中小企業庁の平成20年中小企業実態基本調査速報によると、同年の全国中小企業の売上高は前年比0.7%減の546兆7445億7千万円だった。このうち、飲食店・宿泊業は、法人企業が前年並みの約8兆円、個人企業が同約4千億円増の約6兆5千億円だった。売上高経常利益率(法人企業のみ)は、中小企業全体では同0.1=減の2.4%、飲食店・宿泊業は同0.6=減の1.0%と、ともに減少している。 調査は昨年8月、全国の中小企業約11万社に行った。有効回答率は49.7%。 同年の売上高を9業種別でみると、法人企業では建設業、製造業、卸売業で前年比増加、飲食店・宿泊業、運輸業、小売業で前年並み、情報通信業、不動産業、サービス業で同減少した。建設業が前年比約3兆円増加、サービス業が同4兆円減少したのが目立つ。 個人企業では、飲食店・宿泊業のみが前年比増加。運輸業が前年並みで、ほかは減少した(情報通信業は回答なし)。 売上高経常利益率は、製造業、小売業、不動産業が前年比増加。サービス業が前年並み。飲食店・宿泊業など5業種が減少した。利益率が最も高いのは不動産業の7.4%、最も低いのは飲食店・宿泊業の1.0%。 このほかメーンバンクへの借入申し込み状況を法人企業に聞いたところ、「借入申し込みを行っていない」54.9%、「借入条件の変更なしで申し込み額通り借りられた」22.1%、「借入条件は厳しくなったが申し込み額通り借りられた」9.9%、「借入申し込みを拒絶または申し込み額を減額された」5.3%、「増額セールスを受けた」4.6%、「借入条件は緩和され申し込み額通り借りられた」3.2%。 借入を申し込んだ企業のうち、条件変更なしで申し込み額通り借りられた例が前年(23.2%)同様最も多かったが、率は減少した。条件が厳しくなったが申し込み額通り借りられた例と、拒絶または減額された例は前年(8.9%、3.8%)から増加した。