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ビジネス ■第2516号《2009年5月30日(土)発行》  

個人企業の業況判断、「過去最低を記録」 総務省調べ

 総務省は19日、個人企業経済調査(動向編)の今年1〜3月期分の結果(速報)を公表した。それによると、同期の個人企業(個人経営の事業所)の業況判断DI(よいとする企業割合から悪いとする企業割合を引いた値)は前期(08年10〜12月期)比5.5ポイント悪化のマイナス77.8で、02年の四半期ごとの調査開始以来、最低を記録した。業種別では、宿泊業・飲食サービス業が同7.3ポイント悪化のマイナス76.5だった。

 DI(調査産業計)の過去の最低値は02年7〜9月期のマイナス76.7。今期は過去最低を更新するとともに、07年7〜9月期以来、7期連続で前期を下回った。

 今期の業況判断について、よいと回答した企業は1.9%で、前期比0.9ポイント低下した。半面、悪いと回答した企業は79.7%で、同4.6ポイント上昇した。普通と回答した企業は18.5%で、同3.6ポイント低下した。

 DIを業種別にみると、宿泊業・飲食サービス業を含めた4業種すべてが前期比悪化した。特に製造業はマイナス81.5で、前期比9.9ポイント悪化。4業種の中で悪化幅が最も大きく、02年の四半期ごとの調査開始以来、最低を記録した。

 このほか卸売業・小売業がマイナス77.3で、同2.8ポイント悪化。サービス業がマイナス77.8で、同6.3ポイント悪化。

 宿泊業・飲食サービス業は、よいと回答した企業が前期比1.6ポイント減の1.6%にとどまった。悪いと回答した企業は同5.7ポイント増の78.1%。普通は同4.1ポイント減の20.3%だった。

 来期(今年4〜6月期)の業況見通しDIは、全業種が今期比2.8ポイント改善のマイナス75.0。

 業種別では、宿泊業・飲食サービス業が同5.7ポイント改善のマイナス70.8。業種別で最も改善幅が大きいとともに、DI値も高くなっている。

 製造業は同0.6ポイント悪化のマイナス82.1。4業種の中で唯一、今期から悪化の見通しだ。このほか卸売業・小売業は同2.0ポイント改善のマイナス75.3。サービス業は同3.9ポイント改善のマイナス73.9。



シニアマイスター、厨房コスト適正化セミナー開催
厨房改革を訴える作古社長

 大手ホテルOBなどで構成するNPO法人、シニア・マイスター・ネットワーク(東京都文京区)は20日、第27回産学ジョイントセミナー「厨房関連コスト適正化に関して〜聖域なき改革へ向けて」を文京区民センターで開いた。旅館・ホテル経営者らが参加した。

 講師は、大手ホテルの元総料理長で、現在は旅館ホテル業向けコンサルティング会社、アモンイノベーション社長の高石幹夫氏と、飲食・宿泊業向けコンサルティング会社、シービーパートナーズ社長の作古竜太氏が務めた。

 高石氏は、「業者会からの入札だと(食材の仕入れ値が)市場価格と比べて本当に適正かどうかは分からない。料理人が接待などを受けた分は全部仕入れ原価に加算されている」「旅館・ホテルの仕入れ担当者が(食材について)目利きでないと判断した場合、業者は(原価の安い)類似の食材をどんどん送ってくる」などと業者の闇の部分を指摘。具体的な対抗策として「3カ月に1度、あるいは6カ月に1度は仕入れ先を替えてみるべき。そうしないと比較ができない」と提案した。食材業者との関係を見直すことで、仕入れコストの適正化ができると話した。

 高石氏は、自ら食材の卸・販売、調理師派遣、飲食店経営なども手がけている。

 “厨房改革”を掲げる作古氏は、「食材仕入管理のためには『在庫』『原価表』『ロス』などの基礎データの収集と分析が必要」「上位20品目の料理の原価率を見直すだけでも、ボリュームインパクトが大きいため相当なコスト削減効果が期待できる」「今まで聖域として扱ってきた調理部門の改革には、障害、リスク、抵抗が想定されるが、経営トップの絶対的な信念と、組織的に的確な対応策を講じることで支障なく対応できる」などと指南した。



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