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ビジネス ■第2538号《2009年11月14日(土)発行》
ペットの旅行テーマにシンポジウム
講演する大島氏
ペットの法律に関する研究者、実務家などで組織するペット法学会は7日、東京の明治大学で「ペットの住まいと旅」をテーマにシンポジウムを開いた。この中で、ペットと出掛ける旅の現状と問題点について日本旅行赤い風船事業部の大島浩子担当部長が講演。ペット同伴旅行は潜在需要があるものの、受け入れる宿泊施設が少ないなどが原因で旅行商品が造成されにくい現状を指摘し、普及には受け入れ施設のインフラ整備や受け入れ基準の明確化、飼い主のマナー向上が必要とした。
旅の販促研究所の調べによると、ペット犬との同伴旅行の未経験者のうち、約75%が旅行の実施を希望。ただ、実際に宿泊を伴う旅行を行ったのは約34%にとどまっている。
同調査では、飼い主から宿泊施設への要望として「ペット同行の旅であるのに同部屋宿泊可能施設が少なく、飼い主のニーズ『いつも一緒にいたい』という気持ちにこたえられていない」「事前の誓約書などの有無、記載内容が施設ごとに異なり、受け入れに関する一定の基準の必要性を感じる」などが挙げられている。
一方、宿泊施設側の受け入れ状況をみると、日本旅行の全国約5千の契約施設のうち、ペット受け入れ可能施設は342軒にとどまる。同室での受け入れ可能施設は191軒と、さらに数が減る。また、同宿可能でも、対応可能部屋数が1軒あたり1〜3室程度と少なかったり、シーズンによって受け入れ不可などの制限が付くことも珍しくない。
宿泊施設で受け入れが進まない理由について、日本旅行が施設に行ったアンケートでは、「畳を汚す、破る。浴衣、タオルで隠し、知らないふりをされた」「ベランダに糞があった」などの事例が挙がり、一部飼い主のマナーの悪さも指摘されている。
受け入れ施設数が少ないため、旅行会社もペット同伴旅行の商品造成には慎重だ。日本旅行はペット同伴で行く沖縄へのパッケージツアーを06年に販売したが、航空機でペットが手荷物扱いになることに抵抗感を持つ飼い主もあり、申し込み状況は芳しくなかったという。
ペット受け入れの先進宿泊施設として、群馬県草津温泉の音雅が紹介された。同館は犬も入れる貸切風呂や400坪の芝のドッグランなどペット受け入れ施設の整備が進んでいるほか、「完全にトイレのしつけが済んでいる」「無駄吠えをしない」など数項目の受け入れポリシーの確認書を顧客との間で事前に取り交わし、トラブルを未然に防いでいる。
講演した大島氏は、宿泊施設には音雅のような顧客との間の確認書の策定や、飼い主への施設に関する明確な情報提供が、飼い主には施設との間のルールの順守やマナーの向上が必要だと指摘。日本旅行として、宿泊施設のペット受け入れポリシーの作成手伝い、飼い主と宿泊施設双方の意見をくんだ旅行商品の造成、ペット旅行未経験者への旅行誘発などを図りたいとした。
金融円滑化法案、小企業の3割が「賛成」
帝国データバンクはこのほど、政府が臨時国会で成立を目指す中小企業金融円滑化法案(仮称)への企業意識を調査した。それによると、同法案に賛成と回答した企業は25.5%、反対と回答した企業は38.3%で、賛成が反対を12.8ポイント下回った。ただ、小規模企業は賛成が31.4%と3社に1社で、企業規模が小さいほど賛成の比率が高くなっている。同法案が成立した場合、融資の返済猶予の申請を検討するかどうかの問いでは、11.1%が検討すると回答した。
調査は帝国データバンクが今年10月の景気動向調査の特別企画として行った。調査対象は全国の企業2万1491社で、このうち1万742社が回答した。
同法案に賛成した企業を規模別にみると、大企業が20.8%、中小企業が27.0%、小規模企業が31.4%。企業規模が小さいほど、同法案の成立を肯定的にとらえている。
賛成した企業からは「中小企業が元気にならなければ景気はよくならない」「現在優良もしくは将来有望な中小企業には返済猶予を認めるべき」「これはリスケジューリングの制度的保証であり、銀行にとっても損ではない」などの意見が聞かれた。
半面、反対した企業からは「市場競争の中で返済猶予される企業と、一生懸命に返済している企業が存在するのは不公平」「私企業である債務者と銀行との間の契約に、公権力が過度に介入すべきでない」「前向きな資金を必要とする企業への融資資金が硬直化する」「返済猶予を受けることによるその後の弊害の方が大きい」などが指摘されている。
同法案が成立した場合、返済猶予の申請を検討するかどうか尋ねたところ、65.3%と3社に2社が検討しないと回答。検討するとした企業は11.1%にとどまった。
検討するとした企業を規模別でみると、大企業が5.4%なのに対し、中小企業が13.0%、小規模企業が17.0%と、企業規模が小さくなるほど割合が増えている。
検討する理由として「借り換えが非常に難しい状況にある」「将来の不測の事態に備え、短期資金繰りを改善する必要がある」「たとえ黒字になっても、借り入れの返済スピードが速く、現金不足に陥りやすい」「返済猶予によって起きる貸し渋りへの対策のために、返済猶予を申請する」などが挙げられた。
このほか申請するか否か分からないと回答した企業が23.6%あった。
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