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旅館・ホテル ■第2567号《2010年6月26日(土)発行》  

日観連、総会で9支部再編を承認
日観連の通常総会

 日本観光旅館連盟(近兼孝休会長、3276会員)は16日、東京・新宿の京王プラザホテルで通常総会を開いた。日観連は昭和25年に「国鉄推薦旅館全国連盟」として発足して以来、60周年を迎えた。節目の年にあたり近兼会長は、旅館業の直面する問題の解決に努力する姿勢を改めて強調した。懸案だった地方支部再編の議案も原案通り承認され、9つの「支部連合会」の新体制が正式にスタートすることになった。

 近兼会長は「日観連は記念すべき節目を迎えた。私は日観連が大好きだ。旅館経営は難しい問題も抱えているが、宿の経営者の苦境や次世代の不安などがぬぐえるよう全力で取り組む」と述べ、旅館業の振興、日観連のさらなる発展に向け、会員の団結を求めた。

 地方支部の再編では、旧国鉄の鉄道管理局の単位を継承してきた支部が多かったが、国土交通省の地方運輸局の所管地域を基本にした編成に改めた。25支部から9支部連合会の体制となり、各支部連合会の下部組織として都道府県単位の支部を置く。一部の支部連合会では、下部組織に現行の活動単位を残しながら、徐々に都道府県単位に移行する。

 支部再編は2003年度から推進し、再編支援金なども交付し、北海道と四国はすでに1つの支部になっていた。再編により運輸局や地方公共団体などとの連携をスムーズにし、地方の観光事業を促進するのが目的。また、国際観光旅館連盟とほぼ同様の地方支部体制になったことから、国観連との合併に向けた条件整備が1つ整った形にもなった。

 このほか組織のあり方では、公益法人改革への対応として、日観連の事業目的などを踏まえ、「一般社団法人」への移行に向けて準備を進めることが承認された。

 総会や懇親会には、会員と来賓を合わせて約300人が出席した。

 懇親会では近兼会長と、国観連の佐藤義正会長、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会の野津洋三副会長、日本温泉協会の廣川允彦副会長の4人で日観連60周年を祝うくす玉を開いた。

 総会や懇親会には、藤本祐司国土交通大臣政務官、溝畑宏観光庁長官をはじめ、連立与党でつくる観光振興議員連盟会長の川内博史衆院議員(民主党)、元国家公安委員長の泉信也参院議員(自民党)らが駆けつけた。

 また、60周年記念講演会を開催。JR東日本の松田昌士相談役が「60周年に想う」と題して、観光立国を支える人材育成の必要性などを訴えた。

定期再選考を実施 中国語講座開催へ
 日観連総会では、今年度の事業計画などが承認された。国内旅行の振興や外客受け入れ促進に向けた事業を推進する。

 国内旅行の振興では、ローカル鉄道の旅の推進に向け、JR各社や旅行会社との連携、日本鉄道OB会連合会へのPRなどの方策を探る。また、旅行業との取引で全額支払い保証などが受けられる全旅のクーポン制度を会員に周知する。

 外客受け入れでは、国費などを活用した中国語講座を開催する。日本観光協会の主催の形式で、今月の札幌を皮切りに各地で実施したい考えだ。

 今年度は、3年ごとに行う会員資格の定期再選考を実施する。会員には費用として1万5千円を負担してもらうが、経営環境などに考慮して今回は1万円とする。

 役員の補充選任では本部副会長に東北支部連合会会長の菅野豊氏(福島・郡山、萩姫の湯栄楽館)が就任する。



旅館・ホテルの5月の倒産は7件、負債30億円

 帝国データバンクによると、今年5月のホテル・旅館経営業者の倒産は7件、負債総額は30億7800万円だった。件数は前月、前年同月からともに4件減少。負債総額は前月から6億2400万円、前年同月から49億9500万円、それぞれ減少した。

 倒産件数を月別にみると、5月は2月の6件に次いで、1月と並ぶ今年2番目の低い数字。負債総額も2月に次いで2番目に低い数字となった。

 1月からの累計は、件数が前年同期比8件減の41件。負債総額が同414億2千万円減の230億3300万円。

2件、負債2千万円 5月の旅行業者倒産
 帝国データバンクによると、今年5月の旅行業者の倒産は2件、負債総額は2千万円だった。

 件数は前月から1件、前年同月から4件、それぞれ減少した。負債総額は前月から1億3400万円、前年同月から17億1千万円、それぞれ減少した。

 1月からの累計は、件数が前年同期比3件減の16件。負債総額が同37億1千万円減の12億800万円。



JR旅連、会社と連携で地域観光開発
JRとの連携強化を訴える磯田会長(中央)

 JRグループ協定旅館ホテル連盟(磯田光治会長=宮城県・ホテル松島大観荘、3054会員)は11日、東京のホテルメトロポリタンで通常総会を開き、JR各社と連携して地域の観光開発を行い、宿泊券増売につなげるとする今年度事業計画を承認した。

 JR旅連では北海道から沖縄まで、全国に7つの地域本部を設け、それぞれの地域で観光活性化と宿泊券増売に向けた事業を行っている。

 今年度はJRグループが行うデスティネーション・キャンペーン(DC)に合わせた着地型旅行商品の開発・PR事業、宿泊アンケートの結果に基づいた各施設の品質向上、JR社員の研修受け入れなどを行う。22年度のDCは4〜6月の奈良県、10〜12月の長野県、来年1〜3月の京都市が決定している。

 磯田会長は「観光業界は厳しい状況から脱していない。今までの成功体験を続けても推して知るべし。新しいビジネスモデルを作らねばならない。それはJRグループが行う地域観光開発であり、インバウンド、ウェブ事業だ。JR各社と連携を密にして取り組まねばならない」とあいさつした。



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