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観光行政 ■第2517号《2009年6月6日(土)発行》
国内観光旅行、宿泊数2.44泊に低迷 観光白書
政府が2日に公表した2009年度版観光白書で、08年度の日本人1人当たりの国内宿泊観光旅行は、年間1.55回、宿泊日数2.44泊(ともに暫定値)にとどまったことが分かった。旅行回数、宿泊日数ともに前年度からはほぼ横ばいの数値だが、05年度以降、減少傾向にあり、宿泊を伴う観光旅行は低迷が続いている。
旅行回数、宿泊日数の数値は、国の承認統計「旅行・観光消費動向調査」の結果に基づく。全国の20歳から79歳までの国民から無作為に抽出した1万5千人を対象にした調査から推計した。宿泊観光旅行には、出張や業務旅行、帰省などは含まれていない。
日本人の国内観光旅行の宿泊日数には、観光立国推進基本計画に2010年度までに4泊に増やすという目標を掲げているが、08年度の数値は目標を1.56泊も下回っている。
現在の統計手法を採用した03年度以降の推移をみると、宿泊日数は05年度の2.89泊が最も高く、以降は下降線をたどっている。旅行回数も05年度の1.77回以降、減少傾向にある。08年度の数値を07年度と比べた場合、宿泊日数で15.6%、旅行回数で12.4%の減少率となる。
08年度の数値は、07年度の旅行回数1.50回、宿泊日数2.42泊からともに微増ではあるが、暫定値として発表されており、「確定値は、暫定値より低く出る傾向がある」(観光庁)ことから、回数、宿泊日数ともに3年連続の減少となる可能性がある。
観光庁は白書の中で、近年の国内宿泊観光旅行の低迷について要因を分析。若年層、家族層、団塊世代の動向を調査した結果、旅行回数の減少には、所得の減少、同行者との休暇の不一致などが大きく影響していることが分かった。
修学旅行の延期・中止は2594校 文科省調べ
文部科学省は1日、新型インフルエンザで国内の修学旅行を中止、または延期した学校が2594校あったとする調査結果を発表した。このうち181校でキャンセル料が発生している。調査結果を受け、同省は当面の対応として、国内修旅について「中止ではなく延期扱いとしたり、すでに取りやめた場合でも改めて実施することを検討してほしい」と学校側に要請した──主に5、6月に出発する小中学校、高校について、5月22日現在、都道府県・政令指定都市の教育委員会が把握している数字を集計。修旅の実施状況が判明した1万2746校のうち、中止・延期を決めたのは2594校だったが、9063校は中止も延期もしない。検討中は1089校。
2594校のうち、181校でキャンセル料が発生したが、45校が「自治体負担」、28校が「保護者負担」だった。残り108校は「調整中」としている。1022校が「発生しなかった」と回答し、「調整中」は依然608校ある。
同省は、キャンセル料などを自治体が負担した場合、各自治体の判断で補正予算に計上されている「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」の活用が可能としており、手続きをとるよう呼びかけている。
「旅フェア2009」に約11万人来場
開幕式でのテープカット
「日本の笑顔」をテーマに、第15回「旅フェア2009」(主催・旅フェア実行委員会)が5月29〜31日、昨年に続き、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた。曇りや雨など天気の悪さが影響してか、期間中の来場者数は目標の12万人を下回る10万5052人(速報)だった。景気後退や新型インフルエンザの発生などで旅行市場も冷え込んでいるが、「旅フェアを起爆剤に」(出展者)とばかり、各ブースでは観光PRに努めていた。
初日の開幕式。主催者を代表してあいさつした実行委の中村徹会長(日本観光協会会長)は「景気が悪く、新型インフルが旅の意欲を削ぐなど逆風が吹いているが、旅フェアが起爆剤となり、旅行市場が再び盛り上がることを期待している」と強調した。
地元、神奈川県の松沢成文知事は「県の観光資源は多彩で、日本観光の箱庭といえる。県を(日本の)観光振興のモデルにしたい」と意気込みを示した上で、6月議会に観光振興条例を提出する考えを明らかにした。
式には谷口和史・国土交通大臣政務官、愛知和男・前自民党観光特別委員長、本保芳明・観光庁長官らも出席した。
テープカットに先立ち優秀観光地づくり賞の表彰式が行われ、金賞を受賞した長崎市(国土交通大臣賞)、神奈川県三浦市(総務大臣賞)の関係者らが表彰された。
各ブースでは誘客に向け活発な観光宣伝が行われ、主催者企画の1つ、三崎まぐろの解体ショー・試食会は長蛇の列で、関係者も嬉しい悲鳴を上げていた。また、2回目となるブース大賞の1位を新潟県観光協会が受賞した。
初日は金曜日で、また雨模様となったため、来場者は2万2538人と出足は鈍かったものの、30日は3万8247人、31日が4万4267人と尻上がりに増えた。
旅フェアには本社もブースを出展。会場では本紙特別号「にっぽんの温泉100選、人気温泉旅館・ホテル250選」を配布した。手にした来場者は「行ったことがない温泉が上位にランクされており興味深い」と見入っていた。
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