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地域観光 ■第2525号《2009年8月1日(土)発行》
東北観光推進機構が教育旅行の事例発表会
経論らが登壇しパネルディスカッションも
東北観光推進機構の教育旅行誘致部会(部会長=畠山廣・同機構推進本部副本部長)は7月23日、東京都港区のグランドプリンス新高輪で「東北教育旅行事例発表会」を開いた。学校関係者のほか、旅行会社や東北の行政、観光関係者など約140人が参加。東北で教育旅行を行った学校の教諭らによるパネルディスカッションでは、東北には教育旅行に適した訪問地や風土、受け入れ態勢があるものの、学校への情報提供が十分でない現状が指摘された。
事例発表に続き開いたパネルディスカッションには、事例発表を行った3人の教諭ら5人が登壇。
パネリストらは、「民泊などで感じられる人の温かさに魅力を感じる」「都市部にない『適度な不便さ』が残っているところが良さ」「白神山地のような自然だけでなく、三内丸山遺跡や平泉などの歴史遺産も豊富である点は東北ならでは」と話し、教育旅行の行き先としての東北の良さを披露。中には「他の地域よりも宿泊施設などが混雑しておらず、手配しやすい」との利点を指摘する意見も挙がった。
一方で、遠距離移動に伴う旅行費用の高額化のほか、「現地に行ってみると想像以上に移動が大変だったりして、全体集合の場所や時間の設定が難しい」(望月修・埼玉県立川口東高等学校教諭)といった東北への旅行への懸念事項が挙げられた。
また旅行会社、地元への要望として、「宿泊先、行動可能な範囲などについて、より詳しい提案や情報提供が欲しい」(大野新・筑波大学付属駒場中学校教諭)、「農家からのお土産や生産物のプレゼントはうれしいが、できれば民泊先によって差が出ないよう内容や量を決めてほしい」(廣瀬君枝・東京都杉並区立荻窪中学校教諭)などの意見が出た。
教育旅行関係団体の代表もパネリストとして参加。旅行会社での勤務経験のある林義行・全国修学旅行研究協会本部部長は、「先生の多くが前例を踏襲する。京都に比べ圧倒的に低い東北の修学旅行のシェアを伸ばすには、先生が知らない、東北の自然、歴史遺産、体験学習メニューなどを幅広く提案する必要がある」と話し、旅行会社や地元からの情報発信の重要性を強調。河上一雄・日本修学旅行協会理事長は、文部科学省や旅行会社が体験学習を重視しつつある一方で、小学校児童を対象とした「子ども農山魚村交流プロジェクト」への参加学校数が伸びていない現状を紹介。「教育旅行需要の拡大が期待されているが、養護教諭の確保や実施時期など課題は多い。旅行会社や受け入れ地域は教育現場の動向を冷静に分析すべきだ」と指摘した。
08年観光客数は1億5千万人、過去最高を記録 千葉県
2008年に千葉県を訪れた観光客数は、前年比1.5%増の1億4793万4千人に達した。このほど県が発表した。調査手法の変更などにより、単純比較はできないが、過去最高の記録。内訳は日帰り客が同1.0%増の1億3163万9千人。宿泊客は4年連続の増加で同5.7%増の1629万6千人。県では「東京ディズニーリゾート(TDR)の開園25周年や成田山新勝寺の開基1070年などのイベントが奏巧した」とみている。
観光客数を地域別にみると、東京ディズニーリゾートがある浦安市が最多の4022万8159人。千葉市が1651万8126人、成田市が1466万2745人と続く。
観光施設別では東京ディズニーリゾートが3943万人で最も多く、2位は成田山新勝寺の1145万人。東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリアが671万人。この3施設で全体の4割弱を占めている。
宿泊客数を市町村別にみると、上位は浦安市の636万7661人、成田市の248万210人、千葉市の186万103人だった。
このうち外国人宿泊客は同4.0%増の181万8827人。国・地域別でみると北米が38万8千人で全体の21.3%を占める。このほか中国が34万5千人(構成比19.0%)、台湾が29万2千人(同16.1%)など。
また、県内の旅行総消費額は4964億円と推計された。うち宿泊が2752億円に達し、日帰りが2212億円となった。県内、県外別で1人当たりの消費額をみると、県内の宿泊客は1万8945円(平均宿泊数1.21泊)、日帰り客では3851円。県外の宿泊客の1人当たりの消費額は2万4550円(同1.41泊)、日帰り客では5770円となった。
県では、2009年についても、「アクアラインの値下げなど集客にプラスの要素がある」として観光客数の増加を期待している。
城崎マリンワールドに新飲食施設オープン
日本海が展望できる
体験型水族館の城崎マリンワールド(兵庫県豊岡市)は7月17日、新しいレストランカフェ「テラス」を同水族館横にオープンした。店内からは日本海を見渡すことのできる抜群のローケーション。メニューにもこだわり、海産物だけでなく、但馬牛や八鹿豚、但馬すこやか鶏など地元の優れた食材を使った和洋食を用意。手軽に食事できるように、約1千円前後のお手軽なメニューもそろえた。
建物は地上1階建て、建築面積626平方メートル、床面積496平方メートル。テラス部分は404平方メートルとなっている。店内は白を基調に清潔感を出した。食器も白色のものを多用している。
団体客の昼食会場としても利用できるように、店内は個人やグループ客と、団体客のエリアを分けて使えるようにした。席数は200席あり、団体客は100人まで対応可能。
また、旅行会社向けに団体向けの特別料理を3種類設定している。価格は1575円、2100円、2635円。但馬牛や但馬すこやか鶏など地元食材を使っている。
予約は3日前から受け付ける。問い合わせは同レストラン(TEL0796・28・0017)まで。
有馬温泉、夏のイベントを充実
ありま涼風川座敷
兵庫県の有馬温泉観光協会は、新型インフルエンザの風評被害対策のため、夏の祭やイベントの内容を例年以上に充実させ、有馬温泉の街を挙げて旅行者をもてなしている。
8月30日までは、有馬川親水広場公園で有馬涼風川座敷スペシャルを開催している。屋台やゲームコーナーを開くほか、座敷では「太閤鍋」「ねね鍋」の特別料理を販売。特設舞台では毎日、芸妓の踊り(2回公演)とコンサートなどを行う。親水公園もライトアップしている。
新企画として8月4日まで、「有馬ゆ・あかりコンテスト」を実施。観光総合案内所で、全国から応募のあった「手作りのあかり」の作品を展示する。また、8月8日から9月23日までは手作りのあかりの作品約800点が、有馬温泉街の観光案内所や温泉寺、有馬の工房などに展示し、夜の散策を楽しめるようにする。
8月10〜21日は、有馬温泉観光総合案内所で「怪談人形劇」を上演する。廃れた屋敷を舞台にした怪談話を人形劇で表現する。1日3回公演で、上映時間は約30分。入場料は大人800円、子ども500円。
札幌で夜の文化施設巡るイベント
大道芸も人気
市民と観光客が夜の文化施設を巡り、地域文化に親しむ「カルチャーナイト2009」が7月17日、札幌市で開催された。動物園や美術館、テレビ局、警察本部、銀行など93施設が参加。約3万人が普段見られない施設を見学したり、地域の文化に触れて楽しんだ。
学校の夏休みを前に、市内の文化・公共施設や民間施設を夜間一斉に開放し、見学やそこで提供するさまざまなプログラムを楽しんでもらうもので、今年で7回目となる。主催はカルチャーナイト実行委員会(辻井達一委員長)。
夜間開放された円山動物園には、5千人の家族連れが訪れ、警察本部の白バイやパトカーの試乗に子どもたちが列を作っていた。
道民活動施設「かでる2・7」では、エントランスやロビーで大道芸のパフォーマンスや二胡の演奏、ホールの舞台裏や楽屋を回る見学ツアーやスタンプラリー、文化サークルによる体験教室などさまざまなイベントが行われ、遅くまで多くの市民で賑わった。
前日の16日には前夜祭として道庁赤レンガで地域文化のフォーラムとバイオリンの夕べが開かれ、観光客も含め約200人が参加した。
カルチャーナイトは実行委員会の役員のひとりが10年前、北欧デンマークを訪れた際、同様のイベントに出会い、北海道でもこうした地域文化の楽しみ方ができないかと考えたことから始まった。2003年の第1回は参加施設20カ所、参加者数延べ約2万人だったが規模が年々広がり、今では北国の夏のユニークな催しとして定着。函館や夕張など7市町村でも開催される。
このあと札幌では、市中心部の豊平川河畔で報道各社主催の花火大会が相次いで開かれた。21日からは、全国一の規模で観光客にも人気の札幌夏祭り「納涼ビアガーデン」が大通公園で始まる。
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