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観光行政 ■第2516号《2009年5月30日(土)発行》
経産・中企庁、新型インフルで金融機関に要請
経済産業省・中小企業庁は26日、新型インフルエンザの影響で、予約の大量キャンセルなどで苦しむ旅館・ホテル業、旅行業など観光関連事業者を救済するため、元本返済猶予に前向きに取り組むよう、公的金融機関に要請することを決めた。これに先立つ22日には金融支援対策特別相談窓口の設置など、中小・小規模事業者対策を打ち出しており、政府の支援体制が動き出した。
金融機関への要請は元本返済猶予のほか、経済対策で拡充された措置も活用するよう求めた。具体的には無担保での8千万円を超える資金ニーズへの弾力的対応と、据え置き期間を上限1年から2年に延長する。
また、緊急保証を受けるには直近3カ月平均の売り上げ減データが必要だが、事態の深刻さを考慮し「影響が推測できる一定の場合は利用可能」(中企庁金融課)とするよう働きかける。
22日の対策は二階俊博経産相が記者会見で明らかにした。
インフルエンザの流行で資金繰りへの影響が懸念されていることに対応し、政府系金融機関や信用保証協会、商工会議所など全国約900カ所に「新型インフルエンザに関する中小企業金融支援対策特別相談窓口」を設け、経営上の相談に応じることにした。
また、影響を受けている中小企業にセーフティネット貸し付け(経営環境変化対応資金)が利用できるようにするほか、「返済猶予等既住債務の条件変更、貸し出し手続きの迅速化など、企業の実情に応じて対応する」としている。
二階経産相は「中小・小規模企業の損害を最小限に食い止めるため、全力を拳げて対応したい」と強調した。
キャンセル料で「問題事例は通知を」と本保観光庁長官
観光庁の本保芳明長官は26日の専門紙向け定例記者会見で、新型インフルエンザ発生に伴う旅行業者と宿泊業の間の宿泊キャンセル料に関して、「基本的に、払う、払わないは事業者間の契約の問題だ」と前置きした上で、「問題がある個別の事例があれば、業界団体を通じ、あるいは直接でも構わないが、観光庁に通知してほしい。拙速な判断はできないが、本当に問題があるのか、調べてみたい」との考えを示した。
本保長官は、個別の事例が通知された場合、「事実関係などを把握することは簡単ではないし、非常に時間がかかると思う」と指摘したが、「少なくとも観光庁に対応するチャンネルが開かれているということが、問題ある行動の抑止力になればいい」と述べた。
このほか新型インフルエンザの発生で経営難に直面する観光事業者への支援策に関し、「業界の要望などを踏まえ、関係省庁に必要なはたらきかけを行いたい」と述べた。
自民党、新型インフルで観光業界からヒアリング
新型インフルエンザの国内感染が広がる中で、修学旅行の延期や中止が相次ぎ、観光業界に深刻な影響をもたらしていることを重視した自民党は26日、観光関係7団体を集め、現況をヒアリングした。
午後2時から党本部で国土交通部会・観光特別委員会合同会議を開き、日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、日本ツーリズム産業団体連合会、日本ホテル協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本ホテル協会、日本バス協会から、新型インフルエンザの影響がどう出ているかや政府への要望などを聞いたとみられる。
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