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地域観光 ■第2564号《2010年6月5日(土)発行》  

口蹄疫、観光に飛び火

 宮崎県で広がる家畜伝染病、口蹄疫(こうていえき)問題が観光にまで飛び火しつつある。宿泊や宴会のキャンセル、イベントの延期・中止、観光施設の休園といった動きが出てきている。人への感染はないとされる口蹄疫だが、過剰に反応し、宮崎への旅行を控える一方、人がウイルスを運ぶ媒介となる恐れがあるため、予防措置として動物との接触を制限する施設も見られるからだ。「影響が確実に出ている。1日も早い終息宣言を願うばかりだ」と観光関係者は力を込める。

 5月18日、東国原英夫知事は非常事態宣言を発令。みやざき観光コンベンション協会はホームページ上で「観光等でご来県のみなさまへも、車の消毒や空港等での消毒マットによる靴底の消毒や手洗い、うがいの励行にご理解とご協力をお願いいたします」という文章を掲載した。

 「肌感覚だが、観光面への影響は確かにある」と同協会。県の観光推進課も「イベントの取りやめや、旅館・ホテルから予約が入って来ないという声を聞いている」と認める。

 宮崎市ホテル旅館組合によると、宣言以後、6日間の宿泊キャンセル人数は市内のホテル16軒だけで1万人を超えた。「その後も猛烈な勢いでキャンセルが続き、予約はほとんどない状態」と冨森信作組合長はいう。

 同22日、宮崎市で開催予定だった食のイベント「街市」の中止が決定。23日にはテーマパーク、サンメッセ日南が入園制限に踏み切った。国内外の団体客(15人以上)が対象。このほか、同市のフェニックス自然動物園、小林市のコスモス牧場なども休園。期間はいずれも「当面の間」とし、再開の見通しは立っていない。

 現段階で終息の見通しはたっておらず、観光関係者の不安は募る一方だが、「宮崎に来ていただいているお客さまに対して心からの感謝とおもてなしをすることこそが今は大切」と冨森組合長は強調する。

◇   ◇   ◇   ◇   ◇


 全日本空輸(ANA)は5月20日、日本航空(JAL)は同21日、それぞれのHP上で、宮崎空港発着の国内航空券について、特別対応をとることを発表。同21日までに発券された6月18日搭乗分の航空券の払い戻しや同一区間での別便への変更を手数料なしで受け付けることとした。両社によると、払い戻しや変更の申し込みの動きは見られるものの、いずれも件数は少ないという。

 JALツアーズによると、同社が取り扱う宮崎発着の旅行について、同26日時点で、個人型旅行で約80人、団体型旅行で約180人のキャンセルが発生。「個人型は宮崎発、団体型は宮崎着でキャンセルが多い」(マーケティング室)。

 ある旅行会社が取り扱う県内の学校の修学旅行は、北海道での牧場体験などを含むことから、口蹄疫の感染拡大を懸念して延期に。「日帰りや1泊での研修旅行や遠足なども含めれば、取り扱い延期や中止は把握しきれない」と困惑を隠さない。風評被害の拡大も懸念する。

 7月3〜5日に宮崎市で開催される世界的なフラダンス大会「モク・オ・ケアヴァ・インターナショナル・フェスティバル」の日本大会を取り扱うKNT。同社は宮崎発着の旅行キャンセルでは大きな影響は受けていないものの、大規模なフラダンス大会を控え、今後の動向を注視する。




五泉市咲花観光協会、着型観光プログラム提供
 新潟県五泉市の五泉市咲花観光協会(会長=森田克彦・碧水荘社長)はこのほど、咲花温泉に滞在する宿泊者に、地域の自然や歴史、文化に触れてもらう着地型観光プログラムの提供をスタートさせた。新潟県観光協会、じゃらんリサーチセンターの協力のもと、一般市民が参加する「旅づくり塾」の中で企画内容を考えた。室町時代に開かれた慈光寺での座禅と精進料理の体験、湧水からつくる地酒の酒蔵見学など、地域の資源を生かした8プログラムがある。

 咲花温泉は、湯花が噴出していたことに由来する温泉で、美肌にも効果が高いと言われている。また、五泉は豊富な湧水が育む自然、村松藩の城下町として栄えた歴史や文化が息づく。プログラム内容に関しても、市民の意見を取り入れながらこれらの地域資源を生かした。

 慈光寺では、約3時間の所要時間で座禅や講話写経、精進料理が体験できる。南北朝時代の武将、楠木正成の直孫の傑堂能勝禅師が開山した由緒ある寺だという。

 湧水を使った地酒の清酒「菅名岳」の仕込み工程を酒蔵で見学できる体験は、試飲もでき、酒飴と酒粕のお土産付き。

 このほかに、五泉に生息する絶滅危惧種の淡水魚、トゲソ(イバラトミヨ)をガイドの指導のもとで観察するプログラム、村松城跡などの城下町を散策する歴史ロマンの里ウォーキング、地域の伝説を語り聞かせる紙芝居のプログラムなどがある。

 当面は同観光協会に加盟する8軒の宿が窓口になり、宿泊者に対して観光プログラムを提案する。森田会長は「市民の方々の協力で地域の魅力があふれるプログラムができた。PRに努め、参加者の反応をみながら別の販売手法なども検討していきたい」と話している。



新潟県東京観光センター、5日にリニューアルオープン
 新潟県東京観光センター(東京・表参道)が6月5日にリニューアルオープンする。旅行商品販売カウンターを新たに開設。これまでの観光案内とともに、新潟行きの旅行商品の販売を行う。

 旅行商品として、長岡、柏崎など「越後三大花火」を観覧席で観賞するツアーや、宿泊とJRがセットになった平日限定の割安プラン、月替わりのお薦め旅館プランなどを販売する。

 センターでは旅行業第2種の免許を取得している。

 5、6日にオープニングイベントを開催。5日は午前10時半から関係者による鏡開きと地酒の振る舞い、5、6の両日は新潟県旅館組合女将による抹茶と菓子のサービスを行う。2日間にセンターで旅行商品を契約した人には魚沼産コシヒカリ1キロをプレゼントする。

 場所は表参道・新潟館ネスパス2階。



鹿児島県、関西で都市緑化フェアをPR
京セラドーム大阪でPR

 鹿児島県は5月24日、来年3月の九州新幹線全線開業にあわせて開かれる「第28回全国都市緑化かごしまフェア」(愛称・花かごしま2011)のPRのため、関西地区の報道関係者にキャラバンを実施した。同23日には、京セラドーム大阪で開かれた関西鹿児島県人会総連合会主催の大型イベント「第6回かごしまファンデー」のステージや会場内でもPRした。

 花かごしま2011は県立吉野公園をメーン会場に、3月18日から5月22日までの66日間にわたって開かれる花と緑の博覧会。テーマは「南からの風にのせて〜よかまち、よか花、よか緑」。

 メーン会場には、かごしまスローライフガーデンを設置。鹿児島の懐かしい田舎暮らしの風景「暮らしの庭」、風格ある庭の「さむらいの庭」、ヒーリングガーデンの「おごじょの庭」が作られる。暮らしの庭は、さくらじま大根などの郷土野菜や農具、黒酢の壺などを用いた里の風景。さむらいの庭は、鹿児島の武士が親しんだ庭をモチーフに桜島の借景や枯山水を用いた風格ある庭とする。また、おごじょの庭の中心には深紅のバラの新種「篤姫ローズ」が初めて公開される。



やまなし館がリニューアルオープン
テープカットに臨む(写真右から)野田理事長、横内知事、中井さん、大西社長=1日

 東京・日本橋にある山梨県のアンテナショップ「富士の国やまなし館」が1日、リニューアルオープンした。当日は横内正明知事らによるテープカットが行われ、再スタートを切った。

 テープカットには、1日館長を務めるフリーアナウンサーの中井美穂さんややまなし観光推進機構の野田金男理事長、同館の運営を手がけることになった電通ファシリティマネジメントの大西一史社長が同席した。

 冒頭あいさつした横内知事は「リニューアルを機に、県のPRを一段と強めたい。また“ビタミンやまなし”キャンペーンも一新、メッセンジャーに中井さんを迎えて新たに展開していく」と述べ、積極的な情報発信を強調した。



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