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ビジネス ■第2542号《2009年12月12日(土)発行》  

ボーナス使い道、旅よりも生活に

 価格比較サイト「価格ドットコム」を運営するカカクコムが4日発表した調査によると、冬のボーナスの推定支給額は52万2千円となり、昨年の58万円を大きく下回った。ボーナスの使い道に「旅行・外出(国内)」を挙げた人は全体の約3割にとどまったほか、ボーナス減で抑える出費について旅行を挙げる人は約4割を占めた。ボーナスは貯金など生活費に回される傾向がうかがえ、観光業界にとって厳しい冬になりそうだ。

 冬のボーナスの推定支給額を性別、年代別、家族構成別にみるとすべての種別で減少。年代別では20代、30代、50代が軒並み10%以上減少しており、特にボーナス支給額が最も大きい50代はマイナス14.1%で約11万円の減額となった。家族構成別にみると「夫婦と子ども」では11.8%のマイナスで、減少率が最も高い。共働きの世帯では夫婦合わせた減少額が大きくなったと分析する。

 支給されるボーナスのうち、税金やローン返済などを除いた自由に使える費用を聞いたところ平均は、15万1677円となった。最も多い層は「5〜10万円未満」で23.2%。「自由に使えない」「1万円未満」「3〜5万円未満」なども合わせると10万円未満が半数以上を占める結果となり、約9割の人が自由に使えるお金は減っていると回答した。

 ボーナスの使い道を聞いたところ「旅行・外出(国内)」は36.4%で5位。平均消費額は5万543円。また「旅行・外出(海外)」は7.0%で8位。平均消費額は11万7722円だった。最も多かったのは洋服やファッション関連、薄型テレビなど「商品を購入」で78.0%を占めた。平均消費額は7万3812円。「貯金」(73.7%)がこれに続く。

 ボーナスが減った際に抑える出費をみると「商品の購入」70.6%、「貯金」45.4%、「旅行・外出(国内)」40.0%、「旅行・外出(国外)」23.3%の順。

 調査は全国の価格ドットコム利用者にウェブ上で実施。7897人から回答を得た。



全国企業倒産、2カ月連続で減少
 帝国データバンクによると、今年10月の全国企業倒産(負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は1070件で、前月比13.1%増加、前年同月比13.1%減少した。前年同月比の減少は2カ月連続。負債総額は2513億9400万円で、前月比29.8%、前年同月比74.3%のそれぞれ減少。同社が倒産の集計基準を法的整理のみに変更した05年以降で最少を記録した。ただ、中小企業の倒産は依然として高水準で、厳しい状況にある。

 倒産件数について同社は(1)全業種で前年同月比減少、集計基準変更後で初(2)九州が53件で前年同月比55.1%の大幅減少、地方圏は総じて低水準(3)負債5千万円未満は491件で前月比15.8%の増加、中小企業の資金繰りは依然厳しく──などの要因・背景を挙げている。

 倒産を業種別にみると、不動産業(28件)が前年同月比41.7%の大幅減少で、08年3月の28件以来、1年7カ月ぶりの20件台。小売業(181件、同21.6%減)、運輸・通信業(39件、同26.4%減)でも減少が目立った。建設業(295件、同9.0%減)は、前月比では35.9%の大幅増加となった。

 不動産業は「新規開発の停滞に伴う資金負担の軽減もあり、マンション業者の倒産が一服」、小売業は「最多件数となった前年同月の反動減の要素が強く、依然高水準で推移」、建設業は「公共工事前倒し発注など、政策的な下支え効果が息切れの可能性」としている。

 倒産の主因別では、販売不振、売掛金回収難、業界不振などの「不況型倒産」が882件で、倒産全体に占める構成比は82.4%。前月比0.6ポイント、前年同月比2.1ポイント、それぞれ増加し、今年8月と並び、同社の倒産の集計基準変更後で最高を記録した。

 倒産の規模別では、負債5千万円未満の倒産が491件で、構成比45.9%。一方、負債100億円以上の大型倒産は1件にとどまった。中小企業基本法で中小企業とされる企業の倒産は1069件で、倒産全体の99.9%。小規模企業の倒産は933件で、同87.2%。小規模倒産が依然として高水準で推移している。

 地域別では、全国9地域中、7地域で前年同月比減少した。中でも九州が55.1%の大幅減少となったほか、北海道、東北、中国でも減少が目立った。



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