%増)、小売業(231件、同6.0%増)、サービス業(203件、同18.0%増)の3業種は05年4月以降で最多となった。建設業(324件、同4.9%増)も今年7月と並び最多となった。 建設業は受注減、資材価格高騰、不動産業者への焦げ付き散発、製造業は内需停滞、外需減速、原料高、小売業とサービス業は景気後退による消費低迷、競争激化などが影響している。 倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難などの不況型倒産が988件で、前月比10.5%、前年同月比19.6%、それぞれ増加した。倒産全体に占める割合は80.3%で、05年4月以降で今年8月の81.4%に次ぐ高水準となった。 倒産の規模別では、負債5千万円未満の零細企業の倒産が524件で、倒産全体に占める割合が42.6%と主流を占めた。半面、負債100億円以上の倒産も12件、前年同月比140.0%の大幅増で4カ月連続で10件を上回る高水準となった。 地域別では、9地域中7地域で前年同月比増加した。関東(425件、前年同月比31.2%増)は大幅増。北陸(48件、同4.3%増)、中部(135件、同8.9%増)、九州(118件、同40.5%増)の3地域は05年4月以降で最多となった。東北(83件、同増減なし)も07年10月と並ぶ最多となった。 負債総額は、前月比は81.6%減だが、前年同月比は121.7%の大幅増となった。