栃木県の2008年の観光客入込数は、前年比4.8%増の8041万人となった。県が5月27日に発表した。リゾートタイプの大型商業施設が開業した那須塩原市、都市型観光が好調だった宇都宮市などが前年より増加した。半面、観光客宿泊数は、ガソリン価格の高騰や世界同時不況の影響などを受け、同1.7%減の820万人となり、日光市、那須町などが前年より減少した。
08年の観光客入込数は、新しい統計基準を採用した04年以降で最高の数値。08年7月には、大型商業施設「那須ガーデンアウトレット」がオープンしたことから、那須塩原市の観光客入込数は、前年比37.5%増の933万9千人と大幅に増加した。宇都宮市も4.8%増の1383万7千人。
県内30市町のうち13市町は前年より減少。日光市が3.1%減の1127万3千人、鹿沼市が1.5%減の287万人などだった。
観光客宿泊数は、旅館・ホテル、民宿のほか、キャンプ場の利用者などが含まれる。04年以降、減少傾向にある中で、07年には増加に転じたが、再び減少。「景気後退が、日帰り観光より宿泊観光に大きく影響した」(県産業労働観光部観光交流課)。
県全体の観光客宿泊数の45%を占める日光市は3.3%減の369万6千人、那須町は2.9%減の177万8千人。入込数が好調だった那須塩原市も2.3%減の110万3千人。一方で宇都宮市は6.1%増の107万3千人に増加した。
観光客宿泊数のうち外国人の占める割合は、1.7%。前年より0.7%減の13万7千人だった。日光市が3.0%増の8万3千人、宇都宮市が19.1%増の4万人。調査対象は県内8市町だが、両市で全体の9割に達している。
外国人宿泊者を国・地域別にみると、中国と香港の合計が2万9千人で最多、次いで台湾が2万7千人、米国が2万4千人、欧州が1万7千人、韓国が1万4千人だった。