「わが国のサービス産業は製造業と比較しても、そして諸外国と比べてもその生産性の伸び率が低い」と著者。現在のサービス産業が生産性向上に向けて行っているさまざまな取り組みを現地調査。宿泊、交通、医療、食事、医療、小売の各サービスの歴史を振り返りながら現状を明らかにし、さらにサービス産業がどのようなメカニズムで進化しているのかを示している。
宿泊サービスでは、先進的な事例として加賀屋や湯元館、リッツカールトン、阿寒グランドホテルなどを紹介しており、各施設のサービス手法や顧客の獲得法も学べる。例えば加賀屋や阿寒グランドホテルでは、客に合わせた良質のサービスを提供するため、客室係が客との会話から得た情報を組織的に集中管理。副支配人や支配人などのスタッフに情報が行き渡り、高い顧客満足度を維持する。
サービスの研究かだけでなく、実務に携わる人も読者として想定した。
価格3500円。全238ページ。問い合わせは生産性出版(TEL 03・3409・1133)