東北観光推進機構がこのほどまとめた、韓国、台湾の旅行市場調査で、訪日経験のある韓国人と台湾人の約6割が、東北での旅行では旅館に泊まりたいとの希望を持っていることがわかった。実際に旅館宿泊を経験した人は少ないという現状を踏まえ同機構では今後、宿泊施設の魅力に加え、施設でのサービス内容も発信し、理解してもらうことが必要と指摘する。
調査は、日本を訪れた経験のある韓国人と台湾人の20代以上の男女を対象に、09年2月24〜28日ウェブ上で実施した。集まった韓国人331人、台湾人336人のサンプルをもとに、各市場のニーズの在りかや旅行情報源などを調べた。
「東北への旅行で使いたい宿泊施設」との問いには、韓国人の67.4%が「旅館」と回答。以下、「都市型ホテル」と「リゾートホテル」が44.4%で続いた。台湾人の場合は、「旅館」が60.4%で最も多く、以下「リゾートホテル」が50.3%、「民宿・ペンション」が47.3%で、東北での旅館宿泊への関心の高さが示された。
個人旅行が半数以上を占め、旅館利用を希望する人の割合が高い韓国だが、実際に旅館を利用した人は17.8%と、都市型ホテルを利用した人(63.1%)に比べ低い。このことから同機構は、「都市型ホテルと旅館のサービスの違いなどの情報を多く発信し、旅館滞在イメージを具体的に持ってもらう必要がある」と分析する。
また台湾人については、現在は団体旅行での来日が多いものの、民宿などへの関心が非常に高いことが示されたことから、「小規模施設や旅館の魅力を積極的に発信することで、首都圏とは違う東北の魅力を意識してもらえるのでは」と同機構はみている。