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観光行政 ■第2501号《2009年2月7日(土)発行》
VJC実施本部、訪日市場低迷に緊急対策
ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)実施本部は1月21日、執行委員会(委員長=本保芳明観光庁長官)を開き、景気後退に伴う訪日外国人旅行者の減少への緊急的な対策として、訪日旅行をプレゼントする懸賞キャンペーンの実施を決めた。台湾と香港から抽選で合計200組400人程度を招待する予定。VJC事業で今回のような大規模の懸賞キャンペーンを打つのは初めて。
懸賞キャンペーンは3月に実施する。プレゼントする訪日旅行は3泊4日で、台湾、香港それぞれ100組200人程度に航空券、宿泊、鉄道のフリーパスをセットで贈る。滞在都市は東京と大阪、半分ずつにする。プレゼント商品は、観光・運輸業界から協力を得ることにしている。
キャンペーンでは訪日旅行の魅力をアピールする広告を新聞、屋外看板、フリーペーパーなどで展開し、VJCの公式ウェブサイトから懸賞に応募してもらう。訪日旅行に関するアンケートへの参加を応募条件とするほか、当選者からは旅行後に体験記などを集め、今後のマーケティングにも役立てる。
個人旅行者増加への効果を狙って、台湾、香港の2市場を選定した。香港では、今年が日本香港観光交流年であることから、記念事業との相乗効果も期待している。
VJC実施本部では、旅行環境の変化を見据えつつ、他の市場に対するキャンペーンの4月以降の実施についても検討していく。特に、台湾や香港と同様、個人旅行の需要喚起が重要課題になっている韓国に対しては、市場動向や通貨レートの状況をみながら効果的なタイミングでの実施を検討したい考えだ。
国交省、バリアフリー化に取り組む4業者・団体を表彰
賞状を手にする受賞者たち
国土交通省は1月20日、市内のバリアフリー(BF)化に長期的に取り組んでいる岐阜県高山市など、国土交通分野でBF化の推進に努めた4事業者・団体を表彰した。昨年に続き2回目。同省では今後も継続的にBF化に取り組む事業者らを表彰することで、BF化の優れた取り組みを広く普及、奨励したい考えだ。
今回「BF化推進功労者大臣表彰」を受けたのは、箱根ロープウエイ▽岐阜県高山市▽障害者の自立と完全参加を目指す大阪連絡会議▽オキナワマリオット&リゾート&スパ──の4事業者・団体。
高橋儀平・東洋大学ライフデザイン学部教授らでつくる選考委員会が、37件の候補案件から表彰対象を決めた。特に今回は前回よりも「国のBF基準を超えた自発的なBF化や、継続性、独自性などを評価した」(選考委員の秋山哲男・首都大学東京教授)。
例えば96年からBFに関するモニターツアーを実施し障害者や外国人も住みよい街づくりを行っている高山市は、国のBF基準よりも厳しい基準を条例で定め、道路や多目的公衆トイレの整備を行っている。またBFの発展形である「ユニバーサルデザイン」を取り入れた施設整備やサービス提供を行う事業者を独自に認定するなどして、地域のBFへの意識高揚を図っている。
またオキナワマリオットは、ホテル全館をBF新法の基準に適合するようにしたほか、361室のうち36室をユニバーサルルームとして整備したり、社員への介助トレーニングを定期的に行なったりしている。
表彰を受けた事業者らのうち高山市の土野守市長は、「これまでの取り組みが評価され光栄だ。今後も昔ながらの町並みを大切にしながらBFの街づくりを進め、福祉観光都市として発展していきたい」とさらなるBFへの取り組みに意欲を見せた。
09年度予算政府案、観光関連の総額は2179億円
2009年度予算政府案で、観光振興に関連する予算の合計額は、前年度当初予算比32億円増の2179億円となった。観光庁の集計によるもので、観光地づくりやインバウンドの振興につながる予算が増加している。
観光関連予算を観光立国推進基本法に掲げられた基本的施策のテーマ別に分類すると、「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成」1401億円(前年度当初予算案比58億円増)、「国際観光の振興」575億円(同45億円増)、「観光旅行の促進のための環境の整備」202億円(同37億円減)、「観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成」1.3億円(同0.3億円減)。
観光地づくりにつながる観光関連予算は、観光庁の観光圏整備事業費5.8億円、経済産業省の広域・総合観光集客サービス支援事業3.2億円、中小企業庁の中小企業地域資源活用プログラム112.7億円(の内数)などのほか、文化庁の国宝・重要文化財・史跡等の活用費382億円などが含まれる。
インバウンドの振興につながる関連予算は、観光庁のビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトなど国際観光振興費33億円をはじめ、日本文化、日本の食・食材の魅力を海外に発信する文化庁、農林水産省の事業などがある。文部科学省では、2020年までに留学生30万人を受け入れる「留学生30万人計画」に向けた交流推進費に434億円を充てている。
このほか旅行促進のための環境整備では、環境省のエコツーリズム総合推進事業費1.3億円、農水省の子ども農山漁村交流プロジェクト対策事業6.4億円(の内数)などがある。
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