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地域観光 ■第2549号《2010年2月13日(土)発行》  

弘前など3市が歴史まちづくり計画認定
 弘前市(青森県)、水戸市(茨城県)、長浜市(滋賀県)は4日、国土交通、文部科学、農林水産の3省から、「歴史まちづくり法」に基づき策定したまちづくり計画の認定を受けた。同法は地域固有の歴史的な魅力を生かしたまちづくりを支援するもので、2008年11月の施行以来、計画の認定は全国で15地域となった。3市では補助事業などを導入し、歴史的な建造物の保存や景観の整備などの施策を推進する。

 歴史まちづくり法の正式名称は、「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律」。計画の認定を受けると、補助事業などの支援メニューが活用できる。建造物や景観の整備といったハード事業だけでなく、伝統的な行事の保存活動、伝統産業の後継者育成などソフト事業にも生かせる。関係法令の特例措置なども受けられる。

 今回認定を受けた弘前市は、計画期間が09年度〜2018年度の10カ年で、弘前城下町地区約395ヘクタール、岩木お山参詣地区約34ヘクタールを重点地区に設定した。弘前城が築城から400年を迎えるのを契機に本丸石垣の改修、鷹揚公園の整備を行うほか、伝統工芸「津軽塗」の後継者育成など17事業を行う。

 他の2市では、水戸市が偕楽園などを含む約1160ヘクタールを重点地区に、八幡宮の拝殿や幣殿の保存修理、偕楽園周辺の電線共同溝整備などを実施する。長浜市は、豊臣秀吉が築いた城下町・旧長浜町など約61ヘクタールを重点地区に、町並みと調和した町家、店舗などの保存事業を行うほか、長浜曳山祭の伝承活動を支援する。

 これまでに計画の認定を受けた地域は以下の通り。金沢市(石川県)、高山市(岐阜県)、彦根市(滋賀県)、萩市(山口県)、亀山市(三重県)、犬山市(岐阜県)、下諏訪町(長野県)、佐川町(高知県)、山鹿市(熊本県)、桜川市(茨城県)、津山市(岡山県)、京都市(京都府)。



新幹線延伸、青森と鹿児島が連携
両県知事が誘客をアピールした

 青森県と鹿児島県は5日、東京の品川プリンスホテルで共同キャンペーンイベント「つなグッど!青森・鹿児島 『2倍満足フェスタ』」を開いた。共に新幹線全線開業を控えて観光誘客などへの機運が高まっていることから、「新幹線全線開業」をキーワードにした共同PRを行うことで、より強力な情報発信を狙った。両県知事らはそれぞれ、首都圏の旅行業関係者やマスコミ関係者らに観光スポットや郷土の食文化を熱心にアピールし、誘客への協力を求めた。

 冒頭、青森県の三村申吾知事、鹿児島県の伊藤祐一郎知事は、固い握手を交わしてイベントの開会を宣言。続いてそれぞれプレゼンテーションを行って観光素材を紹介した。三村・青森県知事は、「自然も食もいいがとにかく『人』がいいのが青森。来てもらえば必ず心がほっと温まるはず」と強調。伊藤・鹿児島県知事は「鹿児島県には手つかずの自然など、素材そのものの力強さや高い質を持った『本物』があふれている」と話し、桜島、西郷隆盛、スパ(温泉)など、同県を代表する自然や人物の魅力をアピールした。

 イベントでは両県出身者によるトークショーも実施。登壇した青森県出身でレスリング選手の伊調馨さんと鹿児島県出身でシンガーソングライターの辛島美登里さんはそれぞれの県の食べ物や酒の魅力を語った。また伊調さんは「新幹線延伸で、青森全域を楽しんでもらえるようになるのはうれしい」、辛島さんは「飛行機は速く便利だが、『点』の移動のイメージ。日本は青森が雪の一方で、鹿児島は菜の花が咲いているなど、大きく景色が変わるが、新幹線を使えば、その季節のグラデーションを楽しめる」と新幹線延伸への期待感を語った。

 このほか見並陽一・JR東日本常務取締役、町孝・JR九州常務取締役がそれぞれ応援メッセージを送った。



三重、新しい切り口で魅力PR
レースクイーン、海女さん、ご当地キャラ達と三重県をPRする野呂知事(中央)

 三重県は4日、東京・文京区の椿山荘で旅行会社とメディア向けのイベント「三重県観光発表会・交流会」を開いた。県側からは観光局、観光連盟、市町、各観光事業者から180人が参加。約40団体が観光PRブースを出展した。

 集まった旅行会社、メディアは325人。総勢500人超の一大イベントとなった。

 観光発表会では鳥羽若女将「うめ蕾会」、榊原温泉女将の会「糸さくら」の女将らが「美し国三重(うましくにみえ)」の新PRポスターを紹介。辰己清和観光局長はあいさつで「今年は60年に一度のお陰参りの年である『おかげ年』。伊勢神宮の参詣客数は昨年798万人だったが、今年は1月で223万人を記録し、昨年を上回るペースで伸びている」と話した。

 野呂昭彦知事は「伊勢神宮はいま“パワースポット趦として若い女性に人気がある。四日市市のスタミナ豚ステーキ『四日市とんてき』、津市のッ巨大揚げ餃子『津ぎょうざ』、たこかつや伊勢エビコロッケをはさんだ鳥羽市のご当地ハンバーガー『とばーがー』など、B級グルメも盛り上がってきている」と述べ、新しい切り口での観光の魅力をアピールした。

 三重県は09年度から「美し国三重」のキャッチフレーズでの観光PRを開始。14年度までの6年間、継続展開する計画だ。



九州の3市、集客拡大で連携
3市の市長が集まったオープニングセレモニー。ロゴマーク等を発表した

 鹿児島、熊本、福岡の3市は5日、ホテルグランヴィア大阪(大阪市)で「鹿児島・熊本・福岡三都市連携大阪プロモーション」オープニングセレモニーを開いた。3市の市長が出席し、新しい九州の旅の幕開けをイメージしたキャッチフレーズ「さ、新九州へ。」やロゴマーク「ドラマチック・ゲートウェイ九州」などを発表した。

 2011年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業で、新大阪から鹿児島中央駅までが直通運行される。関西からの旅行者の増加が期待される。

 3市は、九州全域の一体的な発展につなげようと、08年8月に交流連携協定を締結。連携事業の一環として、今回、3市の持つ観光と食の魅力をPRした。

 セレモニーでは、3市が観光振興への取り組みを紹介した。鹿児島市の森博幸市長は「新幹線の発着駅である鹿児島中央駅から、海の玄関である鹿児島本港までの間にある中心市街地に『歴史ロード』や観光テラスなどを整備し、回遊性のある街づくりを進めている」と述べた。

 福岡市の吉田宏市長は「一般から公募した福岡発着の体験型、まち歩き型のツアー『福たび』を設定した。福岡の食、自然、歴史をテーマに55のコースを設けた。外国人観光客用への対応として三者通話できる電話も用意している」。

 熊本市の幸山政史市長は「熊本城の桜の馬場地区に歴史文化体験施設、レストランなどの整備を進めている。農産物、食も満喫してほしい」などとPRした。



熊本県知事、自ら県産品をアピール
蒲島郁夫知事がアピール

 熊本県は8日、東京・品川の御殿山ガーデンレストランで、県産の農林水産物を「くまもとの宝」としてPRする試食会を開いた。食品流通の関係企業など約50社を招待。蒲島郁夫知事が「くまもとあか牛」をはじめとする食材を自ら売り込んだ。味の良さ、品質の高さを知ってもらい、“熊本ファン”の獲得に努めた。

 会場には、赤身のうまさが特徴のくまもとあか牛のステーキをはじめ、大型の地鶏「天草大王」の香草焼きや寒ブリの照り焼きなどの料理が並んだ。地酒や地サイダーのほか、郷土料理のからしレンコンやコノシロの姿ずしなども紹介した。

 マイクを握った蒲島知事は「くまもとの宝である農林水産物を多くの人に味わってもらいたい」と訴えた。

 同県では2月中、東京都内の地下鉄、東京メトロと都営線の全線に広告を出し、県産品のPRを展開している。



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