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旅館・ホテル ■第2522号《2009年7月11日(土)発行》  

日旅連、初の「旅連塾」開講
山田ビジネス・青木氏の講演

 日本旅行協定旅館ホテル連盟(日旅連、根津文博会長=北海道・御園ホテル)は2、3日、東京のホテルメトロポリタンエドモントで第1回「日旅連塾」を開講した。日旅連の主に若手会員で組織する営業推進委員会のメンバーら50人が受講。IT戦略と金融問題の各テーマを専門家の講義などで学んだ。

 塾は「旅連組織の価値向上」「次代を担う会員の誇りと情熱の醸成」などを狙いに、根津会長の肝いりで初めて開講した。参加者は会社と共同で観光素材の研究や品質向上に取り組む旅連の本部と支部連合会の各営業推進委員会から選抜された50人。

 初日は「これからのIT販売戦略について」をテーマに、ポータルサイト「ライブドア」の立ち上げや著書「ブログ炎上」で知られるゼロスタートコミュニケーションズの伊地知晋一専務が講演したほか、ITを活用した宿泊券の販売戦略について、日本旅行ICT事業本部の秋山秀之マネージャー、日旅連営業推進委員会観光素材研究委員会の小林典行委員長(ホテル東山閣)が講演。各氏らを交えたパネルディスカッションも行った。

 2日目は「銀行を味方にする経営プランの作り方、説明の仕方」をテーマに、観光経済新聞でコラム「逆境をチャンスに」を連載中の山田ビジネスコンサルティング事業企画部、青木康弘副部長が講演した。

 青木氏は、「借入依存せざるを得ない業種」である旅館・ホテルの経営者は、「金融動向を理解し、金融機関との付き合い方を知る必要がある」と指摘。その上で、金融機関の貸出先への対応方針の変化、貸出先を格付けする際の視点などを詳しく説明した。

 さらに金融機関に提出が求められる経営プランの作り方として、「現状分析、目標設定、経営計画策定が必要」「財務状況だけでなく、どんな強みで客を呼んでいるかや、自社の将来像と目標数値を描いた改善シナリオを明確に説明する必要がある」と説いた。



全旅連シルバースター部会、ネットで誘客促進
続投が決まった野澤部会長。施設事故防止管理マニュアルの積極的活用を訴えた

 全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)のシルバースター部会(野澤幸司部会長=新潟県・ホテル小柳)は2日、東京の都道府県会館で21年度総代会を開き、インターネットを活用した集客事業の推進や、1千軒を目標とした登録施設の拡大を図るとした今年度事業計画を承認した。2年間の任期満了に伴う役員改選では野澤部会長を再選した。

 シルバースター部会は、高齢者や障害者などの利用に配慮した「人に優しい宿」の普及を目指す組織。ハード、ソフト両面で一定の条件をクリアした宿を「シルバースター登録施設」に認定している。同日現在の登録施設は943軒。かつて1千軒を突破したが、施設の廃業などで再び1千軒を割り込んでいる。

 部会では当面の登録目標を1千軒に置き、47の都道府県旅館組合ごとに目標値を設定するなどして、大台の再突破を目指す。

 また登録施設へのメリットとして、施設への集客事業を推進する。今年6月には楽天トラベルが「人に優しい宿」の特集ページを開設。同社と連携して施設への誘客を図る。このほかインターネット情報地図サービス「マピオン」を活用した集客事業や、一般消費者対象のキャンペーン事業も引き続き進める。キャンペーンは現在、還暦など記念日を迎えた人を宿泊招待する家族旅行誘発のキャンペーンを行っている。

 野澤部会長は、旅館・ホテルの食中毒対応マニュアルの作成、19年度に作成した厨房や浴室の事故防止管理マニュアルの理解度を測る検定サイトのオープンなど、昨年度の関連事業を振り返るとともに、「シルバースター登録施設が全旅連1万8千軒の先駆けとなるよう、集客事業と有益情報の発信を今後も進める」とあいさつ。

 また、この秋にも第2波が予想される新型インフルエンザへの対策も、全旅連の新型インフルエンザ対策本部に参画して万全を期す構えを示した。

 議事終了後は研修会を行い、プラスチック製家庭日用品で「ご飯のこびりつかないマジックしゃもじ」などヒット商品を開発した曙産業(新潟県燕市)の大山治郎会長が「私の経営哲学」と題して講演した。



新潟旅組、東京で食と夏観光PR
夏の味覚の試食を楽しませた

 新潟県旅館組合は6月24〜28日、東京の日本橋にいがた館NICOプラザで夏の観光PRイベントを開いた。夏休みを前に、同県の夏の観光魅力や、10月から始まる新潟デスティネーションキャンペーンのメーンテーマ「食」の魅力を首都圏の消費者にPRした。

 「うまさぎっしり」と題したイベントでは、来場者に新潟の夏を代表する味覚の枝豆やスイカ、県内温泉地で売り出し中の「温泉スイーツ」の試食を楽しませたほか、魚沼産コシヒカリや冷菓「もも太郎」をプレゼントした。

 温泉スイーツは、地元産の果物などを使った温泉地独自の開発商品で、旅館組合女将の会を中心に食べ歩き企画を実施している。「湯田上温泉ではル・レクチェ(洋梨)、越後姫(イチゴ)などのスイーツを季節ごとに用意しています」(ホテル小柳・野澤隆義専務)。



楽天トラベル、登録看板を宿泊施設に配布
登録看板

 楽天トラベルは登録宿泊施設を示す看板「楽天トラベル登録施設」の旅館・ホテルへの配布を始めた。

 25×25センチでアルミ製。裏面全面が両面テープのような粘着面となっており、保護シートをはがすことで、シールのように壁面に貼ることができる。四隅にはねじ穴を配置。スクリュー型のねじも同梱されている。

 2日に大阪、6日に東京で開いた「楽天トラベルサマーフォーラム」に参加した合計949施設に手渡しで配布した。17日に開く仙台会場でも配る。今後、国内の登録宿泊施設2万3280軒に順次配布していく。

  「できればフロントやエントランスなどに掲出していただきたい」(楽天トラベル)。



農旅連、日垣会長を再任
日垣会長

 農協観光協定旅館ホテル連盟(日垣信三会長、約1900会員)は6月30日に今年度通常総会を東京都文京区の東京ドームホテルで開いた。任期満了に伴う役員改選では日垣会長を再任した。

 3期目に入った日垣会長は冒頭、「昨年は景気の悪化による個人消費低迷や法人の経費削減などから国内旅行は低調に推移した。国内旅行に重点をおく農協観光にとっても影響が大きかった」と述べた。その上で、新型インフルエンザ問題については、「互いに力を合わせて乗り切りたい」と話した。

 また、農協観光が今年創立20周年(12月5日)を迎えることを踏まえ、「農旅連としてしっかりと協力していきたい」と強調した。

 来賓の田辺豊農協観光社長は「昨年はグリーンツーリズムに重点をおいてきた。今年もこの領域をさらに充実させる」と述べた上で「今年農協観光は創立20周年を迎える。人間に例えれば成人、ひとつの区切りである。会社として真に大人になったのか、今後も前向きに業務に取り組んでいく。会員の方々の力を貸してほしい」と協力を仰いだ。

 今年度の事業方針は、宿泊券増売対策や販売企画センターならびに支部連合会との連携強化など9項目。その中で特に重点とする事業は、「農協観光創立20周年記念事業に対する協力支援」。会員に記念事業へ積極的に参加するよう盛り込んだ。



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