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旅館・ホテル ■第2559号《2010年4月24日(土)発行》  

トップツアー旅ホ連、10年度は温泉MICEなど推進
会員を前にあいさつする伴会長

 トップツアー協定旅館ホテル連盟(伴久一会長、1679会員)は今年度、旅館施設へのMICE誘致や各旅館・ホテルの特徴や魅力をPRする冊子を作成するなどの新たな取り組みを進める。地域支部、連合会単位での宿泊券拡販に向けた活動などの従来の活動と合わせ、積極的に旅ホ連の事業を展開していく考えだ。

 13日に東京都千代田区の九段会館で開いた10年度の本部総会で決めた。

 10年度の新事業では、個々の旅館・ホテルの特色をまとめた冊子「旅館・ホテルの特色PR冊子」を作成する。各施設の特色を明記した冊子を作成することで、トップツアー社員が旅行を販売する上で、顧客ニーズに合った会員施設を提案しやすいようにする。このほか「個人旅行・SIT委員会」などのテーマ別の中央委員会や、若者の旅行動機づけなどを研究する「旅館価値開発チーム」などでの、会社と協力しての意見交換や研究、商品開発などにも取り組む。

 今回の総会は、初めて旅ホ連としての活動スローガンを掲げての開催となった。冒頭あいさつした伴会長は、制定したスローガン「届けよう 地域の宝を商品にして」「広めよう 旅館の魅力を」「提言しよう さまざまな改善を」に触れ、「変化が速く、厳しい状況が続く時代ではあるが、スローガンを旗印に会員の皆さんと難局を乗り越えていきたい」と力強く話し、ウェブ販売への注力や温泉旅館でのMICE実施など、今年の連盟本部事業を強力に推進することへの意欲を示した。

 総会にはトップツアーから石川邦大社長のほか、水村祐一・常務執行役員旅行営業本部長兼旅行業務本部長らが出席。石川社長は就任以来取り組んできた専門的な旅行商品の提案と顧客満足度向上について一定の成果が出ているとしたうえで、「『顧客満足度ナンバーワン』は旅ホ連会員の協力なくしては実現できない。今後とも当社事業への理解と協力をお願いしたい」とあいさつした。

 新任役員は次の通り。

 【連盟本部副会長】野田譲二・九州支部連合会会長(鹿児島・指宿フェニックスホテル)

 【連盟本部常務理事】金行正義(北海道・阿寒リゾートホテル阿寒湖荘)、渡辺久(福島・山根屋旅館、櫻井丘子(群馬・ホテル磯部ガーデン)、金子基文(滋賀・琵琶湖グランドホテル)、永山久徳(岡山・鷲羽山下電ホテル)

 【会社側新任理事】伊藤肇(首都圏ブロック長<さいたま支店長>)、太地悦雄(中部ブロック長<名古屋支店長>)

 【支部連合会役員】北海道支部連合会副会長=金行正義(阿寒リゾートホテル阿寒湖荘)、小野友勇喜(北海道・絶景の湯宿洞爺湖亭)、関東支部連合会会長=川合健次(静岡・海のホテルいさば)、関西支部連合会会長=金子基文(滋賀・琵琶湖グランドホテル)、同副会長=沼田久博(和歌山・白浜温泉むさし)、吉井啓二(兵庫・夢乃井)、中国支部連合会会長=宮川力(山口・西の雅常盤)、同副会長=永山久徳(岡山・鷲羽山下電ホテル)、梅林保雄(広島・宮島ホテルまこと)



全旅連女性経営者の会総会、会員拡大に力
清水会長

 全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)の女性経営者の会(JKK、清水美枝会長=埼玉県・小さなホテルセラヴィ)は14日、東京の全国旅館会館で22年度総会を開き、4つの委員会活動や、会員の拡大運動を継続推進するなど、今年度事業計画を承認した。

 委員会は会員の参加意識を高めることなどを狙いに昨年度から立ち上げ。「総務財務」「広報IT」「エリアスタディー」「研修」の各委員会で構成。広報IT委員会はホームページなどでの会の情報発信、エリアスタディー委員会は地域の活性化活動や元気な宿の研究、研修委員会はセミナーの設営、総務財務委員会は総会、役員会の設営などを行っている。

 会では会員の拡大運動を引き続き行い、47都道府県すべてから会員の輩出を目指す。現在の会員数は49人で、25道府県から会員を輩出している。

 就任2年目を迎える清水会長は「会長就任時の所信で『元気・勇気・信頼・団結』を活動テーマに挙げたが、会員同士の信頼関係がさらに深まっていると実感している。(会員の)施設の規模は違っても、目指すところは同じ。今期はより強い組織の絆づくりを目指したい」とあいさつ。

 来賓から全旅連の佐藤信幸会長、JKK顧問を務める全旅連の小原健史前会長があいさつした。

 JKKは女性経営者の経営に関する知識の向上などを目的に平成16年に発足。専門家を招いての研修会・勉強会や、メーリングリストを通じての会員同士の情報交換を行っている。

 今年度は7月7、8日に山口県湯田温泉で定例会、9月28、29日に長野県長野市で会員以外も参加できるオープンセミナーを開催。7月の定例会ではJKKの小原顧問が「強く、やさしく、美しい旅館ホテルの経営」をテーマに講演。9月のオープンセミナーでは長野県戸倉上山田温泉旅の宿滝の湯の武井功氏と、同県千曲市漬物屋木の花屋女将の宮城恵美子氏が「観光と地域の連携」をテーマに講演する。

勉強会で旅館の法律問題学ぶ
 総会に続いて弁護士の三浦雅生氏を招き、勉強会を行った。「旅館・ホテル業界における法律相談」をテーマに、実際に旅館で起こった顧客とのトラブルの解決事例などを説明した。



カーター大統領泊まった宿が再生法適用を申請
 帝国データバンクによると、静岡県下田市の清流荘(資本金8200万円、田中亜樹代表、従業員25人)は14日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請、同日保全命令を受けた。負債は約3億円。

 同社は1939年6月設立。下田蓮台寺温泉にある純和風の高級温泉旅館。79年にカーター米大統領(当時)が宿泊したことで知名度が上がり、風趣のある施設として格式の高さを売りにしていた。

 また、欧米を中心にホテルやレストランが加盟する国際組織、ルレ・エ・シャトー協会(パリ)にアジアで初めて加盟、国内外の顧客ニーズにも対応できるサービスを念頭においた経営を進めていた。

 しかし、同業他社との競争激化や長引く不況の影響を受け、来客数が減少し稼働率が低下、09年5月期の年収は3億円程度に落ち込み、赤字経営が続いていた。設備投資に伴う借り入れ負担も重荷となる中、取引金融機関との折衝で借入金の圧縮を進める一方、収益の改善や運転資金確保に努めていたが、結局、支え切れずに今回の措置となった。

 スポンサーとして、丸和通運(東京都荒川区)が支援を表明しているという。



日本の宿おもてなし検定、受験受付中
 日本旅館の接遇サービスの向上と業界の人材育成を目的とした「日本の宿おもてなし検定」の第2回初級・第1回中級試験が6月25日から7月15日までの期間、ウェブ上で実施される。受験対象は旅館・ホテル従事者と、職業として目指す人。6月6日まで受験の申し込みを受け付けている。

 主催するのは、国際観光旅館連盟、日本観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会、JTB協定旅館ホテル連盟などが設立した「日本の宿おもてなし検定委員会」(委員長=小口潔子氏)。観光経済新聞社が後援している。

 試験は、初級、中級ともそれぞれの公式テキストから60問を出題。正解率80%で合格し、合格証と合格バッジが贈られる。受験料(税込み)は初級が3千円、中級が3500円。

 詳細に関しては公式ホームページで。


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