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地域観光 ■第2562号《2010年5月22日(土)発行》
北前船ルート巡る歴史ツアーが実現
江戸中期から明治期にかけて北海道と大阪などを日本海回りで結び、物流の大動脈を担った北前船のルートを巡る歴史ツアーが6月に実現する。小樽観光協会などで構成する現代版北前船プロジェクト実行委員会の主催で、関係者や一般市民など約50人が参加する。実行委員会では、今回のツアーを活動の第1弾として、「北前船のフロンティア精神を確認し、日本海地域間の人や物産など各種交流を盛り上げたい」と意欲を示している。
歴史ツアーは、先祖が近江の北前船船主にあたる京都出身のチェンバロ奏者、明楽(あけら)みゆきさんが、札幌に住み道内各地で演奏活動をするうちに先祖との縁を感じて発案した。
共鳴した小樽観光協会の真田俊一会長をはじめ札幌、小樽の関係者などが中心になって実行委員会を立ち上げ、秋田在住の北前船研究家、鐙(あぶみ)啓記さんの協力も得てツアーを企画した。実行委員会には、道や国、訪問先の京都などの関係機関も参加している。
ツアーは6月2日に小樽を出発し、4泊5日の日程で舞鶴や京都など5市を巡る。往路は新日本海フェリーの定期便を使い、船内で鐙さんの歴史講話や明楽さんの演奏などさまざまなイベントが行われ、食事もニシンを使った群来そばや魚介の特別メニューが提供される。3日夜、舞鶴に到着後、宮津、小浜などの回船業の旧家や北前船屋敷を回り、京都の寺社なども見学して6日に空路で戻る。
日本海の富と文化を運んだ北前船を再現しようという活動は以前からもあり、25年前の1986年には、江戸後期の豪商高田嘉兵衛の船を復元した北前船「辰悦丸」を淡路島から道南の江差町に回航。昨年8月には、青森市で復元された北前船「みちのく丸」の函館回航が行なわれた。また、2007年からは各地持ち回りによる北前船寄港地フォーラムも開催されている。
長野県、旅行会社に信州DCをPR
信州・長野県観光協会は17日、東京都内で、旅行会社の商品造成担当者らを対象に「旅行商品商談会」=写真=を開いた。10月から始まる信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)の概要や着地型旅行商品などを説明、一層の送客を求めた。
会には旅行会社や観光関係団体関係者など約80人が出席した。同県のDCは過去3回実施されており、長野五輪が開かれた98年以来となる。今回は、「未知を歩こう。信州」をテーマに3カ月間実施される。
都市圏に住む女性および中高年層をターゲットに、新しい信州の魅力や歩く旅行スタイルなどを提案し、宿泊滞在型観光地の定着を目指す。
商談会では「泊まって熱気球体験プラン」(佐久市)や「高級旅館で現代懐石&お座敷芸能」(山ノ内町)など、市町村が独自に造った商品を紹介した。商品価格や販売手数料の有無なども記載しており、旅行会社にとっても造成の参考となりそうだ。
兵庫・たけの観光協会の天然塩菓子が人気
「誕生の塩」を使った商品
兵庫県豊岡市のたけの観光協会(岩井美晴会長)が販売している地元産の天然塩を使用した菓子が人気を呼んでいる。同協会などが行っている体験型ツアーの塩作りが好評だったことから、同協会が隣接の京丹後市や新温泉町の製造業者と協力し、10種類のお土産品を開発したもの。
天然塩は、同協会が08年2月に竹野海岸の近くに開設した、製塩体験施設「誕生の塩工房」で製造。「誕生」という近くの地名にちなみ、「誕生の塩」と名付けた。
最初は塩炊き釜は1基だったが、同工房での手作りの塩の人気が高まり、生産が間に合わなくなったため、今年3月に倍の大きさの300リットルの釜を1基増設。1日に5キロの製塩が可能になった。
商品はまんじゅう、きんつば、羊かん、サブレなど10種類。後味にほんのり塩の風味が残る羊かん「塩の舞」やしっとりした餡を薄皮で包んだ一口サイズの「蒸しきんつば」など、いずれも天然塩の持つ独特の甘さが感じられると好評だ。
町内の旅館、ホテル、民宿などで販売。天然塩「誕生の塩」を使った料理も旅館、ホテルなどで提供されている。
観光協会の岩井会長は「竹野といえば塩というイメージが浸透しつつある。塩そのものを土産品として買い求める観光客も多い。味も良く、とても好評で製造も間に合わないほど。関係者も嬉しい悲鳴を上げている」と話している。
GWの温泉宿泊客は3%減 群馬県調べ
群馬県はこのほど、ゴールデンウイーク(GW、4月29日〜5月6日)の人出をまとめた。それによると、22カ所の観光地の観光客数は76万1362人となり、前年より11.4%増となったものの、9カ所の温泉地の宿泊客数は3.1%減の32万3179人にとどまった。昨年よりも1日休みが少なかったことなどが影響したと見られる。
4大温泉地の宿泊数を見ると、草津が5%減の13万2351人、伊香保は8.1%減の8万3700人、水上が13.3%増の5万2218人、四万は4.8%減の2万744人。
県は温泉地の状況について、「1〜4日は満室に近い状態。特に2、3日は稼働率が100%の温泉地が半数に上った。一方、後半の飛び石連休は通常の平日、土日と変わらず、宿泊客が伸びなかった」という。
22施設の中で最も人出が多かったのはつつじが岡公園(館林市)の20万5557人だった。次いで太田市北部運動公園(太田市)の9万6300人、ぐんまこどもの国(同)6万341人の順だった。
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