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地域観光 ■第2516号《2009年5月30日(土)発行》  

福島県の旅行会社らが首都圏でキャラバン
松本副知事

 福島県内の旅行会社6社(JTB、KNT、日本旅行、トップツアー、名鉄観光、JR東日本)とそれらの協定旅館・ホテルなどで構成する東北観光推進機構6社協福島支部は19〜21日の3日間、「平成21年6旅連合同首都圏キャラバン」を実施した。

 キャラバン隊は、松本友作・福島県副知事を隊長に、旅館経営者ら32人、6旅行会社の福島支店長ら7人、県職員、観光キャンペーンクルー(ミス飯坂、ミス萩姫、会津親善大使キャンペーンクルー、サンシャインガイドいわき)ら約20人で構成。各班に分かれて首都圏のJTB49支店、KNT35支店、日本旅行22支店、トップツアー15支店、名鉄観光9支店、JR東日本27支店の合計157支店を回り、福島県の観光をPR、送客を呼びかけた。

 松本副知事は19日、トップツアーの等建次副社長、NEXCO東日本の大西敏夫常務、JR東日本の岩崎伊佐雄東京駅長をそれぞれ訪問。トップセールスを行った。

 また19日夕刻より、旅行6社の幹部、東北方面企画造成部門担当者48人などを招いた観光説明会「きてくたされ、ふくしまの夕べ」を東京・千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで開いた。

 主催者代表の畠隆章・東北観光推進機構福島支部長(吉川屋社長)はあいさつで「NHKの大河ドラマ天地人では8〜9月に舞台が福島県に移る。主人公・直江兼続のゆかりの地が新潟、福島、山形の3県であると認識いただき、福島県にも送客をお願いしたい」と述べ、天地人を切り口とした企画商品造成と団体送客を呼びかけた。

 これに対して、石川尅巳・JTB専務は「(伝統的)旅行会社は、いまネットエージェントに押され気味ではあるが、店頭を支持するお客さまは依然として多い。店頭では皆さまからの口伝えの貴重な情報が生命線となるので、キャラバンは大変ありがたい」と旅行6社を代表して返礼した。



東北地方のGW、マイカー移動増で公共機関利用が低調
 東北運輸局の調査によると、今年のゴールデンウイーク期間(4月25日〜5月6日)の東北6県での各運輸機関(航空、鉄道、バス、レンタカー、観光旅客船)の利用状況は、観光旅客船が好調だったものの、鉄道やバスなどの公共交通機関では前年よりも利用者が減少する結果となった。ETC割引によるマイカー利用者増加や景気の低迷、桜の開花時期の早まりなどが影響したものと同運輸局では分析する。

 鉄道のうちJR東日本は、調査対象5線区の利用者が60万8300人で、前年比1.5%の減少となった。民鉄・第3セクター8社の利用者は、同0.3%減の159万5409人だった。

 国内航空便の利用状況は、前年比8.4%減の21万7452人。旅客ターミナルが新設された岩手・花巻空港が同3.5%増の1万3504人、東京便の機材が大型化した山形空港が同4.1%増の7112人だったほかは、各空港とも前年実績を割り込んだ。特に福島空港は、沖縄、伊丹、関西空港便の廃止の影響などもあって、同40.3%減の7850人だった。

 レンタカー主要6社の利用状況は、6県主要駅での利用合計が同13.7%減の2281台。主要空港での利用状況は、同4.5%減の2175台だった。国内航空便の利用者が大幅減だった福島空港では、同29.8%減の85台と落ち込んだ。

 バス利用のうち高速バス14系統の利用状況は、前年比2.6%増の8万1541人と伸ばした。一方、定期観光バスは、調査4コース(岩手・こいわい号、岩手・イーハトーヴ号ほか、宮城・松島コース、山形・わくわく蔵王山寺号)とも低調で、前年比19.1%減の710人だった。

 観光旅客船は好調だった。調査対象3航路のうち十和田湖は前年比17.4%増の1万2839人。このほか、松島湾(同12.0%増)、猪苗代(同3.5%増)とも利用者を伸ばした。特に十和田、松島の各航路ではETCカード提示による割り引きなどを行っており、いずれの箇所ともETC割引の効果があったものと分析する。

 このほか同運輸局は、東北域内の旅館ホテル各11施設計22施設を対象にした宿泊施設の利用状況調査も実施。これによると旅館の利用状況は、前年比8.3%減の3万6944人、ホテルは同6.5%増の1万7521人だった。



08年の観光地利用者数は4%減 長野県

 長野県の2008年の観光地利用者数は前年比4.4%減の延べ8676万人となった。前年のNHK大河ドラマ「風林火山」効果の反動のほか、ガソリン価格の高騰や国内景気の後退が影響したとみられている。観光消費額も同2.8%減の3217億円に下降した。観光地別では、白馬山麓、飯綱高原などが好調に推移した。

 19日、観光地利用者統計調査の結果として発表した。調査対象は県内291カ所の観光地の外国人を含めた利用者数。  延べ利用者数は、04年以降、「風林火山」ブームにわいた07年を除くと、いずれも前年実績を下回っている。08年の延べ利用者数は、前々年の06年と比較すると0.9%減少となった。

 延べ利用者数のうち県内客は構成比34.5%にあたる2992万6千人、県外客は65.5%にあたる5683万1千人。県外客が前年比5.2%減と大きく落ち込んだ。

 日帰り、宿泊に区分すると、宿泊は同2.1%減の2857万5千人(構成比32.9%)、日帰りは同5.5%減の5818万2千人(同67.1%)だった。

 観光消費額を1人1日当たりに換算すると、3709円。前年より60円の増加となったが、延べ利用者数の落ち込みが総消費額を引き下げる結果となった。

 観光地別に延べ利用者数の上位をみると、1位は軽井沢高原の769万1千人(対前年比2.8%減)、2位は善光寺の656万2千人(同0.3%増)、3位は上諏訪温泉・諏訪湖の421万8千人(同14.0%減)。

 上位10位のうちで前年実績を上回ったのは3観光地だけだった。善光寺のほか、志賀高原・北志賀高原が1.0%増の360万4千人、白馬山麓が1.5%増の249万9千人だった。「白馬山麓は、外国人を含めたスキー客の利用に加え、グリーンシーズン(夏季)も好調だった」(県観光部観光企画課)。

 上位10位以下で伸びたのは、誘客キャンペーンの成果が出た飯綱高原が22.9%増の84万7千人。穂高温泉郷が7.8%増の98万3千人。黒部ダムは前年に100万人を割り込んだが、08年には3.5%増の101万2千人に回復した。



美しいまちなみ賞、大賞は栃木市と真庭市
  国土交通省は22日、美しい都市空間づくりの優れた地域として、2009年度都市景観大賞「美しいまちなみ賞」の受賞地区を発表した。大賞には、栃木市歴史的町並み景観形成地区(栃木県)と真庭市勝山町並み保存地区(岡山県)を選出した。優秀賞6地区、特別賞2地区も選んだ。

 賞の主催は、都市計画協会、都市景観形成推進協議会などで構成する実行委員会。国土交通省が後援している。学識経験者らでつくる審査委員会の委員長は、東京工業大学の中村良夫名誉教授が務めた。

 01年度から開始された賞で、NPOなどのまちづくり組織と地方公共団体とが協働して、景観づくりに取り組んでいる地域が対象。

 大賞を受賞した栃木市の町並みは、中心市街地の47.7ポイントが対象。栃木市商店会連合会、うずま川遊会、栃木の例幣使街道を考える会、栃木市などが景観づくりに取り組んでいる。

 栃木市の市街地には、旧日光例幣使街道、巴波川沿いを中心に、江戸、明治期の蔵、大正時代の洋館などが多数残されている。「蔵の街とちぎ」を目指し、大通りのシンボルロード整備事業による電線の地中化、巴波川の浄化対策や遊歩道整備とともに、「町並み修景ガイドライン」に沿って歴史的建造物を生かし、官民一体のまちづくりに取り組んでいる。

 審査委員会の講評では、「蔵や洋館が数多く残されているだけでなく、市民によって構成されている街づくり組織、イベント主催団体が多数存在し、活発に活動している」と高い評価を受けた。

 同じく大賞を受賞した真庭市の町並みは、勝山地域の61ポイントが対象。町並み保存事業を応援する会と真庭市が景観づくり、イベント活動などの事業を展開している。

 勝山地域は、古くから出雲街道が通り、高瀬舟を使った舟運の発着場として栄えた交通の要衝。江戸期に城下町を形成した歴史を持ち、白壁に格子窓、なまこ壁の集蔵庫のほかに、高瀬舟の発着場跡、武家屋敷などが残る。電線の地中化、文化交流施設の整備などを進めた。住民団体による空き家の管理運営、「のれんのまちづくり」事業なども行われている。

 他の受賞地域は次の通り。

優秀賞
浦安市日の出・明海・高洲地区(千葉県)、中津川市中山道馬籠地区(岐阜県)、大野市寺町通り地区(福井県)、岸和田市本町地区(大阪府)、富田林市富田林寺内町地区(同)、出水市出水麓地区(鹿児島県)

特別賞
富山市総曲輪地区(富山県)、浜松市東地区(静岡県)



群馬県観光国際協会、「蛍」テーマにツアー実施
 群馬県観光国際協会は、県や市町村などと連携して、「はばたけ群馬観光博覧会」と銘打つ地域密着型ツアーを造成、催行しているが、6月下旬から夏の風物詩「蛍」をテーマにしたツアーを実施する。春の「花」に続く第2弾で、宿泊を伴うツアーに盛り込んだのが特徴だ。

 「わたらせの自然美から太平記の風薫る旅」「初夏の榛名で蛍観賞&田舎料理体験」など5コースを設定。

 わたらせのツアーは、みどり、太田の両市が企画協力した。東武鉄道の赤城駅に集合。小平の里で蛍観賞などをした後、藪塚温泉に泊まる。

 翌日はジャパンスネークセンターや大光院などを見て回り、太田駅解散となる。募集人員は40人で、参加費2万7250円。全コース、地元ボランティアなどによるガイドが付く。

 博覧会は来年3月まで実施し、期間中、約300のツアーを造成、催行する方針だ。



城崎温泉の若旦那、博多駅で誘客PR
若旦那の会がゆかた姿でPR

 兵庫県城崎温泉の「城崎温泉 若旦那の会」が19日、JR博多駅構内でキャンペーンイベントを行った。九州地区でのキャンペーン実施は初めて。JR西日本が発売する乗り放題きっぷ「JR西日本パス」を利用する城崎温泉の旅を乗降客らにアピールした。
 
 会場では、11人の若旦那がゆかた姿で登場し、城崎温泉の魅力を紹介。独身の若旦那の人気投票などユニークな企画も行われ、盛況だった。また、アンケートに答えると城崎温泉のペア宿泊券や特産品、JR西日本パスなどが当たる抽選なども行った。

 会代表の芳賀明人さん(美食遊楽とみや)は「九州地区では、城崎温泉の知名度がまだまだ低い。交通費がかなりお得になるJR西日本パスを利用して、この機会にぜひ一度城崎温泉に来てほしい」とアピールした。

 若旦那の会は城崎温泉を盛り上げようと、概ね40歳までの旅館、商店などの後継者で構成。城崎温泉のポスターなどにも登場している。

 JR西日本パスは6月29日までの金、土、日、月曜の連続する2日間または3日間、JR西日本全線、JR四国全線とJR九州の指定区間の自由席が乗り放題となる。2日間用では、指定席が4回まで利用できる。

 兵庫県では、4〜6月まで「あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン」を開催している。城崎温泉などを舞台に、名探偵コナンミステリーツアーも11月3日まで実施されている。



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