帝国データバンクが3月に行った全国企業対象の景気動向調査によると、同月の景気動向指数(景気DI=0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比2.1ポイント増の28.8で、3カ月連続で改善した。業界別では10業界すべてが9カ月ぶりに改善したほか、小売業、製造業がリーマン・ショック時を上回る水準まで改善。「国内景気はいまだぜい弱であるものの、踊り場局面を脱して着実に回復を続けている」(帝国データバンク)。
調査は全国の企業2万1882社を対象に行い、1万870社から回答を得た。有効回答率49.7%。
全体の景気DIはリーマン・ショック時(08年9月、29.3)の水準に戻っていないが、02年5月の調査開始以来最低だった昨年2月(18.6)から10.2ポイント改善した。「外需だけでなく、政策的な消費喚起や緩やかな自律回復の動きにより内需も幅広く底上げされた」(帝国データバンク)。
業界別では、小売が29.3で、前月比2.6ポイント増。3カ月連続の改善で、リーマン・ショック時(27.8)を上回る水準まで底上げされた。政策的な消費喚起で「自動車・同部品小売」「家電・情報機器小売」が大きく改善。緩やかな自律回復の動きも表れ始めたことで「家具類小売」「繊維・繊維製品・服飾品小売」「飲食料品小売」も改善した。
製造は31.0で、同2.8ポイント増。昨年春先の景気底入れ後の最高を大きく更新して30台を回復。小売同様、リーマン・ショック時(30.9)の水準を上回った。好調な外需や政策的な内需の底上げで「化学品製造」「電気機械製造」「機械製造」などが改善した。
建設は23.5で、同1.0ポイント増。3カ月連続で改善したが、民間設備投資の抑制や公共事業の縮小で、10業界中、9カ月連続の最低となった。
企業の規模別では、大企業が同2.1ポイント増の30.0、中小企業が同2.2ポイント増の28.5、小規模企業が同1.9ポイント増の25.9。3カ月連続で全規模が改善した。
地域別では、10地域すべてが3カ月連続で改善した。南関東は30.2で、同2.3ポイント増。前月に続いて10地域中の首位となり、リーマン・ショック時(30.6)以来、1年6カ月ぶりに30台に回復した。10地域中の最低は北海道の25.0。