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地域観光 ■第2506号《2009年3月14日(土)発行》  

沖縄県、全国規模で誘客促進へ
 沖縄県はこのほど、2009年度の観光施策などを定めた「ビジットおきなわ計画」を発表した。重点項目には、世界同時不況による景気低迷などによる観光客の減少傾向に歯止めをかけるため、さまざまな媒体を通じて全国規模で誘客を促進する「沖縄観光誘客特別対策」を新たに追加し、「外国人観光客誘客」「MICEの誘致」「リゾートウエディングの推進」「ニューツーリズムの推進」と合わせて計5項目を推進していく。

 「ビジットおきなわ計画」は、およそ10年間で入域観光客数1千万人を目指す行動計画で、07年度からスタート。08年度の入域観光客数は、目標の620万人を達成できなかったものの、過去最高の602万人を見込んでいる。09年度目標は、08年度見込み数に対して4.5%増の630万人に設定した。外国人観光客は前年度見込み数比23%増の30万人とした。観光客1人当たりの県内消費額は7万7千円を目指す。

 09年度計画の目玉といえる重点項目の沖縄観光誘客特別対策は、沖縄観光の需要を掘り起こすため、トップシーズンの夏季に向けて4月から6月にかけて集中的に実施する。案としては、首都圏、関西圏、中部圏、九州圏でプロモーションイベントを開催する。さらにさまざまな広告媒体を通じて、沖縄観光キャンペーンを全国規模で展開していく。

 重点政策の現状は、08年(1〜12月)の外国人観光客数が前年比7万6千人増の25万1千人。リゾートウエディング挙式数も順調に伸びている。昨年から取り組みを本格化させたMICE(国際会議、見本市、インセンティブツアー、イベントなど)の誘致も実績が出てきており、今後の拡大が見込まれる。ニューツーリズムは、特に長期滞在やエコツアーなどの魅力の情報発信を強化している。


東京スカイツリーのカラーデザイン、ベースは「藍白」
イメージ画像
(画像提供=東武鉄道、東武タワースカイツリー)

 東武鉄道と東武タワースカイツリーはこのほど、2012年春に東京都墨田区に開業する「東京スカイツリー」のカラーデザインを発表した。タワーの色は、日本の伝統的な色とされる「藍白」をベースにした白色。純白よりもかすかに青みがかった色で、東京の空に映えそうだ。

 東京スカイツリーは、2011年のテレビ放送デジタル化に向けた放送施設を備えるほか、レストランや店舗などを持つ多機能複合型の施設。タワーの高さは610メートル。昨年7月に着工した。

 カラーデザインは、タワーのデザインコンセプト「時空を超えた都市景観の創造=日本の伝統美と近未来的デザインの融合」を考慮して決定。採用した色は、日本の伝統工芸、藍染の技法にならった白色をベースにしたオリジナルカラー「スカイツリーホワイト」と呼称している。

   カラーデザインの監修者、彫刻家で元東京芸術大学学長の澄川喜一氏は「『白』は多彩な色を包容し、美しい立ち姿を際立たせることができる。時刻、天候、季節、さらに花火やライトアップにより変化に富み、世界に誇れる、輝く未来のシンボルタワーの出現となるだろう」と話している。


長野県、県民宿泊キャンペーン展開
 長野県はこのほど、「信州に泊まろう!県民宿泊キャンペーン」をスタートした。緊急経済対策の一環で、行政、宿泊・旅行業者らが一体となって県民による県内宿泊施設の利用を促す。  主催は県と信州・長野県観光協会。県旅館ホテル組合会、県ペンション振興協議会が共催し、7月20日まで実施する。

 県内すべての宿泊施設を対象とする。県民がキャンペーン期間中に宿泊すると、その回数に応じて、抽選で計1千人に宿泊補助券や県産品をプレゼントする。

 具体的には、1泊コースの場合、1万円分の補助券(10人)と1千円相当の産品(400人)が当たる。2泊、3泊コースもあり、泊数が多いほど補助券額も高くなる。

 また、約830の宿泊施設と旅行会社において特典や割り引きが付いた宿泊プランを提供する。


兵庫・有馬温泉観光協会が松葉ガニ料理コンテスト
料理のコンテスト

 兵庫県の有馬温泉観光協会は3日、松葉ガニを使った料理のバリエーションを広げ、有馬の食の魅力向上につなげようと、神戸市の有馬町地域福祉センターで「有馬美食倶楽部松葉ガニ料理コンテスト」を開催した。温泉旅館の調理長らが応募した22品の料理を並べて審査。結果は近くホームページなどで発表する。

 同協会は、昨年10月21日に浜坂町漁業協同組合(兵庫県新温泉町)と浜坂産松葉ガニを直接取引する契約を締結。同時に、旅館と飲食店が一体となって産地と安全性にこだわった旬の食材を紹介していく有馬美食倶楽部を立ち上げた。

 審査は有馬美食倶楽部の会員15人が務めた。盛り付け、インパクト、味の3項目を100点満点で採点。コンテスト会場には、有馬温泉の金泉の赤湯をイメージした松葉ガニの土鍋ご飯、銀泉を使用したカニしゃぶなど、調理長らが工夫凝らした料理が並んだ。審査結果は同倶楽部のホームページで近く発表。来冬にコンテストの作品を基にした料理を販売する。

 有馬温泉観光協会の當谷正幸会長は「温泉旅行はヘルスツーリズムでもある。今後、美容にもつながる食の提案をしていきたい」と話した。コンテスト終了後、有馬美食倶楽部で扱う料理の第2弾のテーマを、篠山市で取れた有機野菜を使った、立杭焼の器による蒸し料理と発表した。


山形県、4月に東京・銀座にアンテナショップ開設
 山形県は6日、東京・銀座で準備中の新しいアンテナショップを4月30日にオープンすると発表した。新ショップの名称は「おいしい山形プラザ」。物販コーナーや情報コーナーのほか、同県産品を利用したレストランも設ける。食コンテンツを中心に、同県の魅力をこれまで以上にアピールしていきたい考えだ。

 昨年8月まで東京・虎ノ門にあったアンテナショップを機能強化する形で移転、オープンする。  観光情報や移住情報の提供のほか、同県を代表する「芋煮」「玉こんにゃく」などの郷土料理の提供や県産食材を利用した調理レシピの紹介を積極的に行い、県産品の普及、利用拡大に注力する。

 また同ショップを拠点とした会員組織「山形ファンクラブ(仮称)」を創設。会員を対象にした飲食スペースでの食イベントや地元の味を楽しめる同県へのツアーなども実施し、直接同県に親しんでくれる人を増やす取り組みを進める予定だ。

 併設するレストランは、地産地消イタリアンレストランとして人気の「アル・ケッチァーノ」(同県鶴岡市)の奥田政行シェフがプロデュース。名称は、同県庄内地方の方言で「山形産ですよね」を意味する「ヤマガタサンダンデロ」に決まった。


奈良県、09年度予算は観光振興に重点配分
 奈良県は2月23日、「経済活性化」と「くらしの向上」を重点施策にした平成21年度予算案を発表した。経済活性化策では、県内企業の活性化、県内消費の拡大と雇用促進などと並び、今年実施するイベント「平城遷都1300年祭」を起爆剤にした観光振興を図る。今年度予算4620億3600万円のうち、観光振興に向け、新規事業を含めて88億2千万円を計上した。

 観光振興策では、イベント準備のための企画展や都市緑化フェアを実施するほか、インフラ整備や観光オフシーズン対策、県民によるもてなし運動、外客誘致にも取り組む。

 具体的な新規事業は(1)自転車周遊ルート、駐車場の整備など平城宮跡や奈良公園エリアの魅力向上(2)冬期イベントの開催と宿泊客誘致プロモーション、支援の実施(3)観光事業者、県民が受けるおもてなし向上研修の開催(4)中国、韓国両との交流推進と海外エージェントなどへのPR──を挙げる。

 県では「観光客数の低迷、少ない宿泊者数など、豊かな歴史文化資源がありながら活用が不十分」と現状を分析。平成19年に341万9千人だった宿泊者数を平成22年までに600万人に引き上げたい考え。


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