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地域観光 ■第2570号《2010年7月17日(土)発行》  

京都市、夏の旅キャンペーン開始
特別公開の秩父宮御殿。襖絵が美しい

 京都市と市観光協会は、「京の夏の旅」キャンペーン(後援・日本観光協会、JR西日本、JR東海)を今月1日にスタートさせ、9月末まで展開する。テーマごとにコースを巡る定期観光バスの運行や文化財の特別公開、京都ならではの体験観光プランなどさまざまな夏の京都が楽しめる企画を提案している。8日にはマスコミを対象にした現地取材会を実施し、コースの魅力などをPRした。

 キャンペーンは夏季の特別誘致対策事業の一環として毎年実施されており、今年で35回目を迎える。

 観光バス特別コースには3コースを設定。現地取材会では定期観光バス特別コース「京の宮御殿と公家屋敷をたずねて」を紹介。平安女学院大学有栖館、有栖川宮旧邸、旧九條家別邸「拾翠亭」など宮家の旧邸、摂関家の別邸、皇室とゆかりの深い門跡寺院の御殿を中心に巡る内容だ。

 有栖館は、300年の系譜を持つ四親王家の1つ、有栖川宮家の旧邸。現在は平安女学院大が京都文化、日本文化の研究や教育などの拠点として受け継いでいる。今回特別公開される建物の1つで、幕末から大正時代にかけての宮邸の様子を見ることができる。

 旧九條家別邸「拾翠亭」は五摂家の1つ、九條家の別邸として建てられた。200年ほど前の江戸後期の数寄屋風書院造の建物。また、旧嵯峨御所大覚寺の中にある秩父宮御殿は、大正12年に東宮仮御所の霞ヶ関離宮(現在の国会前庭)に建てられ、後に大覚寺に下賜されたもの。一般に初公開される。

 他にも定期観光バスには、「京の龍馬伝〜大龍馬展と伏見のまち」「宮廷鵜飼と夕景の嵐山」の2コースを企画。今年注目の坂本龍馬ゆかりの地や京の夏の風物詩である宮廷鵜飼などが楽しめる。



俳優やタレントが東京の島PR
「応援隊」の結成イベント

 伊豆・小笠原両諸島の認知度を高め、多くの観光客に来てもらおうと、東京都島しょ振興公社(理事長・藤井静男大島町長)は7日、港区の竹芝客船ターミナルで「東京愛らんど応援隊」の結成式を開き、タレントの新山千春さんや俳優の中尾彬さんらを応援隊メンバーに任命した。

 応援隊は、11島から成る「東京愛らんど」の認知度向上と観光や産業の振興を目的に結成した。さまざまな分野の専門家、団体・企業、文化芸能人で構成されており、JTB法人東京や全日本空輸なども名を連ねている。

 「メンバーは島に対して応援、貢献できることを考え、それぞれの立場でアクションを起こす、今までにない試み」と同公社。

 レジャー・観光担当の新山さんは「娘(4)と旅行してみたい。都会ではできない遊びを体験して、自然を体で感じてみたい」と述べ、また食・スローライフ担当の中尾さんは「焼酎は島によって味が異なり、青ヶ島の焼酎がいいね」と笑顔で語った。



ほんもの体験推進協議会が総会、23団体130人が一堂に
長崎・松浦市で開かれた総会

 体験型の観光振興に取り組む組織でつくるネットワーク、全国ほんもの体験推進協議会(代表世話人=新井徳二・南信州観光公社代表取締役)の第10回総会が10日、長崎県松浦市で開かれ、23団体から約130人が参加した。農家・漁家民泊の課題など、体験型観光の推進について情報交換を深めた。また、「第8回全国ほんもの体験フォーラム」を来年3月に徳島県で開催することを正式決定した。

 代表世話人の新井氏は「ネットワークがもう一歩前に踏み出すため、いろいろな施策を講ずる必要がある。事業仕分けで予算が減額された子ども農山漁村交流プロジェクトの重要性についても陳情活動を行っている」と報告した。

 開催地の友広郁洋・松浦市長は「今年から市に体験交流推進室を設置した。日本一のほんもの体験の街づくりを推進していく」と意欲を示した。

 参加者間では、体験型観光でのニーズが高い農家・漁家民泊に関して、受け入れ拡大や品質の維持向上への対策、安全管理マニュアルの整備などについて意見交換。子ども農山漁村交流プロジェクトの課題などについても協議した。

 全国ほんもの体験フォーラムは来年3月18〜20日に徳島県で開催することを承認。フォーラムは公開討論や分科会などを通じて体験型観光を考えるイベントで、中四国地方で開催するのは初めて。南阿波よくばり体験推進協議会、そらの郷山里物語協議会らが受け入れにあたる。

 総会に合わせ、9〜11日には漁業体験などの松浦で提供しているプログラムの体験会も行った。



長野県知事が旅行会社訪問、信州DCで協力要請

 長野県の村井仁知事は12日、鉄道会社や旅行会社などを訪問し、10〜12月に開催する「信州デスティネーションキャンペーン」(信州DC)の成功に向け、送客などの支援・協力を要請した。「知事が上京し、集中的に鉄道、旅行会社を訪問するのは珍しい」(観光部)という。

 訪問したのはJR東日本、びゅうトラベルサービス、JTB、KNT、日本旅行、トップツアーで、小野誠旅館ホテル組合会会長、久保田篤観光部長らが同行した。

 KNTでは吉川勝久社長、市井正之取締役兼執行役員国内旅行部長らが応対した。冒頭、知事は「10月から、12年ぶり4回目となるDCを行うことになった」と述べ、県への送客を依頼した=写真。これに対して、吉川社長は「近旅連長野支部は220軒あり、各支部の中でも圧倒的に多い会員数を持ち、強いつながりがある」と、KNTと長野とのパイプの太さを説明した。

 その後、連泊の実現やウェブサイトを通じた宿泊予約システムの課題、インバウンド対応などについて意見交換した。

 信州DCは「未知を歩こう。信州」をキャッチフレーズに、10月から3カ月間実施される。



福島県のアンテナショップが開店1周年
オープン1周年の式典

 福島県のアンテナショップ「八重洲観光交流館」(東京・中央区)がオープン1周年を迎えた。9日には記念セレモニーを開き、佐藤雄平県知事や観光交流大使を務める同県出身の女優の白羽ゆりさんらが出席。来場者には福島直送の旬の野菜をプレゼントした。

 観光案内や物販を担っていた「ふくしま会館」(東京・上野)の閉鎖に伴い、昨年7月11日、東京駅八重洲南口にオープンした。福島の銘菓「ままどおる」や薄皮饅頭、喜多方ラーメン、地酒などを販売。観光パンフレットなどを備え、観光情報も発信している。年間の来場者数は約16万7千人に達している。

 セレモニーで佐藤知事は「福島には浜通り、中通り、会津地方と3つのエリアがあり、それぞれに魅力がある。自然、食べ物、そして人柄がよいのが福島県だ。交流館の1周年を機にさらに多くの方々と交流できるよう期待している」とあいさつした。

 観光交流大使の白羽さんは、元宝塚歌劇団のトップスターで現在は女優として幅広く活躍している。「さまざまなメディアで福島県をPRしています。福島の皆さまに恩返しができるようがんばりたい」と笑顔で語った。

 佐藤知事や白羽さんらは、福島県から直送されたアスパラガス、キュウリ、ミニトマトの詰め合わせを来場者約200人に店頭で手渡した。

 このほか1周年記念イベントとして11日までの3日間、温泉宿泊券や特産品が当たる抽選会などを行った。



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