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ビジネス ■第2511号《2009年4月18日(土)発行》
エコラベル「グリーンキー」、明神館など3軒が取得
グリーンキーのロゴ(FEEジャパン提供)
環境対策に積極的に取り組む宿泊施設やキャンプサイトなどを認証する、北欧発のエコラベル「グリーンキー」の認証が3月から日本でも始まった。これに伴い、認証に向け早くから取り組んでいた明神館(長野・扉温泉)、銀座吉水(東京・銀座)、ホテルリッチ&ガーデン酒田(山形・酒田)の3施設が認証を受けた。さまざまな産業で環境対策が叫ばれるなか、国際的には環境対策の有無も宿選びの基準となっており、環境対策先進国の多い北欧発のグリーンキーは今後注目を浴びそうだ。
グリーンキーは94年にデンマークのホテル・レストランなどの業界団体が中心となって始めたエコラベル事業。03年から国際NGO環境教育基金(FEE)が実施主体となり国際的な事業に発展した。09年3月時点では日本を含む世界13カ国が認証事業に参加し、642施設がグリーンキーを取得している。多くの施設が取得するフランスやオランダでは現在、宿泊施設を選ぶ際の基準の1つとなっている。
取得には認定基準約94項目のうち義務項目となっている80項目をクリアしなければならない。例えば、「自社の環境活動と、活動に参加する方法を宿泊客に知らせている」「地域で生産された、もしくはオーガニックやエコラベルの認証を受けた食材の購入量を記録している。グリーンキー認証後12カ月以内には、食材の購入量全体のうち認証を受けた食材の割合が金額上で20%を上回っていなければならない」など。項目が多いうえ、購入量や消費量などを裏付ける領収書などの提出が求められる。
およそ20年前から無農薬野菜の使用を始め、コジェネレーション(熱電併給)の導入なども行っている明神館は、環境対策に取り組む施設であることを裏付けられる制度を探すなかでグリーンキーに出会った。「食材の仕入れなどの面で基準を満たしているかを見直す作業が大変だった」と齊藤忠政同館専務。約1年ほどかけ書類などを整え取得に至った。
審査は食材仕入れや従業員の環境活動参加など多岐にわたり、明神館以外の2施設も取得までに銀座吉水は約1年、リッチ&ガーデン酒田は約2年半かかっている。このほか1施設が審査を途中で断念しており、認証は容易ではないが、「国際的には環境への取り組みも利用者が施設を選ぶ際の基準の1つとなってきている。日本でも多くの施設に取得してほしい」と日本での認証事業を手掛けるFEEジャパンは期待する。
日本の施設が取得する場合、審査員1人が現地審査に行く際の交通費と認証書発行費用3千円がかかる。取得審査は、ヨーロッパでは年1回だが、日本では認証施設拡大のため当面、春と秋の年2回審査を行う予定。
FEEジャパンでは、3年間で国内の認定施設を100施設まで増やし、環境対策を意識する人が選ぶ宿泊施設の選択肢を増やしたい考えだ。
中小企業の業況判断、12期連続で悪化
中小企業庁はこのほど、四半期ごとに実施している中小企業景況調査の今年1〜3月期分の結果を公表した。それによると、同期の業況判断DI(前期比で好転とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス50.0で、前期のマイナス42.0から8.0ポイント悪化した。悪化は12期連続。産業別でも、製造業、非製造業ともに前期比で悪化。全産業、製造業、非製造業とも、調査で季節調整を開始した94年以降で最悪となった前回の値を更新した。飲食・宿泊業はマイナス51.5で、前期のマイナス41.2から10.3ポイント悪化した。
中小企業庁は「中小企業の業況は、急速に悪化している」とコメントしている。
業種別にみると、製造業の業況判断DIはマイナス55.0で、前期のマイナス42.8から12.2ポイント悪化。これで、9期連続の悪化となった。製造業14業種のうち、食料品と印刷を除く12業種で前期比悪化した。特に輸送用機械器具(前期比29.9ポイント悪化のマイナス80.9)、電気・情報通信機械・電子部品(同24.5ポイント悪化のマイナス78.2)、金属製品(同22.4ポイント悪化のマイナス68.4)の悪化幅が大きい。
非製造業の業況判断DIはマイナス48.4で、前期のマイナス41.5から6.9ポイント悪化した。これで、10期連続の悪化となった。4業種のうち、すべての業種で悪化した。悪化幅が大きいのはサービス業で、前期のマイナス37.7からマイナス46.7へ、9.0ポイント悪化した。
サービス業4業種の中では、対事業所サービス業の悪化幅が大きく、前期のマイナス34.8からマイナス48.0へ、13.2ポイント悪化した。次に悪化幅が大きいのは飲食・宿泊業の10.3ポイント悪化。
業況判断DIを地域別にみると、8地域中、北海道を除く7地域で悪化幅が拡大した。特に大きく悪化したのは東北(前期比9.8ポイント悪化のマイナス52.5)、近畿(前期比9.6ポイント悪化のマイナス51.6)など。北海道は前期比1・4ポイント好転のマイナス39.1となった。
調査は今年3月、全国の中小企業1万8993社に聞き取り方式で行った。回答企業は1万8181社で、回答率95.7%。
「需要の停滞」が全産業で回答トップ
同調査では「今期直面している経営上の問題点」も聞いた。それによると、前年同期(08年1〜3月期)の回答と比較して、全業種で「需要の停滞」を挙げる経営者が増えた。
製造業、建設業、卸売業、小売業、サービス業について、すべてが「需要の停滞」が回答のトップになった。前年同期は建設業、卸売業、サービス業の3業種だった。
「アメリカ発の金融危機は地方の商工業にも波及し、購買力の低下、仕入単価の上昇等悪条件が重なり苦慮している。金融については緊急保証により非常に効果があり助かったが、業況は悪く、今後も支援の手を差し伸べてほしい」(小売業、熊本)などの声が上がった。
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