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インバウンド ■第2584号《2010年11月6日(土)発行》  

観光庁「VJC事業はJNTOに委託せず」
 観光庁は来年度、独立行政法人・国際観光振興機構(=JNTO、日本政府観光局)に、同庁が実施するビジット・ジャパン事業を原則として委託しない方針で調整を進めている。政府の行政刷新会議による事業仕分けで「民間に委ねるべきものは民間に委ねる」とされた結果に沿う方向性で、来年度の予算編成を検討中だ。JNTOが運営している外国人旅行者向けの観光案内所(TIC、東京・有楽町)の民間委託も検討している。

 ビジット・ジャパン事業では、JNTOが旅行会社の招請事業やツアー造成・販売支援事業などの一部を受託している。2009年度の受託額は約5億7千万円。近年では年間4億円程度を受託してきたが、今年4月の事業仕分けでは、独法であるJNTOが競争入札で事業を受注することなどが疑問視され、検討を求められた。

 TICの運営についても事業仕分けでの結論は、JNTOによる直営の廃止だった。観光庁では、競争入札などを行い、来年度中に民間に運営委託することを検討している。

 また、JNTOの北京とバンコクの海外事務所を独立行政法人・国際交流基金の各事務所と併設させる方針。政府の新成長戦略などが海外出先機関のワンストップの窓口化を掲げていることから、来年度に試行的に実施する。

 観光庁では、海外事務所を持つJNTOの役割を同庁が企画立案した政策の“実行部隊”と改めて明確化し、ビジット・ジャパン事業については民間企業が受注して実施する事業の現地での監督機能などを期待する。

 溝畑宏長官は、10月27日の定例会見で「JNTOの事業縮小ではなく、機能の見直しだ。訪日外国人3千万人の誘致に向けてJNTOの役割は重要。海外での情報収集や広報宣伝の機能をさらに強化したい」と述べた。



中国・広州で「ジャパンデー」、国際女将会も協力
着物の着付けを手伝う女将会のメンバー

 在広州日本総領事館と中国・広東省人民対外友好協会は10月17日、広州市の花園酒店(ガーデンホテル)で青少年に日本を紹介する「広州ジャパンデー」を共同開催した。2500人が来場した。

 日本旅館国際女将会(須賀紀子会長)が協力。着物の着付け体験や茶道のデモンストレーション、日本の温泉文化についての講演会などを行った。

 日本の中学生に相当する、中山大学付属中学の学生たちが今回初めて参加。参加者は「正座はつらかったのに、女将さんは平気でやっていて、おどろいた」「着物を着ると身が引き締まる思いがする。日本人のていねいさは着物文化も関係していると思った」などと日本の伝統文化に興味を寄せていた。

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