日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ、舩山龍二会長)は3日、東京プリンスホテルで、農山漁村とツーリズムをテーマに「ツーリズムサミット2008」を開いた。観光業界関係者ら約450人が出席。 冒頭あいさつした舩山会長は「これまでスポーツや食などをテーマにサミットを開いてきたが、農山漁村はツーリズムに最も近い関係にあるといえる。どう絡んでいけばいいのか、このサミットを通して考えてみたい」と述べた。 来賓の加納時男国土交通副大臣は「国際交流の盛んな国は(対外的に)印象が良い。(国の)成長戦略の1つが観光であり、観光立国の主役は民間、企業」と述べ、観光業界の一層の奮起を促した。 また、日本経団連の大塚陸毅観光委員長は、「観光庁ができ、09年は大事な年となる。取り巻く環境は厳しいが、逆風の中でこそ知恵と工夫、努力が問われる」とした上で、経団連会員に対し、観光への支援、協力を求める活動をしていることを明らかにした。 基調講演した作家の立松和平氏は「ツーリズムは今後、少人数の自然体験に傾いていくだろう」との見通しを示した。セミナーでは農村、山村、漁村における取り組みを紹介。農村では、長野県飯山市で「森の家」を運営する木村宏支配人がグリーンツーリズムに力を入れ、教育旅行の誘致に努めている例などを挙げた。
観光庁は12月8日、「休暇取得推進に関する有識者委員会」の第1回会合を開催した。企業や個人にとって有益で、旅行需要の創出・平準化につながるような休暇のあり方を研究する。一部の企業の特別な先進事例ではなく、幅広い企業の参考となる先進事例を収集、分析して、報告書をまとめる。来年3月にはシンポジウムも開催する。 委員会の主な検討内容は、(1)企業での休暇取得に関する先進事例の分析(2)休暇取得の有益性と、休暇取得に影響を与える要因の分析(3)休暇を国内旅行や家族旅行に誘導する方策──など。 休暇取得に関する事例の調査では、インターネットの調査を通じて、一般から1500件の情報を収集した。寄せられた情報を委員会で検討し、企業などにヒアリングを行い、普及可能な事例をまとめる。 委員は次の通り(敬称略)。 座長=城戸康彰(産業能率大学大学院総合マネジメント研究科教授、同大学経営学部教授)、副座長=丁野朗(日本観光協会常務理事・総合研究所所長)、委員=金子家治(世界遺産アカデミー理事長、前・日本旅行業協会常務理事)、川崎雄介(イーウェル事業企画統括部部長)、佐々木常夫(日本経済団体連合会理事)、島津公保(日本商工会議所観光専門委員会委員、鹿児島商工会議所副会頭)、谷口真美(早稲田大学大学院商学研究科教授)
観光庁は、行政体験研修生として外国人留学生4人の受け入れを始めた。期間は12月1日〜来年2月28日。多様な関係者の連携の下で観光立国の実現を目指す観光庁ビジョン「開かれた観光庁」の施策の一環。留学生のキャリア形成を支援するとともに、外国人の視点を観光行政に生かす。 留学生には、主に外国人旅行者の受け入れ態勢やプロモーション手法を研究してもらう。4人は3課に配置され、週2日、半日間勤務する。 観光地域振興課には、東京大学大学院のイギリス人学生と横浜商科大学の韓国人学生。国際観光政策課に立教大学大学院の中国人学生、国際交流推進課には東京大学大学院のアメリカ人学生を配置した。