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旅館・ホテル ■第2568号《2010年7月3日(土)発行》
あつみ温泉・萬国屋、着型旅行を販売、山形県内初
萬国屋(山形県あつみ温泉、石田照雄社長)は6月下旬から、地元の隠れた名所・名物を旅行者に体験してもらう着地型旅行の販売を始めた。第1弾として、地元産の新鮮な天然岩ガキを味わってもらう宿泊プランを発売した。「観光圏」(日本海きらきら羽越観光圏)にある同館では着地型旅行商品の代理販売が可能で、山形県内の旅館がこのような取り組みを行うのは初という。
プランは7月30〜31日の設定。地元の鼠ヶ関(ねずがせき)港で年1回開催される「天然岩ガキフェスティバル」に参加し、漁が解禁されたばかりの岩ガキなど、採れたての魚介類を味わってもらう。鼠ヶ関産の岩ガキは大ぶりで濃厚な味が特長で、広島や厚岸など有名ブランドにもひけを取らないという。
同プランではこのほか、萬国屋近くの温海岳を専門ガイドの案内でトレッキングする。
料金は宿泊料、ガイド料など込みで大人ひとり1万7900円。
今後の第2弾以降は、地元に長く伝わる能と歌舞伎の観賞プラン、地元特産の赤かぶ収穫としな織り製作体験プランなどを販売する。
同館は全国45カ所に整備されている観光圏のうち、「日本海きらきら羽越観光圏」にあり、旅行業法上の特例として、圏内を目的地とした着地型旅行商品の代理販売を行える。今回は地元旅行業の庄交トラベルの商品を販売する。
日本温泉協会、飯坂温泉で総会開催
約160人が出席(中央は滝会長)
日本温泉協会(滝多賀男会長、約1600会員)は6月22日、福島・飯坂温泉の吉川屋で会員総会を開いた。会員ら約160人が出席し、温泉地の活性化と温泉文化の継承を誓い合った。
式典の冒頭、渡辺和裕・福島市観光物産協会会長が県の観光PRを兼ね歓迎の祝辞を行った。
滝会長は温泉排水や地熱問題など、当面する課題に積極的に取り組む姿勢を強調するとともに、「ヘルスツーリズムの動きを視野に入れた滞在型温泉地の体制作りが重要だ」と述べた。また、綿抜邦彦・学術部委員長は「世の中にアピールする部でありたい」と語り、部の有効利用を呼びかけた。
石原洋三郎衆院議員や大庭一夫・自然環境整備担当参事官補佐らが来賓あいさつした。
役員人事では常務理事に日本政府観光局の中西陽典、国立公園協会理事長の油井正昭、理事に白浜町長の水本雄三の各氏を選任するとともに、経理担当理事に佐藤好億副会長が就いた。
事業計画では、(1)80周年記念誌の刊行(2)会員拡充と事業見直しによる財政健全化(3)公益法人制度改革を踏まえた組織のあり方の検討──を重点目標に据え、インターネット予約システムの構築の検討などに取り組む。
来年の会員総会は山梨県甲府市の湯村温泉で開催する。
総会後、環境省と観光庁による行政講演、また学術部委員の酒井幸子・群馬県温泉協会常務理事が「温泉の排水問題について」をテーマに記念講演した。
日旅連塾開講、若手経営者の意識向上へ
活発な情報交換が行われた第2回日旅連塾
日本旅行協定旅館ホテル連盟(日旅連、根津文博会長=北海道・御園ホテル)は6月22、23日、東京のホテルメトロポリタンエドモントで第2回日旅連塾を開いた。日旅連本部の営業推進委員、支部連合会の若手経営者ら100人が受講。日本旅行の営業戦略や地域観光振興、旅館ホテル経営戦略の各テーマを専門家が講義した。
塾は「日旅連の組織価値向上」「次代を担う会員の誇りと情熱の醸成」を目的に、日旅連活動の中核をなす営業推進委員会のメンバーら若手経営者を対象に昨年度から開講している。
今回は日本旅行から宿泊増売に向けての営業戦略と題し、インターネット、インバウンド、団体旅行、赤い風船(企画商品)の4つの分野から各担当者が説明した。
インターネットは同社取締役ICT事業本部長の前中弘美氏が講演。同社のネット販売を拡大するための戦略を述べ、特にインバウンド宿泊については、アイビーエス・ソフトウェアサービス・ジャパン(本社東京・港区)が保有するデータ連携システム「IBSi」との連携により、世界の約30社、数百サイトで同社の宿泊プランが容易に販売できるようになった現状を説明した。
またインバウンド全般は同社執行役員国際旅行事業部長の内田誠人氏が説明。ネット販売ほか、中国人富裕層向け医療観光で集客実績を挙げている現状を述べ、今後拡大したい考えを示した。
このほか観光庁観光地域振興課長の笹森秀樹氏が観光圏整備事業など地域観光振興、山田ビジネスコンサルティング事業企画部副部長の青木康弘氏が今後の旅館ホテルの経営戦略についてをテーマにそれぞれ講演した。
第2回の開講に当たり根津会長は「日旅連のネットワークを生かし、自館や地域の問題点が解決できればいい。皆さまは地域におけるリーダーだ。きょうの話を自らのビジネスだけでなく、地域にも浸透させてほしい」とあいさつ。
日旅連営業推進委員会の新谷尚樹代表委員(岐阜県・高山グリーンホテル)は「厳しい状況の中で日本旅行と我々日旅連が連携を図り、新しいビジネスモデルを構築し、重苦しい雰囲気を打破できればいい」と述べた。
日観連関東支部連合会が発足
日本観光旅館連盟の支部再編に伴い発足した「関東支部連合会」の総会、懇親会が6月23日、東京・上野の上野精養軒で開かれた。関東支部連合会は、東京支部、首都圏支部、千葉支部の3支部で構成。会員数は642軒。従来の支部単位の活動に加え、関東の観光振興に向けた連携を強化する。
齊藤源久・関東支部連合会長(東京支部長)=写真=は「9支部連合会の体制がスタートした。当面は支部連合会のもとで行う各支部の活動が主体になるが、県単位の支部にスムーズに移行できるよう会員の協力をお願いしたい」とあいさつした。
来賓として、国土交通省関東運輸局の神谷俊広局長、観光庁の鈴木昭久観光産業課長が出席。神谷局長は「支部連合会の発足が関東の観光振興につながると期待している」と述べ、外国人旅行者の誘致拡大、休暇分散化の実現などに向けた官民一体の推進を訴えた。
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