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インバウンド ■第2513号《2009年5月2日(土)発行》  

3月の訪日外客は前年比22%減
 今年3月の訪日外客数は、世界的な景気後退の影響などで前年同月比22.2%減の56万8900人、8カ月連続の減少となった。日本政府観光局(JNTO)が4月24日、推計値として発表した。ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)重点12市場のうち、11市場が前年同月の実績を下回り、フランスを除く各国は2ケタの減少幅だった。中国は前年同月比で約1割増となり、3月としては過去最高を記録した。 韓国は、42.2%減の10万8400人。日本円に対して下げ止まりの状態となっていた韓国ウォンは、2月下旬からやや持ち直したが、前年同月と比べると、依然として3割以上安く、訪日旅行を手控える要因となっている。

 台湾は、21.5%減の7万5400人。円高で割高感が続く訪日旅行から、為替レートが有利な韓国旅行へと客足が流れたことも要因。香港も同様に、為替レートを要因に韓国旅行の需要が増したことなどから、37.8%減の3万500人だった。

 欧米や豪州は、長期休暇を迎える復活祭(イースター)が昨年の3月に対し、今年は4月に時期が移動したため、3月の旅行需要が減少した。米国が21.1%減の6万4900人、カナダが24.1%減の1万4400人、英国が17.9%減の1万8800人、豪州が19.0%減の1万8100人など。フランスは、1.1%減の1万2200人と下げ幅が小さかった。仏語版訪日旅行ガイドブックの発刊が相次いだことなどが需要を喚起したとみられている。

 VJC重点12市場で唯一、前年同月の実績を上回った中国は、11.3%増の10万1100人。「中国政府は、2010年末までの間に総額4兆元(日本円換算、約57兆円)規模を投じる景気刺激策を進めており、その効果もあり、株価が上昇し、富裕層の旅行意欲も比較的旺盛」(JNTO)。

 中国では、北海道東部を舞台にした中国映画「非誠勿擾」の大ヒットで北海道旅行の注目度が高いほか、VJC事業の効果などで桜観賞ツアーなどが人気となった。ただ、中国の外国旅行需要の一部は、直行便を利用した台湾旅行に流れているという。

出国日本人は3%減 23カ月連続マイナス
 今年3月の出国日本人数は前年同月比3.2%減の140万9千人で、23カ月連続の減少となった。円高により韓国など一部地域への旅行需要は増加したが、景気後退による海外旅行の手控えなどが続いている。



阪南大、外国人に街歩きツアー実施
学生らが大阪を案内

 阪南大学(大阪府松原市)の国際コミュニケーション学部国際観光学科松村ゼミは4月21日、外国人旅行者向けに、一般的な観光コースとは異なる大阪の一面を知ってもらう街歩きツアー「Let's walk around Osaka(大阪を歩こう)」を実施した。学生たちが英語や中国語、韓国語で無料で案内するもの。

 同日は「大阪の繁華街の路地裏を歩く」と題し、道頓堀、千日前、日本橋を案内。フランス、シンガポール、台湾からの5人が参加した。江戸時代の道頓堀と千日前は大阪の市街地の最南端に位置する、芝居小屋やお茶屋が並ぶ遊興の街。地元大阪人ならではのガイドになるように心を配り、ガイドがいないと入りにくい路地裏などを案内した。 5月21日は 「大阪のディープサウスを歩く」(天王寺、新今宮)、6月20日は「大阪の職人芸を歩く」(住吉大社、堺)、7月12日は「大阪の伝統集落を歩く」(平野)、7月19日は「大阪のマイノリティの三角地帯を歩く」(鶴橋、芦原橋)を開催する。

 同ゼミでは、05年より大阪国際ゲストハウス地域創出委員会と協働で、大阪市西成区にあるあいりん地区の簡易宿泊所が存続できる道を探り、バックパッカーを対象とした「国際ゲストハウス地域」としての再生を目指している。

 外国人旅行者向けのインフォメーションセンターを7月上旬からの毎週土・日曜と春夏の長期休暇中、あいりん地区にも近い新今宮に常設する予定。

 また、4月26〜28日には、学生らが新今宮から関西各地の観光地に出かけ、外国人観光客の目線に立った日帰り観光コースを企画するフィールドワークと報告発表会を実施する。



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