帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の今年6月調査分を発表した。それによると、同月の景気動向指数(景気DI=0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.6ポイント増の32.3で、6カ月連続で改善した。ただ、緩やかな自律回復の動きがやや後退し、同社では「国内景気は回復基調を維持しているものの、減速が鮮明になっている」とコメントしている。
調査は全国企業2万1924社を対象に行い、1万1257社から有効回答を得た。
DIを業界別にみると、製造、小売、サービスなど9業界が改善。農・林・水産の1業種が悪化した。
製造は前月比0.8ポイント増の35.3。10業界中、3カ月連続で最も高い数値となったが、改善幅は今年に入り最小にとどまった。内需の回復がぜい弱で、欧米に景気減速の兆しが表れ始めているほか、原材料高や円高が影響した。
小売は同0.2ポイント増の31.8。家電・情報機器小売などが2カ月ぶりに改善したが、飲食料品小売などが悪化した。
サービスは同0.6%増の32.9。教育サービスは改善したが、飲食店、広告関連などが悪化した。
農・林・水産は同0.1ポイント減の33.7。全国的に広がった春先の寒気の影響による農作物の生育不良や、宮崎での口てい疫拡大で、わずかながら6カ月ぶりに悪化した。
地域別では、9地域が改善。北関東の1地域が悪化した。南関東は同0.6ポイント増の34.0。製造、小売、サービスなどが堅調に推移し、5カ月連続で全10地域中、最も高い数値となった。
北関東は同0.3ポイント減の32.2。小売やサービスは改善したが、製造が同1.9ポイントの大幅減。鉄鋼や機械関連業種の原材料価格の値上げが影響した。
企業の規模別では、大企業が同0.4ポイント増の33.7、中小企業が同0.7ポイント増の31.9、小規模企業が同0.8ポイント増の28.2。すべて6カ月連続で改善した。