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インバウンド ■WEB増刊号《2010年10月30日(土)発行》
9月の訪日外客、34%増の72万人
9月の訪日外客数は前年同月比34.0%増の71万8千人となり、9月として初めて70万人を突破、過去最高を記録した。日本政府観光局(JNTO)が10月25日に発表した。ビジット・ジャパン・キャンペーンの重点15市場ではインド以外で前年同月の実績を上回った。このうち中国が過去最高を記録しており、尖閣諸島沖の漁船衝突事件の影響は9月の時点では大きくは現れなかった。
中国は39.3%増の13万8千人。連休となる中秋節(旧盆)の休暇が昨年は10月だったが、今年は9月にあたり、ビジット・ジャパン事業の広告宣伝の効果もあって旅行需要が増加した。
一方で9月7日には尖閣諸島沖で漁船衝突事件が発生し、中国からの公務旅行やインセンティブ旅行にキャンセルの動きが出た。観光旅行に関しては予約・支払い済みの旅行者が多く、キャンセルなどの影響は限定的だった。
市場別で最も構成比の大きい韓国は83.7%増の19万4千人。9月として過去最高の07年の20万1千人に次ぐ実績だった。国内景気の回復のほか、昨年は10月初旬だった秋夕(旧盆)休暇が今年は9月21〜23日だったことなどがプラスに作用した。
台湾は32.7%増の10万3千人。インセンティブ旅行として6千人規模の大型ツアーと複数の数百人規模のツアーが実施された。しかし、「日台間の航空座席の供給量は昨年より依然少ない状態」(JNTO)。中国からの台湾旅行の需要拡大などで日本向けチャーター便の機材繰りも難しくなっているという。
この他、米国が8.2%増の5万7千人、香港が3.2%増の3万4千人、豪州が24.8%増の2万4千人などだった。
アジア3大都市住民、日本観光に関心
野村総合研究所が韓国・ソウル、中国・上海、台湾・台北の3都市に住む男女を対象に海外旅行についてアンケート調査したところ、台北と上海では今後行きたい旅行先として日本をトップに挙げた。ソウルでも2位に入り、日本の人気が高いことが分かった。
調査は9月上旬、3都市に住み、かつ5年以内に海外旅行経験がある15歳以上の男女を対象にインターネット上で実施した。1655人が回答。内訳はソウル548人、上海553人、台北554人。
過去5年間に観光を目的とした旅行先を尋ねたところ、日本と答えたのは上海で70%、台北で66.2%、ソウルで54.6%となり、3都市すべてにおいて首位となった。2、3位を見ると、上海は香港・マカオ、韓国、台北は香港・マカオ、中国、ソウルは中国、タイの順。
今後行きたい旅行先を最大5つまで選んでもらったところ、日本を選択したのは台北で75.2%、上海で65%に達し、ここでも日本が首位に。ソウルでは欧州が68.8%で首位だったが、日本は52.7%で2位につけている。
日本を選んだ回答者に限定して、訪日旅行で期待することを尋ねると、ソウルでは「温泉・リラクゼーション」が16.7%ともっとも高く、次いで「食事を楽しむ」(16%)、「伝統的な景観・旧跡」(11.1%)が続く。温泉・リラクゼーションについては、上海は6.2%(7位)、台北は4.4%(同)にとどまっている。一方、食事を楽しむは台北で25.7%(1位)、上海は14.6%(4位)と総じてランクが高い。「期待の対象とその度合いは都市ごとに特徴がある。各都市から誘客する上での参考となりそう」と同総研では見ている。
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