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観光行政 ■第2545号《2010年1月5日(火)発行》
観光庁長官に大分トリニータ前社長の溝畑氏
溝畑宏氏
前原誠司国土交通相は12月25日の会見で、観光庁の本保芳明長官(60)を退任させ、後任に大分フットボールクラブ(大分市)の前社長、溝畑宏氏(49)を起用すると発表した。人事は1月4日付。政権交代から3カ月余り、“政治主導”のもと、観光庁の舵取り役も代わることになった。
前原国交相は、本保氏のこれまでの仕事ぶりを評価しながらも、外客3千万人の目標など新たな観光政策の遂行にあたり、サッカーチーム「大分トリニータ」の創設に尽力しJリーグ昇格にまで導いた溝畑氏の経営手腕が必要だと説明した。
溝畑氏は、85年に旧自治省入り。大分県企画文化部長などを経て04年に同社社長に就任、09年12月に辞任。東京大学法学部卒。京都府出身。
本保氏は、07年7月から国交省総合観光政策審議官、08年10月に観光庁初代長官に就任した。
新省エネ大賞に真庭観光連盟
経済産業省・資源エネルギー庁は12月24日、今年度の「新エネ大賞」に真庭観光連盟(岡山県真庭市)の取り組みを経済産業大臣賞に選んだと発表した。表彰式は15日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行う。
同賞は新エネルギーにかかわる機器の開発やサービスの提供、設備の導入などの取り組みを表彰することで、新エネルギーの普及、促進を図るのが狙い。今回で14回目となる。
学識経験者らで構成する新エネ大賞審査委員会で審査した結果、応募総数43件の中から経済産業大臣賞2件、資源エネルギー庁長官賞2件など、計11件を選んだ。
同連盟はバイオマス事業による地域作りをテーマに、市や企業などと連携しながら有料バスツアーを実施している。具体的には、地産地消の地域循環型次世代エネルギー利用体系を見学、学習することのできる「バイオマスツアー真庭」として観光ルート化したのが特徴で、北海道から沖縄まで年2千人を超える参加者があるという。
同庁は、「地域内循環社会の構築に向けた取り組みは、他地域への模範的な事例となることが高く評価された」としている。
観光関連団体会長連絡会議、観光立国実現へ提言
提出の様子
観光関係18団体で構成する「観光関係団体会長連絡会議」の舩山龍二議長(日本ツーリズム産業団体連合会〈TIJ〉会長)らはこのほど、辻元清美国土交通副大臣、藤本祐司大臣政務官と会い、「観光立国実現に向けた提言」書を提出した。
提言は、訪日外客2千万人、日本人海外旅行者2千万人、日本人の国内宿泊日数4泊——の達成と、MICE促進に向け、取り組むべき課題を網羅している。
金井耿・日本旅行業協会会長、津田暁夫・国際観光日本レストラン協会会長、中村裕・日本ホテル協会会長らも同行し、両氏と面談した。
訪日外客2千万人を達成するため、キャッチフレーズやロゴの刷新を求めた。現在の「YOKOSO!JAPAN」については、YOKOSO(ようこそ)という日本語を使っているため、「外国人にとっては何を表しているのかが理解しにくい場合がある」として、各国の観光キャッチフレーズを示した上で、刷新すべきだとした。
また、中国人の訪日観光を促進する必要性を指摘し、(1)個人観光ビザの要件緩和(2)個人観光ビザ取扱指定旅行会社(現在47社)の拡大(3)有効期間内であれば何度でも訪日旅行が可能な数次観光ビザの創設──を挙げている。
国内宿泊日数4日の達成に向けては、休暇制度の改革を訴えた。提言は労働者1人当たりの平均有給取得率が約48%にとどまり、また、盆や年末年始など限られた時期に休暇が集中するため「国民がゆとりある休暇を過ごす上で大きな制約が生じている」と強調。その上で、年次有給休暇が完全取得できるよう法制度を見直すとともに、学校休業の多様化、休暇取得促進にインセンティブを与える、生徒・児童対象の「バカンス・チケット制度」や観光・旅行に関する税制優遇策の検討を要請。
国内観光旅行の振興では、「官民を挙げた国内旅行促進キャンペーン」を大々的に行うとした。
MICEについては、諸外国がレセプション会場として城や宮殿、博物館などの公共施設が「ユニークベニュー」として提供されていることを踏まえ、東京国立博物館をユニークベニューのモデルケースとして積極的に活用するよう提言している。
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