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インバウンド ■第2509号《2009年4月4日(土)発行》  

訪日外客、2月は41%減
 今年2月の訪日外客数は、前年同月比41.3%減の40万8800人と大幅に落ち込んだ。世界的な景気後退、円高などに加え、東アジアの旧正月の休暇時期が陰暦の関係で前年は2月だったのに対し、今年は1月に移った影響も大きかった。ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の重点12市場すべてで前年同月の実績を下回った。

 日本政府観光局(JNTO)が3月25日に推計値として発表した。訪日外客の減少は昨年8月以降、7カ月連続。11月以降は2ケタ減が続いている。

 東アジアでは、旧正月休暇の時期の移動で下げ幅が拡大した。韓国が54.5%減の10万6900人と大きく落ち込んだのをはじめ、台湾が48.0%減の5万9300人、中国が25.9%減の6万3100人、香港が60.4%減の2万2100人、シンガポールが56.4%減の5100人。中国からの訪日客は前年同月の数値を上回るペースで推移していたが、4カ月ぶりにマイナスとなった。

 米国、欧州も軒並み厳しい。11カ月連続で減少中の米国は22.4%減の3万8800人、2月としては1991年以降最大の下げ幅。英国は、円に対するポンドの価値が前年同月に比べて4割弱も安くなり、30.8%減の1万1300人。ドイツ、フランスも円高ユーロ安の影響で2割弱の減少だった。

 豪州も16.7%減の1万7100人と5カ月連続の減少。日本経由欧州行きの航空需要が、円高と燃油サーチャージの割高感により、他のアジア経由便に移った影響なども受けた。

事業前倒し検討 観光庁
 観光庁の本保芳明長官は、3月25日の定例会見の中で、2月の訪日外客数が約4割減と大きく落ち込んだことについて「大変な数字。非常事態だと捉えている」と述べ、プロモーションなどを強化するため、VJC事業の前倒しについて検討に入ったことを明らかにした。

 本保長官は「09年前半は2割減ほどで推移し、後半は回復に向かうシナリオで09年度の事業計画をつくったが、事業を前倒しして取り組まないといけない」と指摘。前倒しする事業の配分などを検討することにした。

 事業費については、「前倒しで薄くなる後半の事業分については、難しいことだが、補正予算を求めていきたい」との考えも示した。


10~12月の外国人泊数は18%減

 観光庁は3月25日、2008年10〜12月の宿泊旅行統計調査の結果(暫定値)をまとめた。3カ月間の延べ宿泊者数は前年同期比3.2%減の7636万人泊。このうち外国人延べ宿泊者数は、同17.8%減の506万人泊となった。世界的な景気後退、円高などの影響による訪日外国人旅行者の減少を受け、外国人延べ宿泊者が前年同期を上回ったのは47都道府県中、沖縄県など7県だけだった。

 調査対象は、従業員数10人以上のホテル、旅館、簡易宿所1万171施設。今期の回答率は72.7%だった。

 都道府県別の外国人延べ宿泊者数では、最多の東京都が16.6%減の179万9千人泊、2位の大阪府も12.2%減の58万7千人泊と2ケタの減少だった。続く北海道は0.2%減の48万1千人泊とほぼ前年並みだが、千葉県は19.9%減の31万人泊、愛知県も14.6%減の23万5千人泊だった。

 とくに九州各県では下げ幅が大きい。福岡県が41.3%減の10万4千人だったのをはじめ、長崎県53.5%減、熊本県47.1%減、大分県38.4%減など。ウォン安円高の影響が大きかった韓国からの旅行者の減少が主な要因とみられる。

 一方、沖縄県の外国人延べ宿泊者数は、43.4%増の7万人泊と大きく伸びた。国籍別の構成比では台湾、香港の宿泊者の割合がそれぞれ約3割を占め、半数以上に達している。そのほか前年同期を上回ったのは、青森、秋田、新潟、岐阜、島根、高知の6県だけだった。

 外国人延べ宿泊者の全国合計を国籍別にみると、韓国が45.3%減の61万人泊と落ち込み、外国人全体に占める割合も12.1%でシェア3位に下降した。しかし、シェア首位の台湾も19.2%減の75万人泊、2位の米国も9.6%減の64万人泊だった。


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