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旅館・ホテル ■第2501号《2009年2月7日(土)発行》
本社主催「人気温泉旅館ホテル250選」認定証授与式、盛大に
旅館・ホテル経営者ら約450人が出席。厳粛なムードで進行した=1月23日、浅草ビューホテル
(あいさつする江口本社社長)
観光経済新聞社主催、観光関係9団体後援の2008年度「人気温泉旅館ホテル250選認定証授与式」が1月23日、東京の浅草ビューホテルで開かれた。旅行業者の人気投票で上位250軒に入選した旅館・ホテルの経営者、観光業界の来賓など約450人が出席。入選施設に本社が商標登録している「星マーク」「5つ星マーク」の認定証が贈られた。懇親パーティーでは二階俊博・経済産業相、神谷俊広・観光庁次長らが旅館・ホテルを激励するあいさつを述べた。
主催者を代表して観光経済新聞社の江口恒明社長(人気温泉旅館ホテル250選実行委員会委員長)は、「全国の旅館・ホテル数は約6万軒と言われるが、今回250選に選ばれた宿はその中で最も人気があり、優れた旅館・ホテルということになる。厳しい経済環境にあるが、昨年10月に観光庁ができ、本年は『観光元年』。英知を絞り、忍耐と挑戦をキーワードに、なんとしても生き残らねばならない」と述べた。
来賓、実行委員(後援団体)の紹介に続き、今回の250選の選定経過を、実行委員を代表して日本観光協会の長嶋秀孝常務理事が報告。「昨年7月から10月までの投票期間で1万2721枚の投票はがきが寄せられ、厳正な集計の上、上位250軒を選んだ。認定証はプロが選んだ宿、信頼の証として、誇りを持って掲出してほしい」と述べた。
祝電披露(日本ツーリズム産業団体連合会・舩山龍二会長、JTB・田川博己社長、近畿日本ツーリスト・吉川勝久社長、日本旅行・丸尾和明社長、トップツアー・石川邦大社長、クラブツーリズム・岡本邦夫社長)に続き、本社が250選と同時に実施している「2008年度にっぽんの温泉100選」で6年連続1位を獲得した草津温泉(群馬県)を表彰。草津町の中澤敬町長が表彰状と記念のトロフィーを受け取った。中澤町長は「栄えある賞をいただき、大変名誉に思う。温泉は日本のアイデンティティのひとつ。『ONSEN』が世界語になるようがんばる」と述べた。
引き続き250選の授与式に移り、北海道から九州まで全国8地区の代表に「星マーク」の認定証を授与。なお、通算5回以上入選の施設は本社が「5つ星の宿」と認定し、特製の「5つ星マーク」の認定証を授与した。該当する施設は今回205軒となった。
第2部の懇親パーティーには、二階俊博・経済産業相が急きょ開かれた閣議の終了後駆け付け、入選した旅館・ホテル経営者らを激励した。このほか観光庁の神谷俊広次長、日本観光協会の中村徹会長、日本観光戦略研究所の藤野公孝常務理事(元参議院議員)があいさつ、国際観光旅館連盟の佐藤義正会長が乾杯の発声、立教大学の前田勇名誉教授が中締めのあいさつをそれぞれ行った。
観光庁の神谷次長は「(観光庁の)本保長官が日本と香港の観光交流年のオープニングセレモニーで香港にまいっている」と一言添えてあいさつ。「旅館・ホテルの皆さまは365日のおもてなしと、地域の活性化に尽力いただいている。観光庁は総勢120人近くが本保長官のもと、汗をかいている。宿泊産業の活性化、再生は大きな課題だ。観光圏の整備などを通じて宿泊産業の強化を図りたい」と述べた。
日観協の中村会長は「観光庁が打ち出す施策を、民間も受け止めて、取り組んでいかねばならない。旅館・ホテルの皆さんは、地域発の魅力ある旅行が作られる動きが出た際、積極的に参加してほしい」と訴えた。日本観光戦略研の藤野常務は「困難な状況だが、観光と旅館再生のため、皆さまと一緒にがんばっていきたい」と述べた。
二階経産相、250選施設を激励
二階俊博・経済産業相は1月23日、本社主催のプロが選んだ「旅館・ホテル250選」の認定証授与式(5つ星の宿=商標登録済み)の懇親パーティーに出席した席上、最近の中小企業経営が金融問題で行き詰まっている現状について、「経済産業省の中小企業金融問題対策として、ご周知のように、いち早く現状を把握して、昨年秋から相当枠の融資を実施して実績を上げている」とした上で、特に観光・温泉地の伝統文化を守る老舗旅館が自助努力の限界を越えて倒産、民事再生法を余儀なくされている現状を憂慮しているので、何らかの対策が必要であることを強調して、次のように述べた。
「これから外国人観光客も増えてくるときに、日本の伝統文化、心を売る宿である『5つ星の宿』を消してはならない。一生懸命がんばっているところで、金融問題で苦慮しているところは、観光経済新聞社(江口社長)へ連絡してほしい。何らかの救済策を講じたい」。
二階経産相は、観光立国が推進される中で、中小企業対策と積極的に取り組んでいるので、心情的に伝統文化の宿が消えていくことに配慮したものとして注目される。
岐阜・下呂温泉の旅館が共同で環境ISO取得
認証の取得式
岐阜県の下呂温泉旅館組合員でJTB協定旅館ホテル連盟に加盟している旅館5軒(水明館、紗々羅、望川館、湯之島館、木曽屋)は、グループでISO14001(環境マネージメントシステムの国際規格)を取得したと発表。1月13日に水明館で認証取得式を開いた。同認証のグループでの取得は、中部地方の観光、宿泊業界では初めて。
5旅館は、JTB協定旅館ホテル連盟の支援を得て一昨年に発足した「下呂温泉旅館群ISO14001取得プロジェクト委員会」(滝康洋委員長)に参加。昨年2月から各旅館での環境方針の制定、環境マニュアルの作成など、取得に向けた構築活動を開始。12月29日に認証された。
下呂温泉では、これまでにも使用済みの割り箸の回収や空き缶のリサイクルなどを行っている。今回の取り組みで、水明館では事務所での冷房、暖房の使用時間の制限、パントリー等での給湯の使用を制限することにより、電気、重油、食品廃棄物、館内廃棄物の1%削減(2007年対比)を達成。「今後、二酸化炭素の排出を削減する旅館を目指したい」(水明館)としている。
大分・別府温泉で「現代芸術フェスタ」4月から
大分県別府市で今年4月11日から6月14日まで行われるイベント「別府現代芸術フェスティバル2009『混浴温泉世界』」の記者発表会が1月22日、大分県東京事務所で行われた。同イベント実行委員会の鶴田浩一郎委員(ホテルニューツルタ、NPO法人ハットウ・オンパク代表理事)らがイベント概要を説明。温泉街の各地で現代アートの展示・発表を行い、期間中8万人以上の集客を目指すとした。
イベントは別府市と同イベント実行委員会が主催。公園、港、ギャラリー、神社、空き店舗など、温泉街の様々な場所を会場に、芸術作品の展示や制作実演・発表を行う。
国内の若手芸術家25組が古いアパートに滞在して美術作品を制作、来場者がその様子を見学する「わくわく混浴アパートメント」など、ユニークな取り組みも行われる。
イベントは観光振興、中心街の活性化、文化芸術の振興、地域を担う人材育成などを目的に開催。町の活性化を目的に、イベント会場は温泉街に広く分散させ、来訪者に回遊してもらう。
鶴田委員は「(芸術が)温泉以外の新しい文化を吹き込み、新しい別府の姿が表れるのではないかと期待している」とあいさつ。
イベントの総合ディレクターを務める芹沢高志氏(P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター)は「(イベント会場は)男女、住民、観光客が関係なく時間を共有できる理想的な場所」として、今回のイベントタイトルを「混浴温泉」とした背景を説明した。
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