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旅館・ホテル ■第2571号《2010年7月24日(土)発行》
日・国観連、固定資産税軽減など要望
日本観光旅館連盟と国際観光旅館連盟はこのほど、2011年度税制改正要望をまとめ、国土交通省をはじめ関係省庁に提出した。旅館・ホテルにかかわる固定資産税の軽減などを要望。固定資産税の軽減に関しては、毎年要望してきた事項だが、老舗旅館の相次ぐ倒産など旅館業を取り巻く経営環境がさらに厳しさを増していることから、固定資産評価基準の見直し、不均一課税の拡大などを強く訴えていきたい考えだ。
旅館・ホテル業は、土地、建物自体が商品となる装置産業。土地、建物にかかる固定資産税の負担が大きく、大規模の旅館・ホテルでは年額で数千万円に及ぶとされる。宿泊需要の低迷による経営悪化で負担感は増大。「軽減してもらえれば、旅行ニーズに対応した設備改善の資金をねん出できる」などの声が以前から出ている。
日観連は、旅館・ホテル業に対する固定資産評価基準の見直しを求めている。固定資産税の課税標準は、総務相が定めた評価基準に基づき、市町村長がその価格を決めるが、建物について「都市部と地方では収益率に大きな格差があるが、全国一律の評価基準になっている」「実勢価値が評価基準となっていない」と疑問視。土地と併せ、装置産業の特殊性に配慮した見直しを求めている。
国観連も、固定資産税にかかわる建物評価に軽減措置を、土地評価には税率の引き下げを要望している。「建物は原則、再調達価格を算出根拠としているため、何年経過しても評価額が下がることがない。経年した施設には軽減税率の適用を」と求めた。軽減を通じた旅館業の振興が、地域の経済活性化、雇用確保に効果が大きい点も強調した。
固定資産税では、両団体ともに国際観光ホテル整備法に基づく不均一課税の拡大として、登録旅館・ホテルへの軽減措置も要望している。特に国観連は、2分の1への軽減と、減税に伴う国から地方への交付金などによる支援策を求めた。
税制改正要望ではこのほか、日観連、国観連ともに、旅行者に対する国内旅行費用の所得税控除制度の創設、入湯税の使途の観光振興と温泉資源保護への限定(国観連は廃止までの期間として要望)などを盛り込んだ。
旅館・ホテル倒産、上半期は9%増
帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)のホテル・旅館経営業者の倒産は50件、負債総額は269億3100万円だった。件数は前年同期の60件から10件(16.7%)減少。負債総額は同747億4900万円から478億1800万円(64.0%)減少した。
倒産件数を月別にみると、10件以上の2ケタが3、4月の2回で、前年同期の4回を下回っている。最高は4月の11件。
月別の負債総額は、前年同期に4回あった100億円の大台超えはゼロだった。最高は1月の95億400万円。
9件、負債38億円 6月単月の倒産
6月単月の倒産は、件数が9件、負債総額が38億9800万円だった。
件数は前月比2件増加、前年同月比2件減少。負債総額は前月比8億2千万円増加。前年同月比62億9800万円減少した。
全旅連、宮崎県に義援金
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)の佐藤信幸会長らは6月28日、宮崎県庁を訪れ、口てい疫の発生で苦しむ同県の宿泊、観光産業などを支援する義援金を贈った。
義援金は都道府県の旅館組合や、6月に開かれた全旅連総・大会の参加者から集めたもので、総額100万円。6月の理事会で宮崎県ホテル旅館生活衛生同業組合の植田恒雄理事長が、非常事態宣言後に予約キャンセルが続く同県宿泊産業への支援を訴えていた。
県庁では佐藤会長、宮崎県組合の植田理事長が同県福祉保健部の高橋博部長に会い、義援金を手渡した(写真)。
きぬ川ホテル三日月、ガーデンスパ新設
ガーデンスパの屋上プール
栃木県日光市のきぬ川ホテル三日月(小高芳男会長)は15日、「三日月ガーデンスパ」を新設した。ホテル三日月グループとしては、木更津温泉「龍宮城ホテル三日月」に次ぐ規模のスパ施設となる。
地上3階、地下1階建のスパ棟を敷地内に新築した。3階部分に水着で入る屋内スパと男女別大浴場やエステ施設を、屋上には25メートルの屋外プールを設けた。地下1階から2階部分までは合計200台収容の駐車場スペースとした。
屋内スパには一周100メートルの巨大スパ、ウォータースライダー、5種類のサウナなどがある。
平日入場料は大人が1500円、子供が1千円。同入場料でホテル内の浴場施設の入浴も可能。33種類のスパと風呂を楽しめるようにした。
同日、地元関係者、取引先など約600人を招いて開いた完成記念式典で小高会長は「千葉県で営業展開してきたホテル三日月グループだが、昨年9月から鬼怒川温泉にお世話になっている。夏休みに間に合うように開設したスパが、地域の活性化に役立つものと信じている。地域の皆さんの役に立つホテルになりたい」とあいさつした。
斎藤文夫日光市長は「鬼怒川温泉の再生事業で、行政はこれまで32億円を投じて、鬼怒川温泉駅前の整備事業など地域活性化の基盤づくりを行ってきた。まちづくりに終わりはない。敬意を表する」と祝辞を述べた。
本多利夫・前鴨川市長、八木澤勝久・鬼怒川・川治温泉観光協会長、船曳冨士男・鬼怒川・川治温泉旅館協同組合副理事長らも来賓として出席した。
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