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地域観光 ■第2513号《2009年5月2日(土)発行》  

観光庁、観光圏整備14エリア認定

 観光圏整備法に基づき地域が策定した観光圏整備実施計画の認定について、観光庁は4月22日、知床観光圏(北海道)、びわ湖・近江路観光圏(滋賀県)、平戸・佐世保・西海ロングステイ観光圏(長崎県)など、今年度新たに申請があった14の観光圏を認定したと発表した。複数の観光地の連携を通じて滞在型の観光地づくりを推進する観光圏は、2008年度の認定分と合わせると、全国で30エリアになった。

 認定を受けた観光圏は、計画に位置づけた観光圏整備事業について、国からの補助金などで総合的な支援が受けられる。各観光圏の整備事業には、体験型のプログラム開発、二次交通の整備、宿泊の魅力向上、観光情報の発信強化などに関する事業が挙げられている。

 今年度の補助事業費は、5億8200万円(調査費含む)。30観光圏のうち、今年度に補助金を受けるのは29観光圏で、新規に認定を受けた能登半島観光圏(石川県)は観光圏整備事業の補助金交付はないが、観光圏整備に連携したハード整備事業や宿泊施設の設備投資に対する財政投融資などは導入が可能だ。

 着地型旅行商品を旅館・ホテルで販売できるようになる旅行業法の特例、観光圏内限定旅行業者代理業については、昨年度は5観光圏(雪国観光圏、会津・米沢地域観光圏、富良野・美瑛広域観光圏、にし阿波観光圏、伊勢志摩地域観光圏)が導入したが、今年度は日本海きらきら羽越観光圏(秋田・山形・新潟県)、びわ湖・近江路観光圏が登録のための研修会の開催を計画している。

 主な観光圏のコンセプトをみると、知床観光圏は、知床半島周辺の4町が連携し、世界遺産にも登録された自然環境と、観光の共生を図った自然体験型の観光圏を目指す。

 新たな青森の旅・十和田湖広域観光圏(青森県)は、十和田湖、八甲田山などの自然と、生活文化を観光客に体験してもらえる観光圏整備を進める。観光圏整備実施計画の認定に伴い活用できる農林水産省の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金により、農林水産物直売施設なども整備する。

 聖地熊野を核とした癒しと蘇りの観光圏(和歌山・奈良県)は、“健心”“健脚”“健浴”“健食”など健康をキーワードとして首都圏の60歳代、関西圏の30歳代、欧米からの旅行者をターゲットに「癒しと蘇り」の旅を提供する。

 平戸・佐世保・西海ロングステイ観光圏は、西海国立公園の自然、農林水産業の体験メニュー、欧米から伝わった文化、離島の魅力などを生かし、滞在型観光の確立を目指していく。



熱海市の温泉地、「秋の宿泊費タダ」キャンペーン
 「春に1泊すると、秋はタダで1泊できます」── 静岡県熱海市にある4つの温泉地が協力し、4月15日からこんなキャンペーンを始めた。景気低迷の影響で個人消費が低迷する中、観光客の減少が危惧されており、「手をこまねいていては駄目。力を合わせて何かやらなければ大変なことになる」(参加旅館)との危機感から初の取り組みとなった。オフシーズンの集客対策という狙いもある。

 「あたみ温泉ふた旅キャンペーン」と銘打ち、15日から7月17日までの期間(平日限定)、宿泊客の中から抽選で200組400人に、再び熱海温泉に宿泊できるペア宿泊券をプレゼントする。 「ふた旅」で宿泊できる期間は9月1日から12月18日までで、4〜7月に泊まった施設となる。休前日、9月23日と12月6、13日の花火開催日は除外日とした。

 抽選に外れた場合でも20人に液晶テレビをプレゼントし、また、7月15〜16日の宿泊客の中から先着1千人に1千円をキャッシュバックするなど、消費者の関心を引き寄せるため、第2、第3の工夫を凝らす。

 キャンペーンには熱海温泉、伊豆湯河原温泉、伊豆山温泉、南熱海・網代温泉の旅館・ホテル約70軒が参加する。宿泊客は参加対象施設に泊まり、抽選券をもらう(1部屋1枚)。当選者へは電話などで連絡する。

 関係者によると、4〜7月はそれほど宿泊客が多くなく、キャンペーンで集客増を図る。



石川県、ふるさと博PRのため、通行料助成
 石川県は、7月3日から始まる「能登ふるさと博」に先立ち、4月25日から、自家用車、大型バスを対象に能登有料道路・田鶴浜道路の通行料を助成する事業を始めた。ゴールデンウイーク(GW)期間中の能登への誘客を促すとともに、ふるさと博をアピールする。

 実施主体は「ほっと石川」観光キャンペーン実行委員会で、10月末まで行う。

 自家用車(レンタカーを含む)を利用し、羽咋市、七尾市、穴水町、能登町、珠洲市の協賛宿泊施設(約200施設)に金・土曜日と祝日の前日に1泊以上する旅行者に対して、両道路で使える「能登ふるさと博みちカード」(500円分)をプレゼントする。

 また、宝達志水町以北での宿泊を伴うバス旅行を企画した旅行会社についても、大型観光バスの通行料を全額助成することにした。



高知・あしずり温泉郷に念願の足湯完成

 あしずり温泉郷で知られる高知県土佐清水市のあしずり温泉組合(武政憲次組合長、10会員)は、地元のシンボル的施設として、念願の足湯「万次郎足湯」を完成させた。展望所も兼ね、無料で楽しめる。4月17日にプレオープンとして地元の小学生や園児、市民らが招待され、新しい足湯を満喫。20日より一般向けにオープンした。

 建設場所は、同市足摺岬の白山洞門近くの、旧ジョン万ハウス跡地。鉄骨2階建てで、延べ面積約250平方メートル。総工費は約7700万円。

 2階にある足湯は、高さ3.3メートル、横幅10メートルのガラス張りで正面のガラス越しに県指定の天然記念物、白山洞門が間近に見える。座ったままで四季の移り変わりが満喫できる。足湯は大小2カ所ずつ4カ所備えている。

 開館時間は午前8時から午後7時まで。水曜日は定休。

 また、あしずり温泉開湯10周年、万次郎足湯のオープンを記念した各種イベントを6月1〜10日に開催。期間中は午後9時まで営業する。



岡山・津山市観光協会、職員を公募
 岡山県の津山市観光協会は職員を募集する。観光キーパーソンと一般職員の2人で、現在失業中が条件。「旅行業務取扱管理者資格がある人は優遇する」という。雇用期間は原則来年3月末までだが、延長もある。  国の緊急雇用創出事業を活用した「県ふるさと雇用再生特別基金事業」として実施する。

 (1)観光振興事業の企画・立案(2)観光情報の提供や誘客案内(3)地域資源を活用した旅行商品造りと営業活動──などが主な業務。失業中が条件だが、キーパーソンについては「旅行業、ホテル業、鉄道・バス会社など観光関連企業で旅行商品やイベントの企画・運営などを経験した人」を求めている。

 給与はキーパーソンが年俸換算で約500万円、一般職員は約280万円。雇用期間は7月1日から。12年3月まで雇用延長があり、勤務成績によっては正規職員として採用する。

 応募期間は5月29日まで。履歴書、自己PR文、小論文のほか、離職票など失業中を証明するものが必要。問い合わせは協会事務局、TEL0862・22・3310。



平城遷都1300年祭のテーマ曲は「ムジカ」
平城遷都1300年祭の公式テーマソングは谷村新司さん(中央)作詞・作曲の「ムジカ」。
せんとくん(左)や荒井正吾知事(右)とともに披露した。

 平城遷都1300年祭の公式テーマソングを音楽家の谷村新司さんが作詞、作曲した。曲名は「ムジカ」。

 谷村さんは26日、東京・日本橋の奈良県アンテナショップ「まほろば館」などで開いた「平城遷都1300年祭250日前マンスリーイベント」に荒井正吾・奈良県知事、せんとくんと共に出席し、同テーマソングを披露した。

 ムジカとはラテン語で音楽のこと。演奏には、中国の弦楽器「二胡」、韓国の太鼓「チャングー」モンゴルの弦楽器「馬頭琴」、インドネシアの打楽器「チェンチェン」といったアジア諸国の様々な伝統楽器も使用。谷村さんは、「奈良(平城京)はいろいろな国の文化が入り交じって開けた都。各国の楽器を使い、音楽によって橋を架けることで、国境を超えて人々の心をつなぐことができれば」と曲に込めた思いを語った。

 荒井知事は「谷村さんの曲はいつも静かな優しい気持ちにさせてくれる。ムジカを聴くと、遠くはるか昔にたどり着ける感じがする」と作品の感想を述べた。 谷村さんの父親が奈良県の出身という縁で、昨年12月に公式テーマソングの制作が決まった。



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