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トラベル ■第2503号《2009年2月21日(土)発行》
楽天トラベル、08年の流通総額は2600億円
楽天は13日、08年度(1〜12月)決算を発表した。このうち楽天トラベルを中核とするトラベル事業は、一般の旅行会社の総取扱額に相当する予約流通総額が前年度比18.4%増の2604億円となった。レジャー需要やダイナミックパッケージ「ANA楽パック」の好調が成長を後押しした。
売上高は同25.5%増の161億9800万円、営業利益は同24.3%増の74億6200万円だった。営業利益率は前年度の44.9%から51.3%に伸びた。「グループ内での経営管理体制の強化施策『プロジェクトV』を通じ、費用構造の見直しを行った結果大きく伸びた」(岡武公士楽天トラベル社長)。
強みであるビジネス需要は「前年並みもしくは若干割り込む状況」(三木谷浩史同社会長)。特に昨秋以降は金融危機などの影響で出張需要などが伸び悩んだ。しかし同社が近年力を入れるレジャー需要が近場を中心に好調だったことで、トラベル全体での予約流通総額は伸びた。また、ダイナミックパッケージ「ANA楽パック」の好調や割安感が消費者に受け入れられた。高速バス予約の好調も取り扱い増を後押しした。
楽天グループ全体の連結決算は、楽天市場、楽天トラベルの増益や信販子会社の楽天KCの大幅な損益改善などにより、営業利益が471億5100万円(前年度1億1800万円)、経常利益が前年度比65.6%増の445億3100万円と過去最高だった。
投資有価償還評価損や減損損失などの特別損失や減損損失などの有税処理に伴う法人税等及び法人税等調整額の計上などから、純損失は549億7700万円(前年度は368億9800万円の純利益)となった。
「JTBを抜いた」三木谷会長
楽天の三木谷浩史社長兼会長は12日、宿泊施設から約1千人の参加者を集めて東京・台場のホテル・グランパシフィック・ル・ダイバで開いた「楽天トラベル新春カンファレンス2009(関東)」で講演し、「楽天トラベルが08年の1月から12月に取り扱った宿泊人数は、対前年比15.4%増の2491万人。おそらくJTBを抜いた」と話した。
JTB宿泊白書2008によると、JTBが取り扱った07年度(07年4月〜08年3月)の宿泊人数は対前年度比2.2%減の2454万人。JTBの「宿泊人数」は、ここ数年間伸びが完全に止まっていることから、このように発言した模様だ。ただ、同白書では「ノークーポン商品等を含んだ(JTBの07年度の)『宿泊総販売実績人数』は3008万人で前年より191万人の増加」としている。
ANAセールス、上期の販売目標は93万人に
ANAセールスはこのほど09年度上期(4〜9月)商品を発売した。昨年よりも発売開始を最大2週間早めた。早めの申し込みに対する割引特典なども用意し、「スタートダッシュ」(同社広報担当)で需要取り込みを狙う。販売目標人員は前年並みの93万2900人。
沖縄方面商品を皮切りに、1月30日から順次販売を始めた。早期発売で、商品の市場への浸透度を高め、需要の囲い込みや販売店への効果的な商品アピールを図りたい考えだ。早期の需要獲得策としては、4、5月出発商品では40日前までの申し込みの場合、旅行代金から1人3千円を割り引く特典も用意した。
このほか上期商品では、誕生日などの記念旅行での「アニバーサリー特典」の拡充や、お客さまアンケートに基づく高評価施設のパンフレットへの明記なども進めた。
方面別販売目標人員は、北海道16万9千人(前年同期比1%減)、東北2万1500人(同5%減)、関東・甲信越28万5500人(前年並み)、北陸1万2千人(前年並み)、中部2万1千人(同5%増)、関西7万4300人(同6%減)、中四国2万4100人(同5%減)、九州10万6千人(同1%増)、沖縄21万9500人(同3%増)。中部地方は、今年6月の富士山静岡空港開港による中部地方路線の増加を踏まえた目標。一方、昨年実績よりも低い販売人員数を目標とした地方のうち、東北、関西、中四国は、ANAが運行する国内線の減便を受けて数値設定した。
JTB西日本、「スポーツステーション」サイト開設
JTB西日本は3月19日、国内外のスポーツ大会への参加受け付けを代行するサイト「JTBスポーツステーション」を立ち上げる。旅行業界では初めての取り組み。国内の大会ではエントリーだけでなく、交通や宿泊の手配から清算までを一括して行えるのが他のスポーツエントリーサイトにはない特徴だ。
エントリー代行料は参加者1人につき国内でのスポーツ大会で200〜300円、海外大会では5千〜7千円を予定。取扱目標は09年度が10万人、11年度が50万人。
国内のスポーツ大会への海外からの参加者にも対応可能。海外のスポーツ大会の取り扱いは09年度中に開始する予定。日本語でエントリーできる利便性を訴求する。
サイト事業は、2月9日に開設した、スポーツ大会のエントリー業務を代行する専門部署で手掛ける。ここではスポーツ大会の企画、運営や参加者の宿泊、交通の手配など総合的なプロデュースも行うほか、スポーツ大会の開催による地域振興も提案していく。
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