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ビジネス ■第2572号《2010年8月7日(土)発行》
小企業の業況DI、5期連続で上昇
日本政策金融公庫はこのほど、四半期ごとに実施している全国中小企業動向調査の今年4〜6月期分の結果を公表した。それによると、全国の小企業の業況判断DIは前期比で5期連続上昇のマイナス48.9。中小企業の業況判断DIは0.3で、3年半ぶりのプラス値となった。公庫では小企業の基調判断を「持ち直しの動きがみられる」、中小企業の基調判断を「持ち直しの動きが続いている」としている。
小企業調査は全国の従業者20人未満(飲食店・宿泊業、卸売業、小売業は10人未満)の同公庫取引先1万企業に行い、6998企業から有効回答を得た。
同期の業況判断DI(よいとする企業割合から悪いとする企業割合を引いた値)は前期比5.8ポイント上昇のマイナス48.9。マイナス値ながら5期連続の上昇で、直近の景気の谷から14.7ポイント戻し、リーマン・ショックのあった08年7〜9月期の水準(マイナス50.3)を上回った。来期(今年7〜9月期)の見通しは今期比4.1ポイント低下のマイナス53.0。
業種別では、建設業を除くすべての業種で上昇した。飲食店・宿泊業は前期比3.8ポイント上昇のマイナス60.9。来期は今期比3.3ポイント上昇のマイナス57.6になる見通し。
製造業は前期比14.0ポイント上昇のマイナス39.7。公庫では「従業者規模の大きい方が直近の景気の谷からの上昇幅は大きい」としている。製造業は2期連続で非製造業を上回り、両者の差は拡大している。
地域別では、九州を除くすべての地域で上昇した。このうち東京・南関東は前期比6.0ポイント上昇のマイナス49.7、近畿は同5.1ポイント上昇のマイナス51.1。大都市圏が大幅に上昇し、地方圏の水準まで戻した。
一方、中小企業調査は原則従業員20人以上の同公庫取引先1万3441社に実施。このうち6915社から有効回答を得た。
同期の業況判断DI(前年同期比で好転とする企業割合から悪化とする企業割合を引いた値、季節調整値)は前期比11.3ポイント上昇の0.3。06年10〜12月期以来、3年半ぶりのプラス値となった。ただ、来期は今期比3.6ポイント低下のマイナス3.3で、再びマイナス値に転じる見通し。
業種別では、自動車部品などで大幅なプラス値が続いている。飲食宿泊業は前期比上昇したもののマイナス値が続き、7〜9月期、10〜12月期もマイナス値が続く見通し。
上半期の企業倒産、件数は初の前年比減少
帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)の全国企業倒産(集計対象=負債額1千万円以上、法的整理による倒産)は前年同期比14.7%減の5989件、負債総額は同9.6%減の4兆1546億8100万円だった。件数は同社が集計対象を法的整理のみに変更した05年4月以降、上半期としては初の前年同期比減少となった。また負債総額は3年ぶりに前年同期を下回った。
件数は前期(09年上半期)比でも4.7%の減少。前年同期まで7期連続で前期を上回ったが、これで2期連続で前期を下回った。同社では要因・背景として(1)中小企業金融円滑法に基づく返済条件緩和により、多くの企業が資金繰り破たんを回避(2)景気回復と政策効果もあり、建設、製造、卸売、不動産業の減少が目立つ──などを挙げている。
一方、負債総額は、1月の日本航空など3社だけで2兆円超、全体の55.9%を占めており、前期比では87.5%増加したが、前年同期比では減少した。負債100億円以上の倒産が23件にとどまるなど、大型倒産の鎮静化が続いている。3社を除く負債総額は半期ベースで最低水準で、縮小傾向が鮮明となっている。
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