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観光行政 ■第2513号《2009年5月2日(土)発行》
観光業界、オリンピックの東京招致を後押し
卓上小旗で東京開催をアピール(グランドプリンスホテル赤坂)
東京のほか、マドリード(スペイン)やシカゴ(米国)、リオデジャネイロ(ブラジル)の4都市が立候補している2016年オリンピック・パラリンピック。10月にコペンハーゲンで開催される国際オリンピック委員会(IOC)総会で開催地が決まるが、観光業界は「究極のインバウンド促進事業」として招致活動に力を入れている。3月の緊急アピール採択に続き、最近では各団体の協力を得て、バッジや小旗などの招致グッズを使いアピールしている。
日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)を始めとする観光関係17団体が中心になって招致活動を行っている。
17団体で作る観光関係団体会長連絡会議(議長・舩山龍二TIJ会長)は3月30日の連絡会議で緊急アピールを採択。採択は「20年の訪日外客2千万人の目標を達成するためにも、ツーリズム産業は一丸となって招致に取り組む」と強調し、政府に招致への最大限の協力を求めた。
その後、東京都とNPO法人東京オリンピック・パラリンピック招致委員会の協力を得て、バッジや国旗、横断幕、卓上小旗といった招致グッズの掲出活動を推進している。グッズ掲出は17団体のほか、旅館・ホテル、旅行会社、運輸機関、デパートなど「計72団体・企業に上る」とTIJ。
また、IOC評価委員会が来日した4月14〜20日には、評価委員会と同行した海外メディアに対し、都内各所で集中的に掲出活動を行った。
世界的な経済不況や円高などを背景に、訪日外国人旅行者は減少している。観光業界はオリンピックやパラリンピックは「高い経済波及効果を持つ究極のインバウンド促進事業」(TIJ)で、観光立国の推進、20年の訪日外客2千万人達成のため、最優先で取り組む課題と位置づけている。
10月のIOC総会で東京開催が決まれば、「開催地の東京、日本を一度見ておこうと言う外国人もいるのではないか。決定の影響は(16年を待たずに)前倒しで現れる可能性もある」と期待する声も少なくない。
観光庁、豚インフルで旅行業者に要請
メキシコなどで発生し、感染の拡大が懸念される豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)に関して、政府は4月25日、総理官邸内危機管理センターに情報連絡室を設置した。国土交通省も情報連絡室を設置。観光庁は、メキシコ渡航を取り扱う旅行業者に対し、旅行者への情報提供を徹底するよう求めた。
国交省の情報連絡室は、危機管理室参事官を室長に、海事局、航空局、港湾局、観光庁などの担当課長で構成している。観光関係では、旅行業者に最新情報の収集と旅行者への情報周知を求めた。航空関係では、航空会社、成田国際空港に検疫などに協力するよう要請した。
政府は28日に情報連絡室を格上げし、対策本部を設置した。
観光関係功労者国交大臣表彰式、都内で
国土交通省は4月23日、東京のグランドプリンスホテル赤坂で、観光関係功労者大臣表彰式を行った。旅館業関係では、諫早観光ホテル道具屋取締役会長の藤原久子さん(80)=写真、大内館女将の大内和子さん(66)が代表して、表彰状を受け取った。
表彰式では春田謙事務次官が受賞者18人に表彰状を授与した。春田次官は、「おもてなしの心は日本の(観光)魅力であり、観光立国の実現には皆さんの努力が何より不可欠だ」と述べ、受賞者の功績を讃えた。
表彰式後は観光関係26団体が主催する祝賀パーティーが開かれ、中村徹日本観光協会会長が祝いの言葉を述べた。また、谷口和史国土交通大臣政務官は「21世紀の日本は観光と環境がリーディング産業になる。皆さんが長年培ったノウハウを後輩に伝えていただきたい」と今後の活躍を期待した。
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