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トラベル ■第2526号《2009年8月8日(土)発行》
「08年度の国内宿泊旅行者は微減」じゃらん調査
リクルートが約1万4千人の旅行者を対象に実施した「じゃらん宿泊旅行調査2009」によると、08年度の国内宿泊旅行の実施者数は微減となったが、1回の宿泊旅行費用(大人1人あたり)は増加し、4年振りに5万円台に戻った。1人旅が増える半面、小学生以下の子ども連れ家族旅行の減少は続き、05年の調査開始以来、初めてその比率が逆転したことが分かった。
08年度1年間の宿泊旅行者数(出張、帰省、修学旅行など除く)は延べ約1億7400万人、延べ宿泊者数は約2億9200万泊となり、前年度と比べるとそれぞれ0.9%、1.2%の減少。
1回あたりの費用は4万9500円から5万600円と5万円台を回復した。内訳を見ると、個人旅行での宿泊費が1万5200円から1万6100円、パック旅行におけるパック費が4万1800円から4万2700円、現地小遣いも1万7500円から1万7800円と増加した。
この結果、宿泊旅行にかけられた費用総額は8兆6781億円から8兆8076億円と拡大。
宿泊旅行の同行形態を見ると、もっとも割合が高いのは夫婦2人連れ旅行の24.2%。次いで友人との旅行。小学生以下の子ども連れ家族旅行は調査開始時に14.6%あったが今回は12%にまで減少、1人旅の比率(12.5%)を下回った。
一方、延べ宿泊旅行者の多い旅行先は前回と同じ東京都がトップで、1734万人となった。トップ10の順位に大きな変動はないが、静岡県が前回5位から3位に浮上したのが目立つ。長野県が3位から4位、神奈川県が4位から5位と1つランクを落としている。
お盆期間の予約状況、鉄道・航空ともに低調
JRグループ6社と航空各社のお盆期間中(7〜16日)の旅客予約状況が7月31日までに出そろった。JR6社の新幹線や在来線特急などの指定席の予約状況は前年同期比10〜20%減と不振。航空も国内便座席の予約状況は各社低調だ。大手2社はほぼ同10%減となったほか、その他の航空会社もスカイマークが前年並みにとどまった以外は前年を割り込んでいる。景気低迷に加え、高速道路のETC割引などの影響もあり、鉄道、航空便ともに苦しい状況のようだ。
■鉄道
管区別の新幹線、在来線特急指定席の予約状況は、JR北海道が前年同期比11.8%減の10万8554席。本州方面への夜行列車「カシオペア」「北斗星」「トワイライト」は同1.7%増と堅調なものの、その他の指定席はいずれも低調。 JR東日本は、同10%減の142万席。予約可能座席数が同3%増と増えたにもかかわらず予約は伸び悩む。このうち新幹線は同9%減の96万席となっている。
JR東海はJR東日本同様、予約席数を新幹線中心に増やしたものの、予約数は同15%減の138万席。新幹線は同15%減の129万席。
JR西日本は同16%減の95万席。新幹線は、同16%減の72万7千席。JR四国は同16%減の5万5千席。
JR九州は同19.8%減の23万1千席と6社中最も前年実績を割り込んでいる。このうち新幹線は、同26.8%減の3万6千席で落ち込みが目立っている。
■航空便
国内航空便のうちANAグループの予約数は、前年同期比9.9%減の130万825人。予約率は5.5ポイント減の66.9%。方面別では各方面とも前年実績を5〜15%程度割り込む状況となっている。
JALグループ(日本航空、ジェイエア、JALエクスプレス)の予約数は同9.6%減の113万5106人。予約率は5.1ポイント減少し68.9%。方面別の予約数は、前年からの減少率が最も小さい東北・北陸方面でも同3.5%減となっている。同グループの日本トランスオーシャン航空は、同13.6%減の8万1856人、予約率は8.5ポイント減の65.5%。
エア・ドゥは、提供座席数が同0.6%減の6万797席で、予約数は同5.5%減の4万7112人。予約率は4.0ポイント減の77.5%。
スカイマークは、提供座席数が同5.5%減少したものの、予約数は同1.4%減の7万8423人とほぼ横ばいで、予約率は70.3%。羽田〜神戸線、羽田〜札幌線で約1割増となっている。
スカイネットアジア航空は、同8.0%減の2万9926人。予約率は70.8%。
スターフライヤーの予約数は、同17.3%減の1万9980人。予約率は5.5ポイント上昇し68.7%となっている。
クラツー、世界旅行博に宇宙旅客機出展へ
クラブツーリズムは9月18〜20日に東京ビッグサイトで開かれる「JATA世界旅行博」に、2010年に初飛行予定の宇宙旅客機「スペースシップ2」の16分の1サイズ模型を出展する。クラツーが世界旅行博に出展するのは03年以来の6年ぶりで、ブースの目玉の1つにする。
宇宙旅行会社、英国ヴァージンギャラクティック社のスペースシップ2は、母機となる「ホワイトナイト2」の中央に接続される宇宙旅客機。展示される模型は母機と合わせて全長125センチ、全幅183センチ、全高68センチの大きさ。英国から搬送する。日本国内では初公開となる。
2010年の商業宇宙飛行開始を目指す英ヴァージンギャラクティック社は、既に世界40カ国から300人を超える宇宙旅行の申し込みを受けている。クラツーは日本における公式代理店。現在までに日本人10人が申し込んでいる。
昨年7月に母機ホワイトナイト2が完成。10数回の試験飛行を終えている。母機から空中発射され、高度100キロメートルの宇宙空間まで旅客を運ぶ宇宙旅客機スペースシップ2は、現在塗装とロケットエンジンの搭載作業の段階。今秋には完成し、一般公開と試験飛行を始める予定だ。宇宙空間に到達する試験飛行を30〜50回繰り返し、安全性が確認された後に商業宇宙飛行に入る。早ければ2010年末には実現するという。
JR西など鉄道3社、1デイ納涼パス発売
JR西日本と京阪電車、南海電鉄の3社が初めて連携した「関西1デイ納涼パス」の販売が始まった。同パスでは、新幹線や特急列車で関西圏以外からも誘客が可能なJRと、京都の鞍馬や貴船、和歌山の世界遺産・高野山など観光地の近くに沿線を持つ関西私鉄2社の強みを生かした。
同パスは、JR西日本の京阪神地区など指定のエリアの自由周遊区間内の普通列車の乗り放題と、京阪沿線の「鞍馬・貴船」、南海沿線の「高野山」のいずれか一方に行くことができるチケットへの引換券をセット。特急券や指定席券を購入すれば、JRや南海の特急も利用できる。パスポートタイプのきっぷとして、列車の乗り換えやバスの乗降がスムーズに行える。
当日でも購入でき、1人でも利用可能で、間際に決めた旅行や1人旅にも対応できるようにした。JR西日本管内以外の地域でも旅行会社で購入できるので、遠方の観光客にとっては、私鉄利用が必要な両観光地へもスムーズに訪れることができる。
利用期間と発売期間は1日から31日まで。発売価格は大人3500円、小児1750円。
引換券は「鞍馬・貴船チケット」が京阪電車「京橋駅」または「東福寺駅」の窓口で交換できる。「高野山チケット」は南海電鉄「新今宮駅」の窓口で交換できる。 鞍馬・貴船チケットは、京阪電車京橋または東福寺〜出町柳間の往復の乗車券(途中下車はできない)と、叡山電車全線の1日乗り放題がセットになったチケット。
高野山チケットは、南海電鉄新今宮〜高野山間の往復の乗車券(途中下車は不可)と、南海りんかんバス高野山内(立里線、高野・龍神線除く)1日乗り放題がセットになったチケット。指定の施設や店舗などで割引などの特典もある。
JR西日本ではモデルコースとして、京都駅発で、高野山と神戸を回るコースや、三ノ宮駅発で、鞍馬や貴船神社から、奈良の東大寺、大阪のコリアンタウン鶴橋をめぐるコースを紹介している。
主要12社6月実績
鉄道旅客協会によると主要旅行会社12社の今年6月の総取扱額は、2185億7670万円で、前年同月比26.8%減だった。内訳は、国内旅行が同14.9%減の1491億1370万円、外人旅行が同19.9%減の36億4906万円と低調。新型インフルエンザの流行などで低調が続く海外旅行は、同45.4%減の638億5893万円と不振だった。
国内旅行は12社全て前年実績を割り込んだ。阪急交通社(同1.7%減)、農協観光(同8.2%減)は減少幅が1ケタにとどまったが、その他10社は2ケタ減だった。
海外旅行も全社前年割れした。減少幅が最も小さかったのは西鉄旅行(同29.1%減)。日本旅行、トップツアー、名鉄観光サービス、農協観光は前年実績の5割にも届かなかった。
外人旅行は、ジェイティービー(同2.0%増)、京王観光(同79.1%増)、阪急交通社(同35.1%増)が前年を超えたほかは低調だった。
4月からの累計は、総取扱額が、前年同期比21.9%減の6650億9815万円。12社中総累計額が前年を超えているところはない。国内旅行は同15.1%減の4346億8418万円、海外旅行は同33.3%減の2111億4109万円、外人旅行は同20.2%減の135億6176万円。
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