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旅館・ホテル ■第2528号《2009年8月29日(土)発行》
初の「おもてなし検定」、合格率は81%
合格者に贈られるバッジ
旅館・ホテルの接遇力の向上や人材育成の支援などを目的とした業界資格「日本の宿 おもてなし検定」第1回初級試験が6月22日〜7月10日に実施され、2745人が受験、合格者は2223人だった。合格率は81.0%。合否の結果は8月10日に郵送で各受験者に伝えられ、合格者には合格証と合格バッジが贈られた。
主催の同検定実行員がこのほど、試験結果を明らかにした。申込者数は2868人で、受験率は95.7%。北海道から九州・沖縄まで全国幅広く申し込みがあった。
試験はウェブ上で行われ、45分で60問を解く。正解率80%以上の48点以上を合格とした。平均点は51.7点だった。
同検定実行員は国際観光旅館連盟、日本観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会、日本観光協会、JTB協定旅館ホテル連盟で構成されている。旅館・ホテル業界の資格として、おもてなし検定の定着を目指す考えだ。
事務局を務めるJTB旅ホ連では「初めての試験だったが、多くの人が受験してくれた。来年以降も引き続き実施し、合格バッジを当たり前のように付けてもらえるようにしたい」と話す。
第2回の試験は来年6月で、初級だけでなく、中級も加える。
旅館・ホテル、食中毒多発期迎え、防止に全力
従業員出入り口前で必ず手洗い、うがいをする(岐阜県・高山グリーンホテル)
食中毒の多発期を迎えている。大量の食品を扱う旅館・ホテルは一層の注意を払わねばならない。全国の旅館・ホテル経営者に、食中毒防止へ実践していること、自館ならではの食中毒防止対策を聞いた。
■人体に関すること
「手洗い励行」(中部・A館)、「手洗いをこまめにすること」(北海道・B館)、「手洗い、体調管理」(中部・C館)など、手指の殺菌・消毒の重要性を指摘する声が多い。
特に調理場で働く人の管理を徹底。「従業員全員が調理場入り口で手を消毒する」(関東・D館)、「調理場のあらゆる所へ薬品入り手洗い器を設置し、実行後、手洗いチェック表に30分おきに記入させる。毎日総務課がチェック」(九州・E館)など、手洗いのほかチェック体制の重要性も指摘している。
■食品管理
食材の管理に関しては、「食品の仕入れと使う順序を厳格なルールで守ること」(B館)、「冷蔵庫の開け閉めはなるべく少なく」(D館)など。また、「カキなどの二枚貝はノロウイルスが心配なので極力使用しないこと」(B館)などの事故回避策もみられた。
調理の段階では、「仕込みの段階で熱を入れたもの(鍋で煮た料理など)を、熱を完全に冷ましてから、冷蔵庫に入れること」(D館)、「食事盛付時間の調整(個人型のため、直前の盛付を心掛けている)」(中部・F館)、「盛付係の手袋、マスク、帽子の着用」(東北・G館)など。
またサービスの段階では、「生ものなどの後出しサービス」(G館)、「宴会場での料理膳への掛け紙の使用」(同)などが挙げられた。
■周辺環境
調理場を含めた環境面では、「調理場を清潔に保つこと」(B館)、「厨房内換気設備の強化」(中国四国・H館)、「スプレー式消毒液の設置(館内トイレ、パブリック)」(G館)など。
また、「民間(の検査機関)に衛生検査を依頼」(A館)、「ハサップの導入」(G館)など、事故防止へ積極的な投資をしている旅館・ホテルも多くあった。
■研修・啓蒙活動
「涼しい北海道だが、蒸し暑い日は朝礼で各部署に注意を呼び掛けている」(B館)、「毎朝の全体朝礼と接客係朝礼での注意と訓示」(G館)、「従業員に対してミーティングごとに周知徹底」(H館)など、毎日のミーティングで従業員に注意を呼び掛ける旅館・ホテルが多い。
さらに「お客さまへの(宴会場での)消毒、殺菌のお願い」(F館)、「お客さまに対しても手洗いや衛生管理をお願いしている」(H館)、「出入り業者さんへの注意喚起」(F館)など、宿泊客や取引業者にも注意を促している。
「保健所を招いての衛生講習会の実施」(H館)、「保健所より講師を招き、全従業員を対象に食中毒研修実施」(A館)、「温泉組合での食中毒防止講習会の開催」(F館)など、事故防止の講習会も盛んに行われている。
さらに全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)がインターネット上に開設している「旅館・ホテル安心安全管理検定サイト」の受検を挙げる旅館・ホテルもあった。同サイトは全旅連が作成した食品や施設の衛生管理マニュアルの理解度を測る検定で、受検して高得点を上げると全旅連から「旅館・ホテル安心安全管理士」に認定される。全旅連では事故防止の観点から、多くの受検を呼び掛けている。
全旅連、新型インフルの対策マニュアル発行へ
全国旅館生活衛生同業組合連合会(佐藤信幸会長)は、新型インフルエンザへの対応を最重要課題として、発生時の対策などをまとめた旅館・ホテル向けのマニュアルの作成を進めている。9月末にも発行する予定で全組合員に配布する。
全旅連は、今春の新型インフルエンザの発生に伴い、5月に佐藤会長を本部長とする対策本部を設置。秋の“第2波”を想定して、マニュアルづくりを急いできた。
湯快リゾート、初のグルメキャンペーン実施
湯快リゾート(京都市、東原一夫社長)は9月1日から10月末まで、グループの旅館・ホテル13軒で、グルメキャンペーン「秋の食祭り」を実施する。初の試み。料金は1泊2食付きで9800円とした。
通常のバイキング料理に加え、飛騨牛と松茸のすき焼き▽飛騨牛ステーキ▽松茸3品セット▽フカヒレ姿煮と北京ダック▽ハリハリ鍋セット──の5プランから、夕食時に好みの料理を選んでもらう。
宿泊施設へ直接電話して予約する。また、インターネットでも受け付ける。大人2人以上での利用が条件。プランは施設によって異なる。
同社は石川、福井、和歌山、岐阜、鳥取、岡山の各県で、計18施設を経営(うち3施設は運営受託)しているが、キャンペーンは次の施設で行う。
花・彩朝楽(片山津温泉)▽彩朝楽(山代温泉)▽あわづグランドホテル、同別館(粟津温泉)▽山中グランドホテル、ホテル大黒せせらぎ亭(山中温泉)▽下呂彩朝楽本館、同別館(下呂温泉)▽恵那峡国際ホテル(恵那峡温泉)▽ホテル千畳、白浜御苑(南紀白浜温泉)▽越之湯(南紀勝浦温泉)▽かいけ彩朝楽(皆生温泉)
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