08年11月の訪日外客数は、世界的な景気の後退、円高などの影響を受け、前年同月比19.3%減の55万4千人と大幅に落ち込んだ。4カ月連続の減少。日本政府観光局(JNTO)が12月24日に推計値として発表した。韓国からの訪日客が半減するなど、VJC重点12市場のうち、中国、香港を除く10市場が前年を割り込んだ。 1〜11月の累計値は、前年同期比2.2%増の783万8千人。 観光庁の本保芳明長官は、12月24日の定例会見で「ここまで落ち込むとは」と想像以上の下げ幅だったことに驚きを隠さず、「12月が前年同月比25%以上の減少なら、07年の835万人を割り込む」と指摘した。 国・地域別では、韓国がウォン安の急激な進行などで、前年同月比46.2%減の11万8千人と大幅減になった。台湾は13.4%減の9万4千人。2ケタの減少は、米国の12.5%減、カナダの12.3%減、豪州の11.1%減、英国の10.1%減。前月まで過去最高が続いたシンガポール、フランスも、それぞれ9.8%減、2.6%減と前年割れに転じた。 前年同月実績を上回ったのは香港と中国。香港が5.0%増の3万6千人、中国が5.3%増の7万3千人だった。