日本政策金融公庫はこのほど、小企業の地域貢献に関する実態調査結果を発表した。それによると、小企業の44.6%が何らかの形で地域貢献活動を行っていることが分かった。活動は「祭りや伝統行事の開催や維持」が最も多く、26.6%が取り組んでいると回答。このほか、「従業員規模が大きいほど地域貢献活動に取り組む割合が高い」「地域貢献活動に取り組む割合は企業の業績とあまり関連がない」ことも分かった。 調査は今年5月、同公庫の融資先企業1万社に行った。回答数は3065件で回答率30.7%。回答者のうち、飲食店・宿泊業は6.7%あった。 地域貢献活動に取り組んでいるとした企業は44.6%、取り組んでいないとした企業は55.4%だった。また、経営者個人として地域貢献活動に取り組んでいるとした回答は33.8%あった。 具体的活動内容(複数回答)は、「文化・環境に関する活動」が34.2%でトップ。2位の「治安・安全・防災に関する活動」の20.3%を大きく離した。以下、「経済の振興に関する活動」17.6%、「教育に関する活動」9.3%、「雇用に関する活動」8.3%、「保健・医療・福祉に関する活動」6.4%。 「文化・環境─」の中では、「祭りや伝統行事の開催や維持」が26.6%と最も多く、以下、「地域における文化やスポーツの振興」13.8%、「地域の美化や緑化」13.2%、「地域の環境保全」8.2%。 従業者規模別にみた取り組み割合は、「20人以上」が59.0%と最も多く、以下、「10〜19人」56.8%、「5〜9人」48.6%、「1〜4人」37.0%。従業者が多いほど地域貢献活動に取り組む割合が高い。 企業の業績と取り組み割合の関連をみると、売上高が増加傾向とする企業の44.1%が地域貢献活動に取り組んでいると回答したのに対し、売上高が減少傾向とした企業の44.5%、あまり変わらないとした企業の45.8%が「取り組んでいる」と回答。売上状況による取り組みの差はあまりみられない。
日本政策金融公庫がこのほど公表した今年11月の中小企業景況調査報告によると、中小企業の同月の売上DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値)はマイナス31.0で、前月のマイナス17.2から13.8ポイント低下した。これで、22カ月連続でDIがマイナス値となった。同公庫は中小企業の景況判断を前月に続き「悪化している」としている。 売上見通しDIは前月のマイナス17.7からマイナス27.6に低下。5カ月連続のマイナス値となった。利益額DIも前月のマイナス17.0からマイナス28.2に低下。19カ月連続のマイナス値となった。 このほか黒字の企業割合から赤字の企業割合を引いた値は前月の16.8から10.2に低下。資金繰りDI(余裕とする企業割合から窮屈とする企業割合を引いた値)は前月のマイナス10.3からマイナス9.8に上昇したものの、15カ月連続でマイナス値が続いている。 調査は11月中旬、3大都市圏の同公庫取引先900社に行った。有効回答数は576社で、回答率64.0%。 「原油高騰が影響」4ヵ月連続で低下 同調査では、「原油・石油製品の価格高騰による影響」も調査した。それによると、同製品の価格高騰により収益に影響を受けている企業の割合は67.6%で、前月から2.9ポイント低下。これで4カ月連続の低下となった。 収益への影響について、「大きく圧迫」とした企業は13.1%で、前月から1.6ポイント下回った。「やや圧迫」は54.5%で同1.3ポイント減少。「ほとんど影響なし」は32.4%で同2.9ポイント増加した。