全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)は、インターネット上に「旅館・ホテル安心安全管理検定サイト」(
http://yado-kentei.jp/)を立ち上げている。厨房や浴場など旅館・ホテル内での衛生管理のポイントや、ノロウイルス、レジオネラ属菌など施設事故を引き起こす病原菌に関する基礎知識を出題。合格者には「旅館・ホテル安心安全管理士」として認定証を発行する。全旅連では旅館・ホテル従事者を対象に、ひとりでも多くの受検を呼び掛けている。
全旅連は07年度事業として、旅館・ホテルの食中毒などの事故防止対策をまとめた「旅館・ホテル安心安全管理マニュアル」を発行。都道府県旅館組合を通して全旅連の全組合員に配布した。
検定サイトは、このマニュアルの理解度を測るもの。全旅連の08年度事業として昨年立ち上げた。
食品衛生管理、ノロウイルス対策、施設衛生管理、保険対応、新型インフルエンザ対策など、マニュアルに記されている内容を中心とした100問を2択式で出題。受検者は制限時間の45分以内に解答する。
1問1点で、90点以上の獲得者を合格とし、「旅館・ホテル安心安全管理士」の称号を与えるとともに、認定証を発行する。認定証は旅館・ホテル名、受検者名、受検日、認定番号が入ったもので、ホームページからプリントアウトできる。「認定証を施設内に掲示することで、『安心・安全の宿泊施設』とお客さまにアピールできる」(全旅連)。
検定はマニュアルを見ながらでも受けられる。また、一度不合格になっても合格するまで何度でも受検できる。検定料は無料。全旅連事務局によると、これまでの受検者の合格率は37%で、約3人に1人が合格している。マニュアルが手元にない人に向けて、サイト上にもマニュアルの内容を掲載している。また、マニュアルを追加注文したい旅館・ホテルに向けて、10部以上限定で、1部200円で販売している。
検定サイトの開設は、マニュアルの内容を多くの人に理解してもらい、食中毒などの事故防止を図ることが狙い。全旅連では「宿泊施設の衛生水準を向上するために、マニュアルと検定サイトを有効利用してほしい」と呼び掛けている。
全旅連では、食中毒が発生した時の対応策をまとめたマニュアルも近く発行する。