日本観光旅館連盟(近兼孝休会長、3551会員)は、ホームページ(HP)「日観連やど日本」(
http://www.nikkanren.or.jp/)に会員旅館・ホテルの宿泊プランを紹介するコーナーを開設した。7月17日にオープンし、現在は60軒、約300件の宿泊プランを掲載中。夏休みの家族客を対象にしたプランや1人旅を歓迎するプランなど、宿や地域の特性を生かした多様なプランがそろった。日観連では、会員施設の集客を支援するとともに、魅力ある宿泊プランづくりの契機にしていく。
やど日本は、会員旅館・ホテルの施設情報などを掲載しているHP。多様な宿泊プランを集めて掲載することで、宿泊需要の掘り起こしにつなげる。宿泊予約はHPに付属するダイレクト予約機能を通じて、または各施設のオリジナルホームページに誘導して入力してもらう。
宿泊プランは、ログインIDなどを持つ会員施設の担当者により、常時、内容の更新が可能。季節や話題性に応じた宿泊プランが掲載できる。今後は、「秋の味覚特集」「宴会特集」など、共通の特集テーマに対応した宿泊プランも各施設に打ち出してもらう。
多種多様なプラン
掲載中の宿泊プランは、サービス内容や時期などの条件によって割安感を打ち出したプランをはじめ、細やかな宿泊ニーズにこたえて需要喚起に努めるプランなどさまざまだ。
今は夏休み期間ということもあり、子ども連れの家族向けのプランが多い。例えば、NHK大河ドラマ「天地人」の人気を受け、新潟県・六日町温泉のホテル魚としは、「兼続の遊んだ大自然を満喫」と題したファミリープランを提案。宿泊に加え、川遊びや野菜の収穫、カブトムシ採りなどが楽しめる。このほかの宿も、子どもの料金を割り引くなどのプランを設定している。
家族3世代で利用できそうなのは、群馬県・伊香保温泉、ホテルきむらの「お祝い応援パック」。還暦や古希などを祝う宿泊プランで、チャンチャンコの貸し出しや記念撮影などの特典が付く。
また、女性客を意識したプランも目立つ。石川県・山代温泉のみどりの宿萬松閣では、露天風呂付き客室の女性宿泊客に「色浴衣」をプレゼントする宿泊プランを設定し、「山代の町を色浴衣でそぞろ歩いてみては」と提案する。また、京都府・亀岡・湯の花温泉の翠泉は、温泉やミストサウナ、地産地消の食、デトックス効果のある料理などのメニューを盛り込んだ女性の健康を応援するレディースプランを提供している。
このほか、旅館には泊まりにくいイメージがある1人旅を取り込もうというプランも。宮城県・作並温泉の鷹泉閣岩松旅館は、温泉と部屋食を1人でのんびりと楽しむプランを設定。神奈川県・七沢温泉の元湯玉川館なども、1人旅プランを紹介している。
1000件掲載が目標
日観連は当面、1千件の宿泊プランの掲載を目標に、会員にHPの活用を呼びかける。現在、宿泊プランの検索キーワードは、地域、宿泊時期、料金の分類になっているが、プランが1千件となった時点で、家族旅行や連泊といった宿泊プランのテーマ別の検索も可能にする予定だ。
日観連の中村義宗専務理事は「今、掲載されている宿泊プランは各施設がすでに販売しているものが中心だが、このコーナーの開設を契機に、新しいタイプの宿泊プランづくりにも取り組み、販売拡大につなげてもらいたい」と期待する。
今後は、宿泊プランを幅広く知ってもらうため、HPやど日本の認知度アップに向けた方策なども検討していく。