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旅館・ホテル ■第2505号《2009年3月7日(土)発行》
全国総会は隔年実施へ 東武旅連
市川会長
東武トラベル協定旅館連盟(市川捷次会長=ホテル一井、750会員)は2月24日、平成21年度全国通常総会を東京・錦糸町の東武ホテルレバント東京で開いた。連盟の運営方と規約を改正。毎年の全国総会を隔年とし、新たに設置する役員総会と交互に開催することなどを決めた。触れられることのなかった手数料率の問題を協議していく考えも打ち出した。
近年、会員数が漸減し、環境も変化していることを受けて同旅連では、効率的かつ時代に合った連盟のあり方を問う声が高まった。このため業務推進委員会を諮問機関としてここ1年、運営方の見直しを検討してきた。
全国通常総会を実施しない年の役員総会は、本部役員と業務推進委員会委員の約40人が出席する。各地域の活動内容を報告するほか、本部活動の方針なども検討していく。
予算、決算、事業計画、役員改選は通常総会で議決する。
総会の隔年開催と併せて、業務推進委員会の機能を強化し、円滑な組織運営を図る。本部に加え、各支部にも支部業務推進委員会を組織。各業務推進委員会では、着地型旅行商品作りなど地域の活性化と宿泊券の増売に結び付く事業を進める。ネット販売市場の拡大や経営環境の悪化などの現状に即した手数料率についても議論していく。
市川会長は、冒頭でのあいさつで「連盟と東武トラベル、お互いの利益のためにどうしたらいいのか、もっと考えなくてはならない。皆で力を合わせて、より良い方向に向かっていきたい」と語った。
総会では役員改選も行い、市川会長を再選。また、副会長に信越支部の山田久志氏(湖畔の宿吉田家)を加えた。再任の副会長は小松原正信(堂ヶ島温泉ホテル)、佐野喜一郎(ホテル佐野家)、飯田満治(九十九観光ホテル)、吉田長明(東武トラベル常務取締役総務部長)の4氏。
「忍耐と挑戦だ」 観光経済新聞の 江口社長が講演
議事終了後には講演会を開催。講師として招いた観光経済新聞社の江口恒明社長が、情報を集約して選別できるマスコミの立場から見た観光消費動向や旅館経営の課題について語った。
江口社長は「守りの経営から攻めの経営に移すこと。銀行にびくびくするのではなく、自ら銀行に乗り込み経営姿勢を明確にするぐらいの心構えが必要だ。今年のテーマは『忍耐』と『挑戦』。危機こそビジネスチャンスだ」と、聴講した旅館経営者らを元気付けた。また、「これからは環境と観光の時代」「地元客を掘り起こすことが大事」などと指針を示した。
新潟県旅組、東京で観光交流会開催
新潟県の色のパネルをバックにあいさつする野澤理事長
本社を訪れた女将のキャラバン
新潟県旅館組合(野澤幸司理事長)は2月25日、東京・西池袋のホテルメトロポリタンで、旅行会社やマスコミ関係者らを集め、観光交流会を開いた。「うまさぎっしり新潟」をテーマに、地元の食材を使った料理や地酒などを振る舞い、新潟の観光振興に協力を求めた。
冒頭あいさつした野澤理事長は「NHK大河ドラマ『天地人』の影響で新潟にスポットが当たっている。トキめき新潟国体の開催や、新潟デスティネーションキャンペーン(新潟DC)など、イベントも目白押しで、この機会に新潟観光を大いにアピールしたい」と抱負を述べた。
続いて、神保和男副知事やJR東日本の田辺滋取締役営業部長があいさつし、田辺取締役は「新潟DCは(成功へ向け)ベストを尽くす。今年はイベントが続くがあくまでもスタートに過ぎず、来年以降が本当の勝負の年となる」とし、一過性で終わらせない心構えを関係者に求めた。
来賓の大黒伊勢夫観光庁観光地域振興部長は、「新潟は日本の故郷であり、国内観光の景気付けの役割を期待している」と強調した。
会場内では新潟女将会の女将さんらが和服に赤い法被姿でおもてなし。村上鮭の酒びたし(瀬波)や鯛めし(柏崎)、へぎそば(十日町)など県内各地のフードメニューが並べられ、地酒片手に舌鼓を打つ旅行業関係者は「新潟の食は大きなセールスポイントになる」と太鼓判を押していた。
交流会に先立ち、旅館静雲荘(瀬波温泉)の土谷孔秀専務を班長に6人の女将さんらが観光経済新聞社を訪れ、「大観光交流年」成功に向けた意気込みを語った。
女将さんらは新潟DCにあわせた「女将のスイーツ」などを企画。地元の食材を使い、各宿泊施設が工夫を凝らした手作りスイーツを提供する。
岐阜・下呂温泉で第2回下呂検定、227人が参加
下呂温泉(岐阜県)に関する知識を試す「下呂検定」の第2回が2月21日、同温泉の水明館で行われた。全国から227人が参加し、下呂温泉の文化や歴史に関する難問に挑んだ。
下呂温泉のファンづくりを目的に、地元官民で組織する下呂検定実行委員会が主催。前日は下呂温泉を学ぶ検定直前合宿も開催し、約100人が参加した。
1時間の試験時間で下呂の温泉、文化、自然、歴史、生活文化などに関する4者択一問題50問に挑戦。7割以上の正解で合格となる。試験結果は3月中旬に本人に通知され、合格証や記念品が送られる。
新潟・長生館、天地人会席を開発
天地人会席
新潟県村杉温泉の「風雅の宿 長生館」はこのほど、同県が舞台のNHK大河ドラマ「天地人」の放映にちなみ、ドラマ主人公、直江兼続を題材にした料理「天地人会席」を開発した。
「義」の精神を掲げた兼続にちなみ、「第一義」の文字を描いた扇子を添えた前菜「流鏑馬(やぶさめ)盛り」と、兼続が訓練を熱心に奨励した火縄銃を竹筒と手まり寿司で表現した「鉄砲隊の竹筒砲弾三種盛り」、「愛」を重んじ、越後の民を守る戦に挑む兼続の思いを文字で表現した「愛を注ぐ焼き握り茶漬け」などがある。
この料理を楽しめる宿泊プラン「愛の直江兼続御膳プラン」を1万8千円で販売している。
村杉温泉周辺には、直江兼続とともに戦った水原親憲の居城、水原城跡や、上杉謙信の墓がある観音寺など、天地人ゆかりの見どころがある。
源泉湯宿を守る会、山梨で源泉見学会
源泉の適正利用を実践する旅館・ホテルなどでつくる「源泉湯宿を守る会」(平野富雄会長、53会員)は2月24、25の両日、源泉管理の情報交換や会員の相互交流などを目的とした源泉見学会を山梨県・桃の木温泉別館山和荘で行った。参加した20人の会員旅館関係者らは、セミナーや桃の木温泉の源泉見学などを通し、温泉管理の知識をさらに深めた。
第8回目となった今回の見学会では、温泉法の改正を受け、平野会長による「温泉保護の必要性について・天然ガスの生成について」と題したセミナーを実施。平野会長は10年ごとに義務付けられた温泉の分析の意義や活用法を説明したうえで、「源泉湯宿を末永く守るには、分析書をきちんと読み取って温泉の状態を知ることが重要」と指摘。分析結果の間違いなども読み取れるようになるべきだとして、分析書のチェック方法を詳しく解説した。
このほか見学会では、温泉法の改正に基づき、「旅館業の営業許可証」「温泉採取許可証」の提出を会則に盛り込むことを決議したほか、新たに会員となったおおみや旅館(山形・蔵王温泉)に平野会長が認定証を授与した。
同会は05年に発足。毎年2回ほど、会員や一般参加者による源泉見学会を開き、源泉管理についての知識や情報の共有を図っている。
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