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インバウンド ■第2510号《2009年4月11日(土)発行》  

関東運輸局、外客誘致へ21事業実施
 国土交通省関東運輸局は、関東地方への訪日旅行客誘致に向けた今年度のビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)地方連携事業をこのほど発表した。「観光資源が集中し、交通の要衝である関東の特性」(同局)を生かし、都市と地域の観光地を鉄道で周遊する新ルートの紹介など21事業を行っていく。

 韓国、台湾、香港、米国といった個人旅行の多い成熟市場には(1)リピーターの育成に向けた観光魅力のPR(2)観光ルートの広域化、多様化(3)新たなデスティネーションの形成──の3本柱で事業を展開。シンガポールやタイ、中国の新興市場では(1)観光ルートの広域化、多様化(2)訪日旅行の促進(3)観光地としての認知度向上──を軸に事業を行う。

 成熟市場でのリピーターの育成に向けた観光魅力のPRでは、香港で山梨の物産、観光フェアを開催。香港市場でメーンターゲットに据えている若い女性から人気が高いフルーツやワインをアピールし、山梨県の観光もPRする。このほか各国からのメディア、教育旅行関係者の招せい事業や、FITマーケットに向けた鉄道利用の周遊ルート提案など新たなデスティネーション紹介を進める。

 シンガポール、タイでは東京、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、長野、山梨、静岡の1都9県で連携し観光展に出展。関東地域の観光魅力の認知度向上を図る。中国では茨城空港の開港、北関東自動車道の開通を見据え、東京から近くなる茨城、栃木両県を含めた新しい広域ルートを訴求。旅行会社、メディアを招へいによって誘客に結び付ける。



VJC実施本部、09年度事業計画を決定
 ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)実施本部は、3月に開催した執行委員会で2009年度VJC事業計画を決めた。重点12市場に対しては世界的な景気後退を踏まえ、ターゲットやテーマを見直し、景気の影響を比較的受けにくい層を対象に重点的にプロモーションを実施する方針。市場ごとに日本のどこの地域を売り込むかについても具体化するようにした。

 重点市場に対する主な取り組みは次の通り。

【韓国】
20〜30歳代、特に30代有職独身女性が主要ターゲット。個人旅行向けのプロモーションとして、東京・大阪などの都市に加え、温泉、韓国にない自然というテーマで、北海道、東北、北関東、九州、沖縄の魅力を発信する。プロモーションは夏、冬のボリュームゾーンに集中。

【台湾】
20〜30歳代の女性が主要ターゲット。個人旅行向けのプロモーションに注力し、都市のショッピング、グルメなどの魅力を発信するほか、首都圏からの鉄道アクセスが容易な東北、北関東、直行便就航を活用した南九州の認知度向上を図る。すでに旅行者が定着している北海道、アルペンルート、沖縄に加え、新たなデスティネーションとして、瀬戸内を組み込んだ旅行商品の造成を促進する。
 
【中国】
北京、上海、広東省在住の20〜30歳代女性を主要ターゲットとし、短期間の休暇に対応したショッピング、都市滞在型観光の魅力を発信。ハルピン、瀋陽、大連、杭州、深センなどの在住女性に対しては、ゴールデンルートを発信。認知度の高まりに応じて北海道、アルペンルート、中央道ルート、九州をプロモーションし、旅行商品の多様化を促す。上海万博(2010年)を中国人富裕層、中間層に対する訪日需要喚起の機会として位置づける。
 
【香港】
日本香港交流年のプロモーション、イベントを活用し、通年で日本を露出。20〜30歳代女性や家族旅行が主要ターゲット。個人旅行向けに都市のショッピング、グルメに加え、北海道、定期便が就航し直行ルートが確立した九州・沖縄、首都圏からの鉄道アクセスが容易な軽井沢、北関東、東北をプロモーションする。

【タイ】
バンコク在住の富裕層、中間層を主要ターゲットとし、ゴールデンルートでのグルメ、ショッピング、テーマパークなどの魅力を発信するとともに、北海道、東北、九州の認知度向上を図る。
 
【シンガポール】
20〜30歳代の独身層、カップル、30〜40歳代のファミリー層が主要ターゲット。ゴールデンルートでのグルメ、ショッピング、テーマパークなどの魅力やアルペンルートをプロモーションするとともに、年2回の旅行シーズンに加えて1〜3月の閑散期対策として北海道のウインター・アクティビティのプロモーションに取り組む。
 
【米国】
大都市居住の中高年富裕層を主要ターゲットとし、日本の伝統文化と東京を代表とする現代文化の体験、アクティビティを軸にプロモーションを展開。第三国を経由した北海道、沖縄への新規需要、ゴールデンルートへの接続による瀬戸内への新規需要を開拓する。
 
【カナダ】
大都市の中高年富裕層を主要ターゲットに、ゴールデンルートを訴求。富裕層を主要顧客とする旅行会社とのタイアップ、退職者団体へのアプローチによりゴールデンルート、高山、金沢などの旅行商品の造成・販売支援を行う。
 
【イギリス】
中高年富裕層を主要ターゲットに、直行便に比べ廉価な経由便を活用した訪日旅行のプロモーションを展開。東京、京都に続き、伝統文化をテーマに白川郷、金沢、高野山、高山などの魅力を発信。訪日スキー旅行の取扱会社数、訪日客数が急増していることを踏まえ、北海道、信越のプロモーションを強化する。
 
【ドイツ】
中高年富裕層を主要ターゲットに、温泉、旅館を軸にプロモーションを展開。温泉、旅館のほか、瀬戸内の旅行商品への組み込みを促す。
 
【フランス】
中高年富裕層を主要ターゲットに、ミシュラン・グリーンガイド刊行を活用し、地方の魅力を発信。若者層にはポップカルチャーなどの魅力を発信する。
 
【オーストラリア】
家族層、中高年富裕層を主要ターゲットに、ゴールデンルートに接続する地域(伊勢志摩、高野山、高山、金沢など)をプロモーション。若者層にラフティングなどの夏のアウトドア体験(北海道、群馬・水上、四国・祖谷など)をプロモーションすることにより通年の需要喚起を図る。スキー旅行は、すでに定着している北海道、信越に加え、新規に東北のプロモーションに取り組む。



外国人注目のスポット、1位は東京・築地
 世界最大の旅行クチコミサイト、トリップアドバイザーが1日に発表した「外国人が最も注目した日本の観光スポット2008」の1位に、築地市場(東京都中央区)が選ばれた。2位は東京ディズニーランド(千葉県浦安市)、3位はポケモンセンター東京(東京都港区)だった。

 トリップアドバイザーに登録されている国内約1万件の観光スポットへの注目度を、トリップアドバイザーの海外7カ国(米、英、仏、伊、独、スペイン、印)のサイトにおけるユーザーの利用動向(閲覧件数、閲覧時間、クチコミ件数)をもとに集計したもの。

 以下、4位六本木ヒルズ(東京都港区)、5位東京ディズニーシー(千葉県浦安市)、6位浅草寺浅草観音堂(東京都台東区)、7位金閣寺(京都市)、8位伏見稲荷大社(京都市)、9位スパワールド(大阪市)、10位ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)、11位大江戸温泉物語(東京都江東区)、12位清水寺(京都市)、13位スパ・ラクーア(東京都文京区)、14位大阪城(大阪市)、15位明治神宮(東京都新宿区)、16位宝川温泉(群馬県水上町)、17位海遊館(大阪市)、18位四天王寺(大阪市)、19位北海道神宮(札幌市)、20位新宿御苑(東京都新宿区)の順。)



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