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トラベル ■第2569号《2010年7月10日(土)発行》
夏休みの宿泊旅行、国内は4%増の7412万人
JTBは、夏休み(調査対象7月15日〜8月31日)の宿泊旅行動向の見通しをまとめた。国内旅行者数は前年比4.0%増の7412万人となり、リーマンショック以前の08年夏の7348万人をも上回ると予測。景況感の改善とともに消費者の旅行意欲も高まってきているという。
昨年は8月下旬に衆議院選挙、9月に5連休があったため旅行時期が分散。今夏は参議院選も7月上旬に終わり、夏休み旅行のメーンである家族旅行が増えそうだ。お盆が8月13〜15日であることから、旅行出発のピークは8月12、13日と見込む。
国内旅行の平均費用は2.9%増の3万5300円と算出した。「企業業績の回復基調から夏のボーナス支給額が微増となり、消費者の旅行支出への意欲が前向き」と同社。
平城遷都1300年祭で8月20〜27日に光の天平行列などを行う「光と灯りのフェア」が開かれる予定で、奈良近隣を中心に多くの観光客が見込まれる。7月19日から始まる瀬戸内海7島でのイベント「瀬戸内国際芸術祭2010」も注目されるという。NHK大河ドラマ「龍馬伝」の影響で高知方面の宿泊予約は引き続き好調だ。「今後、長崎が舞台になることから、九州方面への観光客増の期待もある」(同社)。
一方、海外旅行者数も8.4%増の244万人と、08年の224万人を上回る見込み。ハワイ、グアム・サイパン、韓国、上海万博開催中の中国が人気という。旅行平均費用は3.0%増の21万8700円と予測する。
旅行3社、新会社「ビジネストラベルネットワーク」設立
日本旅行、トップツアー、KNTは2日、公示運賃国際航空券発券・仕入業務を統合し、これら業務を行う新会社を共同出資で設立することに合意したと発表した。
新会社の名称は株式会社ビジネストラベルネットワーク。資本金7500万円で、日本旅行が46%、トップツアーが36%、KNTが18%、それぞれ出資する。設立は7月末の予定。本社を東京都港区に置き、従業員約30人で業務を行う。
新会社の設立については、エヌオーイー、エフネスの2社が当初から協議に参加していたが、各種条件面の折り合いがつかなかった今回の出資には至らなかった。一方、当初の協議には加わっていなかったKNTだが、4社の共同仕入れの動きを受け、仕入れ力の強化などの目的で参画を決めた。
各社の公示運賃取り扱い実績合計は08年度で約800億円。
各社では国際航空券の発券業務を合理化し、コスト削減を図るとともに、新会社での発券ボリュームを背景に、航空会社から受け取る販売奨励金を増やしていく。
また需要の伸びが予想される他の旅行会社からの発券受託ビジネスも取り込みたい構え。国際線を運航する航空会社などで組織する国際航空運送協会(IATA)は、IATA加盟社の航空券を自社発券できる公認代理店に、倒産に備えた保証金などの供託を義務付ける。そのためコストがかかる自社発券を見直すIATA代理店が増えているという。
日旅、検診旅行の専門部署設置
日本旅行は1日、国際旅行事業部内に訪日医療ツーリズム推進チームを新設した。訪日外国人の医療検診旅行を専門的に扱う部署で、外客の受け入れ態勢整備や誘致促進などの業務を行う。中国、東南アジア、中近東、ロシアなどを対象に今年200人、2013年度に2千人を上回る受け入れを目指す。
要員7人で構成。業務項目は(1)医療施設ネットワークの拡大(国内訪日基盤整備)(2)海外医療関係専門ツアーネットワークの構築(3)訪日インバウンド医療ツアーの開発・販売促進──など。
同社は昨年4月から、中国人の富裕層を対象にPET(陽電子放出断層撮影装置=早期がん検出装置)検診と観光旅行を組み合わせたオーダーメイドツアーを、中国の現地旅行会社と日本国内の医療機関と提携して造成・販売している。1泊2日の検診に国内観光を組み合わせた4〜5日のツアーで、ひとり当たりの費用は約100万円と高額にもかかわらず、取り扱い実績は2009年(4〜12月)に約40人、今年は1〜6月で約70人と順調に増えている。
同社では中央省庁、地方自治体の取り組みと連携することで外国人の受け入れ態勢を整えるとともに、中国などでの取り扱いから得たノウハウを活用し、市場の拡大を目指すとしている。
東武トラベル社長に鉄道のグループ事業部部長
坂巻伸昭氏
東武トラベルは、7月1日付けで東武鉄道のグループ事業部部長の坂巻伸昭氏が社長に就任したと発表した。鈴木道明社長は退任し、東武タワースカイツリーの社長に就いた。
坂巻 伸昭氏(さかまき・のぶあき)1959年3月11日、千葉県の生まれ。1982年、武蔵大学経済学部経済学科を卒業し、東武鉄道に入社。2004年、東武商事に出向し常務取締役。
主要12社5月実績
鉄道旅客協会が1日発表した主要旅行業12社の旅行取扱額は、総取扱額が前年同月比11.7%増の2525億2400万円だった。内訳は、国内旅行が同6.3%増の1569億29万円、海外旅行が同23.6%増の885億4105万円、外国人旅行が同11.4%増の53億1738万円。
国内旅行は、12社中10社が前年実績を超えた。伸ばした中でも阪急交通社は2ケタ増と好調ぶりが目立つ。
海外旅行は全社が前年超えした。昨年5月は新型インフルエンザの流行の影響を受け、主に海外旅行が低調だったことから、各社とも前年に比べ伸び幅が大きくなった。
外国人旅行は、取り扱い11社中7社が前年を上回った。
今年4月からの累計は、総取扱額が前年同期比5.8%増の4724億6106万円だった。このうち国内旅行は同2.8%増の2930億5468万円、海外旅行は同11.9%増の1651億8483万円、外国人旅行は同11.2%増の110億1880万円で、全分野とも前年を上回っている。
国内旅行の累計額で前年を上回っているのは、ジェイティービー、日本旅行、近畿日本ツーリスト、トップツアー、東武トラベル、西鉄旅行、日本通運、阪急交通社の8社。
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