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観光行政 ■第2578号《2010年9月18日(土)発行》  

観光庁、外客受け入れ整備で京都など5カ所支援
 観光庁は、外国人旅行者の受け入れ環境の整備に向けて、5つの地域が新たに取り組む事業への支援を始める。外国人に分かりづらいバスの乗り継ぎを情報端末で案内する京都市での事業、外国語への対応が難しい観光案内所や旅館などにテレビ電話を設置してコールセンターが対応する仕組みを構築する広島市での事業などが支援対象。成果や課題を検証しながらモデルとなる事例をつくり出し、他の地域に普及したい考えだ。

「戦略拠点プロジェクト」と題したモデル事業で、今年度は京都市、広島市、浦安市(千葉県)、福岡市、横浜市で実施する。補助金は合計約3千万円。事業の立ち上げ段階だけを支援し、以降は地域や事業者が自立して継続した運営ができるような案件を対象に選んでいる。

 支援する事業は、観光庁が環境整備の重点分野に想定している(1)交通網の包括的な情報提供(2)街歩き情報・環境の充実(3)多様な観光情報の提供(4)言語対応サービス環境の整備(5)地域(施設)全体での決済環境の導入──に対応している。

 交通網の包括的な情報提供は、京都市などを事業主体に実施する。京都観光でのバスの利用方法を分かりやすく伝えようと、バス停近くに情報端末を設置し、目的地を入力すると、乗り継ぎなどが簡単に表示されるようにする。飲食店などの情報も紹介し、情報掲載料を得て運営費をまかなえるような仕組みづくりを目指す。

 多様な観光情報の提供には、広島市で取り組む。単独の施設では複数の言語に対応した情報提供が難しいケースも多いため、観光案内所や旅館などに「スカイプ」というサービスを使ったテレビ電話の情報端末を設置し、遠隔地にいる専門スタッフが英語、中国語の問い合わせに対応できるようにする。複数の自治体や事業者からの費用拠出による共同運営のあり方も検討する。

 言語対応サービス環境の整備では、福岡市などが外国語によるボランティアガイドの育成プログラムを作成する。中国発着のクルーズ船の福岡寄港時に活躍する留学生などの中国語のガイド、着地型ツアーを案内する英語や韓国語のガイドを対象に研修などを開催し、スキル向上につなげる。

 このほか、街歩き情報・環境の充実では、浦安市で外国語の旅行ガイドマップの掲載内容や表記方法の基準としてガイドラインを作成。地域全体での決済環境の整備では、横浜市で、複数の交通機関で利用できる外国人旅行者向けのIC乗車券を観光案内所やホテルで販売する。



TIJ、上海万博で日本PR
 日本ツーリズム産業団体連合会(TIJ)は24日から4日間、上海万博の日本館イベントステージで、訪日観光PRイベントを実施する。6月下旬に同様のイベントを実施しているが、この時は3日間で延べ約7万5千人が来場、中国における日本の関心の高さが浮き彫りになった。

 このイベントは、「上海友好都市旅物語〜写真から広がる上海と日本の絆。そして未来。」。後援はキヤノンとキヤノン(中国)有限公司。

 上海の友好都市である大阪市や横浜市を始めとする、日本各地の観光名所や風景を映像で紹介する。また、前回、日本の風景をバックに撮影した写真をその場でプリントしてプレゼントするサービスが好評だったため、今回も実施する。



観光庁、スポーツ観光大使にスキーの荻原氏任命
 観光庁は7日、スポーツを通じた観光の活性化に協力してもらう「スポーツ観光マイスター」に、スキーノルディック複合の元選手で冬季五輪金メダリストの荻原健司氏を任命した。スキーは国内旅行者はもとより、アジアや豪州を中心とする外国人旅行者の誘致でも注目のスポーツであることから、萩原氏の情報発信力に期待を寄せている。

 荻原氏は群馬県草津町出身で、ノルディック複合ではアルベールビル、リレハンメルと2大会連続で団体金メダルを獲得。ワールドカップ個人総合の3連覇も達成している。選手引退後は参議院議員を務めた経験も。現在は北野建設スキー部部長に就き、後進の指導にあたっている。

 任命について荻原氏は「日本にスキーが伝わって来年がちょうど100年。この節目に任命いただきうれしく思う。国内外からの旅行者増加のためにがんばりたい」と話している。




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