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地域観光 ■第2553号《2010年3月13日(土)発行》
埼玉県と秩父鉄道、サイクルトレインを本格運行
自転車をそのまま持ち込むことができる
埼玉県の秩父、長瀞などの観光地を走る秩父鉄道は6日、ダイヤ改正に合わせ、自転車を車内に持ち込める「サイクルトレイン」の本格運行を始めた。長瀞〜三峰口間(25.2キロ)を平日昼間に運行する列車のほとんどで利用できる。土曜と休日の昼間も、御花畑〜三峰口間(12.0キロ)に限定して利用が可能だ。沿線住民の利用のほか、サイクリング旅行など観光の活性化も期待される。
自転車10台以上の団体でない限り、事前申し込みは不要。特別な料金はかからない。自転車を折りたたんでバッグに収納する必要はなく、そのまま持ち込むことができる。
平日は上り列車の15本、下り列車の13本。土曜・休日は上りの12本、下りの14本が対象。いずれも先頭車両に乗車できる。乗降駅は8駅。ゴールデンウイークなど混雑が予想される一部日程は利用できない。
秩父鉄道は、埼玉県と連携し、昨年12月から御花畑〜三峰口間でサイクルトレインの試験運行を実施した。2カ月間で延べ179台の利用があり、「観光や買い物に便利」「運行区間を延長してほしい」などの声も寄せられたという。利用者に好評で、車内でのトラブルもなかったことから本格運行することにした。
7月から「瀬戸内国際芸術祭」始まる
瀬戸内国際芸術祭のチラシ
香川と岡山両県にある瀬戸内海7つの島と高松市を舞台に7月19日から10月31日まで、「瀬戸内国際芸術祭2010」が開催される。主催は同実行委員会。今年を第1回目とし、3年ごとの開催を目指す。
同芸術祭は、舞台となるそれぞれの島で育まれてきた民俗、芸能、祭り、風土記と現代アートを交錯させ、瀬戸内海の魅力を世界に発信するプロジェクト。同プロジェクトにより、瀬戸内海の島々に活力を取り戻し、瀬戸内海が「希望の海」となることを目指す。
舞台となる7つの島は、島の生活に現代美術が同居する直島、豊かな自然に恵まれた豊島、桃太郎伝説が残り、別名鬼ヶ島とも呼ばれる女木島、急峻な土地に屋根瓦がひしめく男木島、江戸時代から続く伝統と産業が息づく小豆島、国立療養所がある大島、そして大正時代の巨大な産業遺跡が残る犬島。全く異なる個性を持つ島々を舞台に、現代芸術、建築、演劇などのアート活動を展開する。
会場となる島々へのアクセスは、高松港(香川県)を基点に、フェリーや旅客船で渡る。一部の島へは、宇野港(岡山県)からも渡ることができる。
高円宮殿下記念賞に早池峰神楽保存会
地域伝統芸能活用センター(中村徹会長)は5日、伝統芸能の保存や継承をはじめ、伝統芸能の観光への活用などに貢献した団体や個人を表彰する2010年度各賞の受賞者を発表した。高円宮殿下記念地域伝統芸能賞には、早池峰神楽保存会(岩手県花巻市)を選んだ。
高円宮殿下記念地域伝統芸能賞のほか、地域伝統芸能大賞では、保存継承賞に魚津たてもん保存会(富山県魚津市)、活用賞に新居浜市太鼓祭り推進委員会(愛媛県新居浜市)、支援賞に龍踊りの龍体の製作者・田中常治氏(長崎県長崎市)、地域振興賞に新潟市民謡連盟(新潟県新潟市)。また、地域伝統芸能奨励賞には、民謡の歌唱や保存育成に努める福田廣平氏(岩手県盛岡市)を選出した。
高円宮殿下記念地域伝統芸能賞を受賞した早池峰神楽保存会は、国指定の重要無形民俗文化財、早池峰神楽の保存、継承、振興に尽力してきた。早池峰神楽は、「大償」「岳」の2つの神楽座の総称。その起源は南北朝時代にまでさかのぼり500年以上の伝統があると言われている。後継者不足の危機などを乗り越え、09年9月にはユネスコの無形文化遺産の代表リストにも登録された。
地域伝統芸能大賞の魚津たてもん保存会は、毎年8月の第1金・土曜の2日間、諏訪神社で勇壮、華麗に行われるたてもん祭りを地域と一体で保存、継承している。豊漁と航海安全を祈願して供え物を神前に奉納するのが起源で、長さ16㍍の柱を中心に船の帆のように80〜90個の提灯を飾り付けた「たてもん」を威勢よく引きまわす。「じゃんとこい魚津祭り」の一環として県内外から多くの観光客を集めている。
新居浜市太鼓祭り推進委員会は、市議会、連合自治会、商工会議所、観光協会などで構成し、太鼓台の運行や観光客を歓迎するイベント開催を担い、行事の観光資源としての活用に努めている。太鼓祭りの開催は毎年10月で51台の太鼓台が参加する。瀬戸内海沿岸にある数多い太鼓台の中でも勇壮華麗な男祭りとして全国に知られている。
表彰式は9月25、26の両日、新潟市で開催する地域伝統芸能全国フェスティバルの中で行われる。受賞者らによる公演も予定されている。
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