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観光行政 ■第2499号《2009年1月17日(土)発行》  

07年度の国内旅行消費額、0.2%減の23兆5千億円
 2007年度の国内旅行消費額は、前年度比0.2%減の23兆5010億円だった。国土交通省がこのほど発表した統計調査の結果で分かった。訪日外国人の旅行消費額や日本人の日帰り旅行消費額は増えたが、構成比の大きい日本人の宿泊旅行消費額が宿泊日数の減少などで3年連続の減少となり、全体額を引き下げた。

 国内旅行消費額は、日本人の宿泊旅行と日帰り旅行の消費額、海外旅行の国内消費分、これに訪日外国人の旅行消費額を合計したもの。総務省の承認統計「旅行・観光消費動向調査」を基礎に推計した。調査対象は全国1万5千人で7165人が回答した。

 消費額全体のうち日本人の宿泊旅行消費額は2.5%減の15兆2950億円。1人当たりの年間宿泊数の減少が消費額に影響したとみられる。旅行目的別に前年度と比べると、「観光・レクリエーション」が2.7泊から2.4泊に、「帰省等」が2.6泊から2.1泊に、「出張・業務等」が1.8泊から1.7泊になり、いずれの目的の旅行でも宿泊数がダウンした。

 宿泊旅行消費額の減少について、観光庁の本保芳明長官は12月24日の定例会見で、「3年連続の減少であり、原因の分析が必要だ。マインドの変化などを含めて新しい見方で分析したい」と述べ、09年版「観光白書」での発表を念頭に分析を進める考えを示した。

 宿泊旅行以外の消費額はいずれも増加した。訪日外国人の旅行消費額は、07年の訪日外客数が過去最高の835万人になるなど客数の増加を受けて、同8.7%増の1兆4830億円に伸びた。

 日本人の日帰り旅行も同4.3%増の4兆9480億円。1人当たりの年間日帰り旅行の回数は前年度の3.2回から3.0回へと減少したが、1回当たりの旅行消費額が増えた。海外旅行の国内消費分も同1.6%増の1兆7750億円となった。

雇用効果は441万人 就業者の6.9%
 国交省は、旅行消費額を基に産業連関表を使って07年度の旅行消費による経済波及効果を試算した。雇用効果は全就業者数6425万人(06年度)の6.9%に及ぶ441万人と算出した。

 生産波及効果は53兆1千億円で国内生産額の5.6%に、付加価値効果は28兆5千億円で名目GDPの5.5%に相当すると算出。税収効果は5兆1千億円で、07年度税収見込み額(国税、地方税)の5.4%に相当するという。


観光関係団体が新年賀詞交、観光機運盛り上げ誓う
不況に負けじと威勢よく乾杯する観光関係者

 観光関係団体懇談会(26団体で構成、幹事・日本観光協会)主催の新年賀詞交換会が8日、東京のグランドプリンスホテル赤坂で開かれた。不況による先行き不安感から消費意欲は弱まっており、観光業界にとっても厳しい1年となりそうだが、出席者からは「嘆いていても始まらない。ピンチこそチャンス」と前向きな発言も出ていた。会場には加納時男国土交通副大臣、七条明自民党観光特別委員長らも姿を見せ、観光業界が経済のけん引役を果たすことに期待した。

 賀詞交換会には国会議員、観光庁幹部、団体、旅行会社のトップら約200人が出席。主催者を代表してあいさつした中村徹日観協会長は、厳しい経済状況を踏まえ「我慢の時代だが、過去にとらわれることなく新しいことにチャレンジしてほしい」と呼びかけた。

 来賓の加納副大臣は、「観光も消費も気分で決まる。経営者は明るい信念をもって(経営に)臨んでほしい」とプラス志向を強調する一方、「定額給付金を使って観光に行こう、といったキャンペーンも行われるのではないか」と期待した。

 また、七条委員長は中国人富裕層誘致へ向け、ICカードを利用した出入国手続きの構想を明らかにし、現在、観光庁や法務省、外務省などと調整していると述べた。

 このほか、愛知和男衆院議員、藤野真紀子衆院議員、金子善次郎衆院議員ら多くの国会議員が駆けつけた。

 昨年10月の観光庁発足に水を差すような経済情勢で、消費者の旅行手控えも懸念されているが、出席者の間からは「今は我慢の時」「知恵と工夫で、業界挙げて旅行需要の喚起に努めるべきだ」という前向きな声が出ていた。


観光庁、外国人向け土産のコンテストを開始
 観光庁は、外国人にとって魅力的な土産品を選ぶ「VJC魅力ある日本のおみやげコンテスト2009」の参加商品を2月1日まで募集している。5回目の今回は、食品、工芸品などの4部門の各賞などのほか、新たにグランプリとして観光庁長官賞を設けた。メーカーなどの応募だけでなく、一般からの推薦による応募もできる。

 土産品を通じて日本の魅力を海外に伝え、訪日旅行を促進するのが狙い。同時に新たな土産品を育成、発掘し、地域ブランドの振興を図る。

 募集部門は、(1)食品(2)匠(民工芸品)(3)エコ(4)クールジャパン──の4部門。エコ部門は、風呂敷やエコバッグのように資源の節約につながる商品などが対象。クールジャパン部門は、キャラクターグッズやフィギュアなど、日本の新しい文化を発信できる商品が該当する。

 最終審査は2月20日に行う予定。VJCの重点市場になっている12の国・地域の有識者と、観光に精通した日本人の有識者が審査する。長官賞1点のほか、各部門賞、外国人審査員が選ぶ国・地域賞(12点)などを選定する。

 受賞商品は成田、関西、中部などの空港売店の特設コーナーで展示、販売される予定。

 土産品の応募は、専用ホームページ(http://www.vjc-omiyage2009.com)から。受賞商品の応募者には旅行券が贈られる。
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