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旅館・ホテル ■第2570号《2010年7月17日(土)発行》
旅館女将がバリアフリー体験、優しい宿へ生かす
車いすでの段差越えに苦労する参加者
千葉県旅館ホテル組合に加入する施設の女将らでつくる「千葉県菜の花女将会」(鈴木まり子会長=ロイヤルヒルズ八宝苑、54会員)は5日、千葉県千葉市の京成ホテルミラマーレでバリアフリーをテーマにした勉強会を開いた。バリアフリーに先駆的に取り組む同ホテルで参加者は、盲導犬利用者らの生の声に触れたほか、車いすでの動作を体験し、施設やサービスの在り方について考えを深めた。
参加者は、盲導犬利用者、中途失調者、車いす利用者から、旅先で気付いたことや協力してほしいことなどを聞いたほか、エレベーターのかごや路上の段差などを想定して会場内につくったコースを車いすで走行し、車いすの操作の難しさや介助のコツなどを体験した。また、京成ホテルミラマーレで使っている補助具やメニュー表などの説明も受け、ホームセンターで売っているロープやブロックでバリアフリーを実現できることを学んだ。勉強会の最後には感想を発表し、参加者同士がバリアフリーに対する意識を共有した。
千葉県は今年10月に全国障害者スポーツ大会が開催されることから、バリアフリーへの対応が求められている。「宿泊施設は、障害を持つ人の受け入れに対し不安が先に立ちやすく、尻込みしがち。しかしバリアフリーは特別なことではなく、『気持ち』と『コミュニケーション』が大事なのだと会員も分かったのではないか」と鈴木会長。
長年にわたり京成ホテルでバリアフリーに取り組み、勉強会のコーディネーターを務めた秋元昭臣氏(茨城県土浦市、ラクスマリーナ専務)は、「京成ホテルもお金をかけずにできることから始め、徐々に改善していった。今日の勉強会で障害を持つ人とのつながりや、同じようなレベルからバリアフリーに取り組もうという女将さん仲間のネットワークができたと思うので、まずは介助犬受け入れのステッカーを貼るところから始めてもらえれば」と、女将会への期待感を語った。
菜の花女将会は、07年のちばデスティネーションキャンペーンを契機に、07年に結成。昨年から勉強会を年4回開き、研さんと交流を図っている。
読売旅連・指定協会、販売増へ会社と連携
約500人が出席した合同総会
読売旅行協定旅館ホテル連盟(佐藤信幸会長=山形県・日本の宿古窯、772会員)と読売旅行契約指定協会(中島四郎会長=島根県・鴎外村ふる里、714会員)は12日、東京の京王プラザホテルで総会を開き、国内企画旅行を主力とする同社の事業方針に積極的に協力するとした今年度事業計画を承認した。それぞれの総会後には連盟・協会合同の総会を開き、出席した読売旅行の巣瀬一社長は、旅行業界全体の売上が伸び悩む中、同社の業績の「自力での回復」を強調し、商品造成につながる全国各地の観光情報の発信などで会員に連携を呼びかけた。
協定旅館ホテル連盟の佐藤会長は、「観光が地域経済に及ぼす影響は大きい。国も観光を成長産業と認識している。だが、現状は厳しい。読売旅行に協力して、この難局を乗り切らねばならない」とあいさつ。
契約指定協会の中島会長は、「今、我々の中で自信をなくし、後ろ向きの志向の仲間が多い。我々業界は地域経済のけん引役だ。読売旅行と強い絆を持って、自信と誇りを持ってがんばろう」と述べた。
読売旅行の巣瀬社長は、新型インフルエンザなどの影響で旅行の取扱額や人員が約15〜20%減少した昨年度の会社の業績を報告。その上で、「今年は自力で回復をしなければならない。一番大切なのは連盟・協会の力。各地で着地型商品が盛況になっている。皆さまには(連盟・協会の)地区会を通して商品造成のヒントとなるような情報発信をお願いしたい」と呼びかけた。
会社では昨年度第4四半期(今年1〜3月)から「日本列島大キャンペーン」を展開。期ごとに方面やテーマを設定して集中送客している。
連盟・協会の今年度事業計画はこのほか、インターネットや雑誌「旅行読売」を使った施設や商品の一般への情報発信、イントラネットを使った読売旅行社員への情報発信、全国10地区会の活動支援など。
人事では、協定旅館ホテル連盟側で役員改選があり、佐藤会長を再選した。新役員は次の通り(カッコ内は所属、敬称略)。
名誉会長=巣瀬一(読売旅行)▽最高顧問=岩崎修三(鹿児島県・指宿いわさきホテル)▽会長=佐藤信幸(山形県・日本の宿古窯)▽会長代行=大木正治(愛媛県・ホテル葛城)▽副会長=小野友勇喜(北海道・登別プリンスホテル石水亭)、小田孝信(石川県・加賀屋)、小田尚史(愛知県・松風園)、沼田久博(和歌山県・むさし)、岩崎元孝(鳥取県・依山楼岩崎)、高塚悌司(茨城県・潮来ホテル)、斎藤建一郎(福島県・観山荘)、嘉味田朝靖(沖縄県・ホテルサン沖縄)、大久保紘一(群馬県・昔心の宿金みどり、昇任)
草津ナウリゾート、丸ビルから直行バス運行
草津ナウリゾートホテル(群馬県草津温泉)は17日から、東京駅丸ビル〜草津温泉間の直行バス「東京スパリゾートライナー」を1日1往復運行する。
同社では5年前からバス運営事業を開始。軽井沢、新宿、西船橋、さいたま新都心の各地発着の直行バスを運行している。
往路は東京駅丸ビルを午前9時30分発。同ホテル午後1時、草津温泉バスターミナル午後1時10分着。復路は草津温泉バスターミナル午後2時50分、同ホテル午後3時発。東京駅丸ビル午後6時30分着。
料金は片道平日2千円、休日、休前日、特例日2500円。
予約制だが、同ホテルの宿泊客以外も利用できる。
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